難病としては比較的メジャーなパーキンソン病ですが、原因は中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して起こると考えられています。そして、さらにドパミン神経細胞が減少する原因ははっきりとはしていません。現在はドパミン神経細胞の中にαシヌクレインというタンパク質が凝集して蓄積し、ドパミン神経細胞が減少すると考えられています。このαシヌクレインが増えないようにすることが治療薬開発の大きな目標となっています。(ここ参照)
治療としては薬物療法が基本で、ドパミンが減っているので、ドパミンを補う薬がメインとなります。
さて、αシヌクレインは、神経細胞に非常に豊富な神経タンパク質です。
αシヌクレインは糖化すると凝集体を生成し、細胞の酸化ストレスを引き起こし、高い細胞毒性をもたらします。(ここ参照)
さらに、前回の記事「糖質をエネルギー源にすればするほど体は蝕まれていく」で書いたように、糖質過剰摂取で糖質をエネルギー源にすると、非常に反応性の高い危険な「メチルグリオキサール」という代謝産物ができてしまいます。メチルグリオキサールはタンパク質だけでなく、神経伝達物質のドパミンさえも糖化してしまいます。ドパミンの糖化により、1-アセチル-6.7-ジヒドロキシ-1,2,3,4、-テトラヒドロイソキノリン(ADTIQ)などの毒性代謝物が生成されます。(ここ参照)
この活性代謝物ADTIQは、黒質を含むヒトの脳組織に存在します。ADTIQはパーキンソン病の患者で大きく増加しているのです。
そうすると、パーキンソン病には糖化が大きくかかわっていると考えられます。治療薬の前に糖化をできる限り抑制することが一番の目標であると思います。
糖化を防ぐには、糖質過剰摂取をやめることです。パーキンソン病は糖質過剰症候群と考えられます。まずは糖質制限をすることが予防、改善に必要なことだと考えます。
「On the Relationship between Energy Metabolism, Proteostasis, Aging and Parkinson’s Disease: Possible Causative Role of Methylglyoxal and Alleviative Potential of Carnosine」
「エネルギー代謝、タンパク質恒常性、老化およびパーキンソン病の間の関係について:メチルグリオキサールの考えられる原因となる役割およびカルノシンの緩和の可能性」(原文はここ)
難病、安倍政権時代大幅に指定難病がふえました。
それとは別に、難病になってしまう人も昔よりは大幅に増えている(統計調べてないので)
印象です。
食生活は大いに影響しているのでしょうね。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
難病のいくつかも糖質と大きなかかわりがありそうですね。