PPI(プロトンポンプ阻害薬)と大腸がん

PPI(プロトンポンプ阻害薬)を飲んでいる人は、恐らくそのリスクを説明もされていないと思いますが、様々ながんのリスクも増加させます。実際がんになったとしても、因果関係なんてわかるはずがありませんので、医師は平然と処方を続けるでしょう。

今回の研究は同じアジア人の韓国の研究です。、大腸がんの患者9,374人とマッチングした37,496人の対照の人が対象です。大腸がんと診断される前の1年(365日)以内にPPIの使用を開始した人のみが本研究の対象です。(図は原文より、表は原文より改変)

特徴オッズ比(95%信頼区間)
PPIへの曝露
過去1.19 (1.12–1.26)
現在6.06 (5.60–6.56)
PPIの使用期間
30日未満2.71 (2.56–2.87)
30~90日1.80 (1.66–1.96)
≥90日1.33 (1.19–1.48)

上の表はPPIによる大腸がんの可能性です。過去のPPIへの曝露でも非使用者の1.19倍ですが、現在のPPI使用は6倍です。使用期間は30日以内が最も大腸がんの可能性が高く、2.71倍です。

大腸がんに対するPPI使用者の様々なグループでの可能性を、現在のPPI使用(Current PPI use)と過去の使用(Past PPI use)とに分けて分析しています。過去の使用は大腸がんの可能性がわずかに増加していますが、現在の使用は大きく増加しています。現在の使用は65歳未満で7.86倍、65歳以上でも5.17倍、男性で6.51倍、女性は5.44倍などです。また、Non-GERD history、つまり胃食道逆流症(GERD)ではない人が現在PPIを使用していると大腸がんの可能性は9倍にもなるのです。

上の図は使用期間による分類です。どのような条件でも使用期間が長くなるほどリスクは低下しています。体が適応してくるのでしょうか?腸内細菌が変化してくるのでしょうか?

いずれにしても、現在または過去のPPIの使用、また期間に関係なく、大腸がん発症の可能性増加と関連している可能性があることを示唆しています。

むやみに薬なんて飲むもんではないですね。

特にプロトンポンプ阻害薬はポンプはポンプでもマッチポンプ薬です。

「Proton Pump Inhibitors and Likelihood of Colorectal Cancer in the Korean Population: Insights from a Nested Case-Control Study Using National Health Insurance Data」

「プロトンポンプ阻害薬と韓国人における大腸がん発症の可能性:国民健康保険データを用いたコホート内症例対照研究からの知見」(原文はここ

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