カロリー計算なんてあてにならない

いまだにカロリー計算を信じている人がいます。100年以上も前に考えられた方法で計算したものをいまだに使っています。しかし、この計算が間違っていることは1970年代には明らかになっているようです。カロリーはアトウォーター係数によって決定され、炭水化物4kcal/g、タンパク質4kcal/g、脂質9kcal/gとしています。

今回の研究では、アーモンドを使って、このエネルギーの計算法が正しいのかどうかを分析しています。

18人の健康な成人が18日間、管理された食事またはアーモンドを含む食事を摂取しました。18日間のうち最後の9日間のすべての尿と便を収集し、食事とともにそのエネルギーを測定しました。アーモンドは0gと42gと84gの3つのパターンです。

使用されたアーモンドの組成に基づいて計算すると28gでエネルギー含有量は170kcal、6.1kcal/gでした。

しかし、実際に実験的に測定、分析されたアーモンドのエネルギー含有量は4.6±0.8kcal/gでした。しかも、個々の人の測定値は2.2~6.0kcal/gの範囲でした。つまり、人によって3倍近くも開きがあるのです。

アトウォーター係数で計算したものは、測定されたエネルギー含有量の32%も過大でした。こんないい加減な数値を使って計算したカロリーは何の役にも立ちません。

同じ食べ物であっても加工度によっても吸収率は異なるはずです。何かを食べたときの、その吸収率、代謝中に放出される熱などは個人差や個人の中でもその時の状態や食べるものの組み合わせによっても大きく異なるでしょう。腸内細菌の役割も無視しているはずです。

元の論文や研究はわかりませんが、この論文には「タンパク質の消化率は、20%から97%まで、炭水化物については32%から98%までの範囲」と書かれています。大きな違いです。

こんな化石のような考えが栄養学の基本となっているので、いつまでたっても栄養学の進歩がないと思います。

「Discrepancy between the Atwater factor predicted and empirically measured energy values of almonds in human diets」

「人間の食事におけるアーモンドのアトウォーター係数の予測エネルギー値と実験的に測定されたエネルギー値の間の不一致」(原文はここ

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コメント

  1. 西村 典彦 より:

    出典を失念してしまいましたが、ある本によるとカロリーは、どこかの国の大学院生が思いつきで論文で使用したのがきっかけだそうです。
    その後、何の検証も反証もないまま、世の中に受け入れられ独り歩きしてしまい、現在に至っているようです。

    そしてカロリーの表示ですが、±20%の誤差が認められているようです。
    例えば1000kcalのものは800~1200kcalと表示されている能性があるのです。上下で実に1.5倍の差があります。
    これだけを考えても本当にザックリとした目安程度にしかならないと考えられますし、誤差が認められている事を逆手にとって過小評価した製品などもあるようです。

    しかしながら、私は食べたものを毎食、消費カロリー、体重、血糖値、ケトン体値等と共に数年間計測していますが、意に反して体重と摂取カロリーの5日間移動平均は強く相関します。
    要するに今の体重は過去5日間の摂取カロリーが影響していると言えそうです。あくまでも私の場合限定ですが。
    ただし、強く相関するのは体重がある狭い範囲にある時だけで、その範囲を外れると相関が弱くなります。
    BMI20.5~21.5程度(私は元々痩せ型です)のごく狭い範囲で安定している時に強く相関します。

    こんないい加減なカロリーですが、私個人に限定すれば体重との強い相関が得られるのは、個人が選択する食材等は、嗜好に合わせて狭い範囲で同じものを選択する事が多く、カロリーの測定誤差、個人の吸収率等も一定であるためではないかと考えています。
    個人間の比較は無理な気がしますが、ある個人の中ではそれなりに指標になるように思います。
    以上は、糖質制限(40~50g/日程度、PFC比率20:70:10)を基本とした食事でのエネルギー摂取の場合ですが、そうでない場合はどうなるか分かりません。

    • Dr.Shimizu より:

      西村 典彦さん、コメントありがとうございます。

      確かに個人の中では、体の状態も食事法も安定している場合にはエネルギー量と体重が相関するかもしれませんね。
      そのような場合には当然体重の変動幅も小さいので変動の意味もあまりないでしょうね。

  2. 鈴木 武彦 より:

    何でもそうかも知れませんが情報アップデートは必須、できなくなると戦力外です。

    失礼な例えですが、認知症状のある高齢者は新しい情報を活用出来ず、
    習慣的な事や体が覚えていること(手続き記憶という名前)でなんとか生活されてます。
    (それも難しくなると、介護が必要になりますが)。

    カロリー神話も、(神話でしかないでしょう「知らぬは栄養士ばかり」だったりして)
    国民の健康の為にアップデートして欲しいです。

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      医師も栄養士も認知機能が・・・?

  3. クリードン より:

    1907年、カール・フォン・ノールデン(Carl von Noorden)というドイツ人の内科医が、以下のように書いています。

    「The ingestion of a quantity of food greater than that required by the body, leads to an accumulation of fat, and to obesity, should the disproportion be continued over a considerable period.」

    ノールデンの著書『Metabolism and Practical Medicine』の第3章に上記の文章があります。

    「カロリー教」というカルト宗教の教祖はノールデンということになります。

    以後、「消費する以上のエネルギーを摂取するから太るんですよ」の呪文を唱えるだけで、誰でもダイエットの専門家に変身できるようになりました。

    • Dr.Shimizu より:

      クリードンさん、コメントありがとうございます。

      ノールデン氏ですか。知りませんでした。
      誰が言い始めたとしても、これだけ科学が進歩したのに、カロリー神話は都合よく使われてしまっていますね。