日本スーパーフード協会というものがあるということは知らなかった。
そこのホームページ上で書かれているスーパーフードというのは次のような定義らしい。《スーパーフードの定義》
- 栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。 あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
- 一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。
日本スーパーフード協会が優先的に推奨するスーパーフードの品目に関しては、協会の定義に沿ったものであると同時に、次のような基準を設けています。
《スーパーフードの基準》
- 「食歴」が長く、何世紀にもわたって人々の健康に寄与してきた食品であること。それにより、人体に及ぼす可能性がある、あらゆる問題が解明されており、その安全性に不安をもって食することがなく信頼がおけるもの。
つまり、歴史や文化的背景の有無が、スーパーフードと機能性を目的に開発された一般の健康食品とを分ける重要な要素であり、【スーパーフードを世界の食文化としてリスペクトすること】を重視しています。
そして、日本スーパーフード協会がとくに重要と考えて、優先的に国内で推奨するスーパーフードは次の10種らしい
・スピルリナ ・マカ ・クコの実(ゴジベリー) ・カカオ
・チアシード ・ココナッツ ・アサイー ・カムカム
・ブロッコリースーパースプラウト ・麻の実(ヘンプ)
そして、ジャパニーズスーパーフードの中には
発酵食品:納豆、味噌、醤油、糠(ぬか)、糀、甘酒
と書いてあります。
スーパーフードの定義の1番目だけを考えれば、肉や卵、魚、チーズ、バター、コーヒーなど何でもスーパーフードです。しかし、2番目の定義では一般的な食材ではダメなようです。でも、アボカドやアーモンドやクルミもスーパーフードに入っています。これらは一般的に食べているもののはずですが、よくわからないですね。それにジャパニーズスーパーフードはほとんどすべてが、一般的な食材です。もうめちゃくちゃな定義です。
スーパーフードの基準の中で、「人体に及ぼす可能性がある、あらゆる問題が解明されており、その安全性に不安をもって食することがなく信頼がおけるもの」と書いてありますが、あらゆる問題が解明されている食材は皆無です。無知な人が考えたとしか思えない基準です。
要するに、ちょっと珍しいもので、何となく栄養価が高そうなものを、「スーパーフード」と呼ぶことでお金儲けをしようということです。スーパーフードを食べなくても、他の食材で代わりになるものはありますし、スーパーフードの中に含まれる栄養素も、実は一食分で考えれば微量であることも少なくありません。100g当たりで表示されていても、100gなんて食べないでしょう。そして、スーパーフードばかり食べていれば、明らかに栄養不足に陥ります。また、未知の成分が含まれていたり、良いと思っている成分でも大量に摂ることで逆に害になることさえあります。
チアシードと卵どちらかだけを選べと言われたら、私は迷いなく卵を選びます。しかし、最も大切なのは多様性です。卵だけではダメでしょう。様々なものを食べることで様々な栄養素が摂り入れられ、多様な腸内細菌が育ちます。
前回の記事に書いた糖質たっぷりの「甘酒」さえスーパーフードに選んでいるので、スーパーフードは次のように定義しましょう。
スーパーフード:スーパーで売られている食材
スーパーフードを食べることに反対しているわけではありませんが、芸能人などがそればかりを大量に食べている人がいるということを聞くと、心配のなってしまいます。いわゆる「スーパーフード」もたくさんの食材のひとつに過ぎません。