マヌカハニーは鼻炎を改善するか? ただいま人体実験中

私は子供のころから鼻炎があります。名古屋で暮らしていたころは鼻炎に悩まされましたが、北海道に住むようになり、ピタッと鼻炎がおさまりました。やっぱり北海道は空気が良いからなのかな?なんて能天気なことを考えていました。しかし、鼻炎がおさまったかわりに今度は蕁麻疹が頻繁に出るようになりました。

蕁麻疹もこれまたつらいものです。皮膚に爪で字が書けるほどでした。しかしこの悩まされた蕁麻疹がいつだったかよく覚えていませんが、ほとんど出なくなりました。ところが蕁麻疹がおさまると、今度はまた鼻炎が復活してしまいました。そしてずっと鼻炎に悩まされています。

糖質制限をしても鼻炎だけは改善しません。鼻閉もよく起こります。

そして2020年5月、コロナ禍で患者、手術が激減して暇だったころ、思い切ってアルゴンプラズマ凝固療法を受けようと思い、それをやっているクリニックを探しました。時代はコロナ禍のはじめですから、なんせ耳鼻科のクリニックが機能していない時期です。電話で尋ねると、一件普通にやっているというクリニックがあったので早速受診しました。

しかし、受診するとなんとコロナでアルゴンプラズマ凝固療法なんてやっていない、と怪訝な態度をされてしまいました。こっちはだからわざわざこんな時にでもやっているのか聞いて受診したのだ、というと渋々やってくれることになりました。

治療当日。両方の鼻に局所麻酔薬をしみこませた細長いガーゼをたっぷりと詰め込みます。そのまま30分待ち、麻酔が効くのを待ちます。そして、いよいよアルゴンプラズマ凝固療法です。細長い装置が鼻に入り、電気が流れます。焦げ臭い匂いがしてきます。そして、時々電気が歯の方まで強く響きます。非常に痛いです。この電気の痛みはいつまで続くの・・・?という感じです。治療後もしばらく歯がしびれたような感じです。麻酔の影響もあるでしょうが。両鼻で10分かかるかどうかだと思います。2週間後に来てくださいと言われて、点鼻の薬を処方されて帰りました。

その日の夜は、鼻水が止まらない感じで出ます。鼻の粘膜が火傷を起こしている状態なので、それを修復さるための反応でしょう。ちょっと鼻血が混じっていることもありますが、ほとんど痛みもありません。鼻づまりは非常に強い状態です。むくんでいるのでしょう。

1日目。まだ、鼻水が出ていますし、鼻づまりもありますが、前の日よりは改善傾向です。

その後徐々に改善し、鼻水もかなり少なくなり、鼻閉もある程度改善しました。しかし、この治療の効果は1~2年と言われています。

効果は徐々になくなり、再度鼻炎に悩まされる日々となりました。もちろん毎日鼻炎が起きるわけではありませんが、朝から鼻炎だと1日ずっと鼻炎です。鼻炎が起きる日と起きない日の違いは自分ではわかりません。

さて、どうしたものかな?と思い、再度アルゴンプラズマ凝固療法を受けるのも嫌なので色々調べると、面白い治療法が見つかりました。それはマヌカハニーです。高級なハチミツです。マヌカハニーを飲むわけではありません。どうやらマヌカハニーには抗菌作用があるとのことですが、それはそこに含まれるメチルグリオキサールによるものらしいです。マヌカハニー中のメチルグリオキサール濃度は、通常のハチミツより70倍以上も高いそうです。(ここ参照)

メチルグリオキサールと言えば、終末糖化産物AGEsの生成過程で作られる中間体で非常に毒性の強いものです。(「糖尿病や食後高血糖が作り出す毒物」参照)

体内では悪さをするメチルグリオキサールが鼻腔の細菌叢には良い影響を与えるのか、それとも他の成分が効果があるのかわかりませんが、このマヌカハニーを鼻の中にスプレーするのです。非常に久々の人体実験でワクワクドキドキ。

この方法は私が勝手に考え付いたわけではありません。昔からマヌカハニーを何らかの治療に使うことはしていたようです。しかし、最初に考えてやった人はなんでマヌカハニーを使おうと思ったのか不思議です。

多くは副鼻腔炎でマヌカハニーが使われているようです。(ここここここここ参照)

鼻炎の研究は萎縮性鼻炎のものがあります。

今回の研究は34歳前後の19人の萎縮性鼻炎の患者を対象としています。片方の鼻腔にマヌカハニー液を噴霧し、もう片方には生理食塩水を噴霧します。週に2回、8週間実施しました。

そうしたところ、内視鏡検査の所見として、マヌカハニー側の鼻のかさぶた、鼻汁、鼻粘膜の状態が改善しました。自覚症状として鼻閉感のあった19人のうち18人が改善し、鼻腔のかさぶたがあった17人中16人が改善し、鼻汁のあった12人中12人が改善し、鼻出血のあった3人中3人が改善しました。症状の累積症状スコアもマヌカハニー側で大幅に改善しました。

鼻腔の病理学的な組織検査でもマヌカハニー側では改善を示し、肉芽組織、粘液腺、細菌コロニーは、対照側と比較して統計的に有意でした。粘膜の乾燥(菲薄化による)と腺の萎縮がこの病気の特徴であるため、粘液分泌腺を見てみると大幅に改善し、炎症も減少しました。

鼻腔の細菌叢も変化しました。細菌叢に関してはあまり明るくないのですが、マヌカハニーにより細菌叢の顕著な有益な変化が起きていました。そして、鼻の細菌叢の変化、症状の改善はマヌカハニー中の複合炭水化物の存在によるものではないかと考えました。細菌叢の変化により短鎖脂肪酸が増加していて、それが治癒を促進すると考えられます。

糖質も鼻腔では有益な作用がある可能性があります。

この人体実験は現在1か月近く経っています。私は朝晩2回両側にマヌカハニーを生理食塩水で溶かした液を噴霧しています。50mlの生理食塩水に5gのマヌカハニーです。マヌカハニーが腐りにくいとはいえ、かなり薄めているので、作った液体がどれくらい保存できるのかはよくわかりません。今のところ1週間ちょっとで新しいものに変えています。

経過は非常に良好です。全く鼻炎がなくなったわけではありませんが、鼻汁の量は顕著に減少。発作のような1日中続く鼻炎はこの1か月で2回程度に減少、頻繁に右の鼻から出ていた鼻出血はほとんど出なくなりました。鼻をかんでも、いわゆる「鼻くそ」も減少。鼻閉感も軽減傾向です。とにかくティッシュペーパーの使用量が激減しました。ただ、ちょっとした鈍い鼻腔の痛みのような違和感がある時もあります。

もしやってみたいと思うのであれば、自己責任で行ってください。細菌叢の変化が、人によって違う場合もあるかもしれませんし、保存方法で液体が傷んでしまう可能性もあります。また、マヌカハニーが本物かどうかもよくわかりません。一応ニュージーランド産を使っています。通常のハチミツは偽物も非常に多い(アメリカ産の70%が偽物)ので、マヌカハニーも偽物があるかもしれません。2014年の調査で本物であることが判明したのは 7 製品のうち 1 つだけだという情報もあります。(ここ参照)しかし、ニュージーランドで生産されたすべての本物のマヌカハニーはMGO検査を受けているらしいので、大丈夫ではないかと思います。

腸内細菌も重要ですが、私にとっては鼻腔の細菌も大事です。

「Altered Nasal Microbiome in Atrophic Rhinitis: A Novel Theory of Etiopathogenesis and Therapy」

「萎縮性鼻炎における鼻微生物叢の変化: 病因と治療の新しい理論」(原文はここ

8 thoughts on “マヌカハニーは鼻炎を改善するか? ただいま人体実験中

  1. 私は、8年前の1月から、糖質制限をはじめて、すぐに花粉症が、緩解しました。それまで40年近く、花粉症と副鼻腔炎のような「青っ洟」で、悩まされていましたが、8年前の2月の花粉症のシーズンになっても、症状が0でないにしても、9割くらいなくなりました。これが糖質制限にはまり込むきっかけでした。

    1. 三世 敏彦さん、コメントありがとうございます。

      私は花粉症ではなく、通年性の鼻炎で、アレルギーか?と言われるとそれも違うような気がします。
      私の鼻炎は何に反応しているのかよくわかりませんし、糖質制限でも改善しません。

  2. 腸内善玉菌を増やすと寛解に向かうかも知れません。

    メカニズム
    ①水溶性食物繊維・フラクトオリゴ糖を1日10~30g摂取すると酪酸菌が大腸内で増えて、大量の酪酸を生成する。

    ②酪酸は大腸壁を透過し、腸壁外側でNK細胞とマクロファージ類を活性化し、自然免疫を強化する。
    また制御性T細胞の活性を高めて、自己免疫の暴走を防ぎアレルギーを減らす。

    このメカニズムを見つけたのは、小柳津(おやいず)広志・東大名誉教授・微生物学博士です。
    下記の著書2冊に詳細が記述されています。
    ・花粉症は1日で治る
    ・コロナに殺されないたった一つの方法

    書名は大げさですが、納得できる内容です。
    小柳津氏はリタイア後、自身でフラクトオリゴ糖を販売し、約8割の人の花粉症が1日で治ったそうです。
    これだけの効果があれば、RCTなどは必要ないでしょう。

    厄年(男43歳、女30歳)を過ぎると、腸内酪酸菌が減少し始めて免疫力が減り、生活習慣病が増え始めます。
    便の研究をしている辨野博士が100寿者の便を調べた結果、酪酸菌が豊富だったそうです。

    腸内善玉菌というと乳酸菌とビフィズス菌と考えがちですが、自然免疫力を高め、自己免疫の暴走を防ぐ効果があるのは酪酸菌です。乳酸菌類はこのような効果はないそうです。

    1. tkさん、コメントありがとうございます。

      情報ありがとうございます。次に人体実験してみます。

  3. Bスポット療法は、試されましたでしょうか。
    私は、風邪などをきっかけにしつこい後鼻漏に悩まされやすいのですが、Bスポット療法を週に2,3度ずつ根気よく続けると、数ヶ月ですっきり治ります。

    1. まきさん、コメントありがとうございます。

      現在も寝る前に1回スプレーで続行中です。非常に経過良好で、症状はゼロとは言えませんが、非常に改善しています。
      耳鼻科の点鼻薬よりも数段良いと思います。個人の感想ですが。

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