糖質はがんのエサです。高血糖は様々な疾患で病状の悪化や死亡率の上昇などと関連していると考えられます。
脳腫瘍の中で神経膠腫(グリオーマ)の発生は、10万人に20名前後の発生といわれていて、脳腫瘍の25%前後です。その中の膠芽腫(グリオブラストーマ)は成人のグリオーマの40%程度と最も頻度が高く、さらに最も悪性度が高いものです。そして、悪性脳腫瘍の中で最も頻度の高い腫瘍です(頭蓋内腫瘍の10%弱)。
5年生存率は10%程度です。
そのよう膠芽腫の生存期間に高血糖が関係しています。
今回の研究では191人(平均年齢55.7歳)の膠芽腫の人の血糖値を4つのグループに分けました。最も低いグループは94mg/dL未満、次のグループは94〜109mg/dL、その次は110〜137mg/dL)、最も高いグループは137mg/dLを超えるものでした。ちなみに血糖値は絶食状態かどうかは不明で、利用可能なすべての血糖値の結果を使用して、各患者の平均の血糖値を計算しています。
生存期間の中央値は11.0か月でした。それぞれのグループの生存期間の中央値は、最も血糖値が低いグループで14.5か月、その次が11.6か月、その次が11.6か月、もっとも血糖値の高いグループで9.1か月でした。(図は原文より)
上の図は生存曲線です。横軸が月数を表しています。縦軸は生存率です。治療に血糖値を上げるデキサメサゾンというステロイドが使われているので、デキサメサゾンの使用量で調整したものです。そうすると、青い線の最も低いグループが最も生存期間が長く、黄色い線の最も高いグループが生存率が最も低下しました。
糖質過剰摂取による高血糖が起こり、それに起因する高インスリン、高IGF-1が腫瘍の成長を刺激すると考えられます。高血糖そのものもがん細胞に豊富なエサを与えていることと同じです。がんは糖質過剰症候群です。
がんになったらやはりケトン食だと思います。もちろんがんに打ち勝つまでは難しいことも多いと思いますが、わざわざ成長を促すエサを与える必要はありません。
膠芽腫に糖質制限、ケトン食はどの程度有効なのでしょうか?それは次回以降で。
「Association between hyperglycemia and survival in patients with newly diagnosed glioblastoma」
「新たに診断された膠芽腫患者における高血糖と生存との関連」(原文はここ)