糖尿病、空腹時血糖による死亡リスク

糖尿病や空腹時高血糖は様々な死亡リスクと関連しています。その関連はどの程度でしょうか?

今回の研究では97件の研究、820,900人を分析しました。(図は原文より)

上の図はAががんによる死亡、Bががんおよび血管疾患以外の死亡のリスク比です。

全体的な死亡率の大まかな割合は、糖尿病のある人の方が糖尿病のない人よりも高く、男性では、それぞれ1000人年あたり29人対1000人年あたり12人、女性では1000人年あたり23人対1000人年あたり7人でした。原因別の死亡率は、がんによる死亡の場合、男性では1000人年あたり7対4、女性では1000人年あたり4対3でした。血管死の場合、男性では1000人年あたり13対5、女性では1000人年あたり11対2で非がん性、非血管性の死亡については、男性では1000人年あたり6対3、女性では1000人年あたり6対2でした。

糖尿病は、肝臓、すい臓、卵巣、結腸直腸、肺、膀胱、および乳房のがんによる死亡と関連し、肝臓がんが最も高く2.16倍でした。

がんおよび血管疾患以外の死亡については、糖尿病は腎疾患、感染症、肝疾患、肝臓以外の消化器疾患、転倒、肺炎、精神障害、意図的な自傷、外因、神経系障害、慢性閉塞性肺疾患による死亡とも関連していました。腎疾患は3倍、感染症は2.39倍、肝疾患は2.28倍でした。精神疾患や意図的な自傷とも関連していることは注目すべきかもしれません。

上の図は空腹時血糖とリスク比です。左からがん死、血管疾患死、非がん非血管死です。横軸の空腹時血糖値を日本の単位に直すには18をかけてください。血糖値が5.6mmol/L、つまり日本の単位で100mg/dLを超えたくらいから死亡リスクが高まるようです。

上の図はAが生存曲線で、青が糖尿病のない人、赤が糖尿病のある人です。Bは糖尿病のない人と比較して糖尿病のある人がどれくらい命が短くなったかを示しています。左が男性、右が女性です。糖尿病の人は糖尿病のない人よりも平均して6年早く死亡し、生存率の差の約40%は非血管疾患死に起因していました。40歳、50歳、および60歳で、糖尿病のある人で血管疾患の病歴のない男性は、それぞれ約6.3年、5.8年、および4.5年の命が短くなることになりました。糖尿病の女性ではそれぞれ6.8年、6.4年、および5.4年の短命でした。

これらの死因の多くは糖質制限でリスクを大きく下げられると考えます。多くの疾患は糖質過剰症候群です。まずは糖質制限が基本でしょう。

 

「Diabetes mellitus, fasting glucose, and risk of cause-specific death」

「糖尿病、空腹時血糖値、および原因別死亡のリスク」(原文はここ

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