当然、糖尿病と診断されて早ければ早いほど糖質制限で寛解になる確率は高いでしょう。しかし、長期の糖尿病で、インスリンなどが必要な状態でもあきらめずに糖質制限を行うことは非常に意味があります。
今回の研究では、6か月間糖質制限を続けた2型糖尿病患者244人と前糖尿病患者100人の計344人が対象です。糖尿病の平均年齢64歳、糖尿病の期間は12年です。糖質制限は炭水化物含有量が20g/日から50 g/日、または 2000kcal/日の食事の10%未満であると定義されました。(図は原文より)
上の図はベースラインと6か月後の様々なパラメータです。体重は糖尿病で89.5kgから83kgに減少、前糖尿病でも87.1kgから81.4kgに減少しています。HbA1c、血圧、中性脂肪、ALTなどは減少しています。HDLコレステロールは増加ですが、LDLコレステロールも増加していますね。中性脂肪/HDLコレステロール比は低下しています。
上の図はHbA1cのベースラインと6か月後の比較です。左の前糖尿病ベースライン中央値は6%で、6か月後には5.7%に減少しました。患者の84%で HbA1c が改善しました。
右の糖尿病ではベースライン中央値HbA1c は7.6%で、6 か月後には6.3%に減少しました。96.3%で HbA1c が改善しました。
上の図はインスリンの使用に関するものです。糖尿病では32%がインスリンを使用していましたが、6か月後では7%しかインスリンを使用していませんでした。79% がインスリンを中止できました。そして、6か月後でもインスリンを使用している患者の使用量は1日あたり55単位から15単位に減少し、72% 減少しました。ただし、インスリンをやめることができなかった患者は、糖尿病の罹患期間が、インスリンをやめることができた患者の19.9年と比較して、24.9年と長くなっていました。また、インスリン注射を中止できた78人の患者のうち、20人の患者は治療にGLP-1作動薬を追加しました。本当はこれもいらなさそうですが、流行りですかね?
上の図は薬の使用人数です。メトホルミンを服用している患者の数は203人 (59%) から223人 (64.8%) に増加しました。GLP-1作動薬は、79人 (23%) から 6 か月後には122人 (35.4%) に増加しました。SGLT-2阻害剤を服用している数は77人(22.3%)から45人(13.1%)に減少した。DPP-4阻害剤は76人(22%)から64人(18.6%)に減少した。スルホニルウレア薬またはメグリチニド薬を服用していた37人の患者全員が、これらの薬剤の服用を中止しました。
スルホニルウレア薬、いまだに処方されている患者はいっぱいいますね。どうにかならないでしょうかね?
患者の53%が治療開始時にスタチンを服用していました。3 人の患者はスタチンを追加されましたが、2人の患者は6か月の期間中にスタチンの服用を中止しました。スタチンも本当は必要ありません。
いずれにしても糖質制限をすれば、平均12年の糖尿病であっても、薬を中止したり、大幅に減量することができます。専門医の治療を受ければ薬が増え、徐々にデータが悪化するのに、食事を糖質制限に変えるだけで薬は大きく減少し、データが大幅に改善します。
この意味を考えれば、糖質制限をやらない選択肢はありますか?
糖尿病は糖質過剰症候群です。早く糖質制限を始めれば寛解できます。
「Use of a very low carbohydrate diet for prediabetes and type 2 diabetes: An audit」
「前糖尿病および2型糖尿病に対する超低炭水化物食の使用」(原文はここ)
糖質制限に出会って、もっと早く知りたかった、もっと早く知っていれば…と何度も思いました。
体調面も精神面でも良いことしかありませんでした。
考え方も随分変わって、世界の見え方も変わりました。
始めるのに遅いなんてことはないですね。
ミホさん、コメントありがとうございます。
私ももっと早く糖質制限を始めていれば良かったと思っています。
やらない理由、できない理由は簡単に見つかります。多くの人ははやり糖質が好きですし、依存です。
でもやってみると、これまでの食事が何だったのか?と思ってしまいます。