あなたは祈ることができるか?

あなたは祈ることができますか?

と言っても神様に祈るわけではありません。宗教へのお誘いでもありません。

ときおり、手のこわばりや腫れを訴える方がいます。もちろんリウマチの場合もありますが、リウマチのような症状ですがリウマチではないのです。そのような方の多くはいわゆるメタボリックシンドロームです。

糖尿病の方に比較的頻繁に起きる手の症状があります。糖尿病手症候群と一般的に言われています。その中で「関節可動域制限」(Limited joint mobility)や「糖尿病性手関節症」(diabetic cheiroarthopathy)と言われている症状があります。有病率は報告によって様々で、8~76%となっていて、概ね30%前後と考えられています。(ここ参照)(図は原文より)

上の図のように、手の指が屈曲変形し、指を伸ばした状態で手の平を合わせることができない「祈りのサイン」(prayer sign)と呼ばれる状態になります。

しかし、私はこれが糖尿病に限った症状だとは思っていません。糖尿病の診断はされていなくても、このような変形まできたさないまでも、手のこわばりや浮腫を認める方もいます。変形も認める人もいます。

この「祈りのサイン」を呈する原因は多因子であると考えられていますが、その原因の最も大きなものは、皮膚および関節周囲組織におけるコラーゲンの糖化の増加、コラーゲン分解の減少、つまりAGEs(終末糖化産物)によるものだと考えられています。ある研究では健康な人の約13倍もコラーゲンの糖化が起きていたという報告もあります。(ここ参照)

さらに糖尿病性細小血管障害、および糖尿病性神経障害など、いくつかの要因も関係していると考えられています。

つまり、糖質過剰摂取によるAGEsの増加により、このような手の症状を来たすのであり、糖尿病であるかどうかは問題ではありません。糖質制限で血糖値を上げないようにしてAGEsを増加させないようにしなければなりません。

手のこわばり、指が伸ばしにくいという感覚、手のむくみなどを感じ始めたら、すぐにでもしっかりとした糖質制限をすべきでしょう。そうしないと「祈ること」ができなくなります。

糖質過剰症候群

「Prayer sign」

「祈りのサイン」(原文はここ

コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    柔軟性→ストレッチ!となりがちですが、固くなった原因によってストレッチで身体を傷めてしまうかもしれませんね。
    糖尿病や認知症、慢性疾患の予防・改善の情報は、食事・運動・(サプリを含めた)服薬など、溢れていますが、多くは経済(企業利益)優先で、決め手に欠けている感じです。

    手っ取り早く糖質制限に取り組めばいいのに、と思うのですが。

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      AGEsはすぐに無くなりませんので、糖質制限を始めても手の症状が改善するまでには長い時間がかかるかもしれません。
      まずは糖質制限で予防だと思います。

  2. 西村 典彦 より:

    糖質制限を始める前、起床時に手の浮腫があり、次第に指関節に痛みもでるようになりました。
    とりあえず整形外科を受診して血液検査、レントゲンの検査をしましたが、リウマチは否定されたものの、これと言った原因もわからず、利尿作用のある漢方薬を処方されました。
    しかし改善することはなく、だんだん痛みは強くなる傾向にありました。
    この時の血液検査の項目には血糖値関連がありませんでした。整形外科での検査では普通のことなのでしょうか?もしそうなら整形外科医にももっと血糖値との関連を考えた治療をして欲しいものです。
    その後、スーパー糖質制限で嘘のように治り現在に至っています。

    • Dr.Shimizu より:

      西村 典彦さん、コメントありがとうございます。

      血糖値はルーチンの検査で行う病院もあれば、項目に入っていない病院もあると思います。
      いずれにしても、浮腫は糖質によるものという考えは整形外科医でなくても、内科医でもほとんど無いのではないでしょうか?
      内科では浮腫を起こしている人にはだいたい西洋薬の利尿剤が投与されています。