3 つの異なる食事を 21 日間過剰摂取した場合の体組成への影響をまとめると次のようです。
食事カロリー/日炭水化物タンパク質脂質体重の変化(kg)腹囲cmの変化
低炭水化物57945.9%22.3%71.8%+1.3−3.0
超低脂肪ビーガン579468.0%16.5%15.5%+4.7+7.75
低脂肪579363.9%13.5%22.6%+7.1+9.25

そして、主観的な感想は次のようです。

低炭水化物:「このダイエット中の私の経験は主に幸せなものでした。エネルギーは十分にあり、普通に運動することができ、空腹になることはありませんでした。実際、低炭水化物食中の特定の時点では、満腹時に強制的に食事を与えなければなりませんでした。特に夕方は、ステーキとインゲンを771キロカロリー食べた後、967キロカロリーのアーモンドを食べなければならなかった。」
低脂肪:「このダイエット中の私の経験は幸せなものではありませんでした。3日以内に喘息が再発し、運動中や睡眠中に呼吸が困難になりました。そのせいで睡眠が妨げられ、いびきをかき始めました。全体的に、私は無気力で認識力がぼんやりしていると感じました。低炭水化物食とは逆に、低脂肪食では、その日の終わりまでにすべての食べ物を簡単に食べてしまったので、おそらくもっとなんとかできたはずです。」
超低脂肪ビーガン:「このダイエット中の私の経験は幸せなものではありませんでした。食物繊維摂取量は 1 日あたり 178 g でした。そのため、主な副作用はトイレに頻繁に行かなければならないことであり、それが不安でした。認知的にも霧がかかっており、約10日後に喘息が再発し、運動中や睡眠中に呼吸が困難になりました。低脂肪食との違いは、お腹が空いていなかったことです。低炭水化物食と同様に、一日の特定の時点で、強制的に食事を摂らなければなりませんでした。」
いまだにエネルギー(カロリー)量で体重が決まると考えている人がいます。消費するエネルギーよりも摂取エネルギーが上回れば体重が増加するという考えです。それが本当だとすると、今回の研究のようなことは起きません。今回の研究では、摂取エネルギー量を同じにしています。しかし、21日後の体重増加量や腹囲の変化は全く異なります。1日に脂質461gを摂取する低炭水化物食が最も体重増加が少なく、その3分の1以下の脂質140gの低脂肪食で最も体重増加が起きました。その差は5.8kgです。腹囲の違いも12.25cmです。この違いをカロリーで説明できるでしょうか?
低炭水化物食では5700kcalという非常に過剰なエネルギー量を摂取したにもかかわらず、腹囲は減少しています。恐らく体脂肪や内臓脂肪はこのエネルギー量摂取でも減少したのでしょう。
糖質制限はたくさん食べるのに、体重が減少する食事だと考えられます。

つまり、体重はエネルギー量で決まるのではなく、やはりインスリン分泌で決まると考えられます。糖質と脂質では体内での生化学的変化、代謝が異なるので、その結果が違うのは当然でしょう。

一般的な食事のガイドラインや肥満治療、糖尿病治療、心血管疾患治療などのガイドラインでも、いまだに食事はカロリーで語られ、食事療法はエネルギー制限がメインです。

恐らくエネルギー制限を主役にしておいた方が、医療業界の利益は大きいのでしょう。糖質制限がメインになってしまえば、医療業界は破綻してしまいます。病気の人を病気のままにしておく食事を推奨しなければ儲かりません。