いまだに多くの専門家、マスコミは1日3食しっかりと、バランスの良い食事が健康に有益であると洗脳をし続けています。本当に1日3食が良いのであれば、急性心筋梗塞後の改善にも良いはずです。
今回の研究では、心筋梗塞後にインターミッテントファスティング(断続的断食)を行った場合と通常の食事で心機能の改善を比較しています。ST上昇型心筋梗塞(STEMI)で⾎⾏再建術後48時間以内に通常⾷群と断続的絶⾷群にランダムに分けました。断続的断⾷グループ22⼈、通常の⾷事グループの20⼈が対象です。。平均年齢は、通常⾷群では59.60歳、断続的断⾷群では58.54歳で、両群の患者の⼤多数は男性で、それぞれ4人の患者が⼥性でした。ベースラインの BMI、⾎圧、および 左室機能(左室駆出率)に有意差は認めらませんでした。
断続的絶⾷群の人は、ベースラインから3か⽉間、断続的絶⾷、つまり1⽇ 8 時間を超えない通常⾷の食事時間と1⽇16時間以上の絶⾷を交互に⾏うように求められました。(図は原文より)
上の図は、ベースラインと⽐較した4週間、3か月、6か月での左室駆出率(LVEF) の改善 (ΔLVEF) を示しています。グレーが通常食、赤が断続的絶⾷です。断続的絶⾷群の方が通常食群の患者よりも有意に改善が良好でした。4週後で断続的絶⾷群6.636%に対し、通常食群で1.450%、3か⽉後では8.421% 対 2.210%、6か⽉後では10.316% 対 2.470%と時間が経つにつれて、改善の差が顕著になりました。
上の図のようにベースラインでLVEFが低かった患者の⽅がLVEFの改善がより顕著で、断続的断⾷群では3か⽉⽬と6か⽉⽬に統計的に有意な相関が認められ、これと⼀致して、断続的断⾷群の参加者では、通常の⾷事を継続した参加者よりも NT-proBNP (心臓から分泌されるホルモンの一種で、心臓の機能が低下して心臓への負担が大きくなるほど数値が高くなります)が臨床的により有意に減少しました。
上の図はAが収縮期血圧、Bは拡張期血圧、CがBMIのそれぞれの変化量です。断続的断⾷群の患者は、全期間を通じて通常食群の患者と⽐較して収縮期⾎圧に差は⾒られませんでしたが、拡張期⾎圧は有意に低下しました。
両グループの患者とも体重が減少しましたが、断続的断⾷グループの患者は有意に⼤きな減少を⽰しました。通常⾷群では1⼈の患者(5%)が⼼⾎管疾患で死亡しましたが、断続的断⾷群では死亡者は出ませんでした。
両グループのベースラインのLDLレベルは、期間中に数値的に減少しました。断続的断⾷群のベースラインは数値的に通常食群よりも⾼かったものの、6 か⽉後には通常食群の値を下回りました。ただ、両グループの全員がスタチンを飲んでいたのに、心筋梗塞を起こしてしまいました。
いずれにしても、通常食群では心筋梗塞後の左室駆出率(LVEF)改善が非常に弱いのに比べて、インターミッテントファスティング(断続的断⾷)をするだけで、大きく改善度合いが高くなります。
1日3食のしっかりとした食事が本当に健康的なのであれば、このような差が出るはずもなく、通常食群の方が改善度が高くても良いものでしょう。しかし、実際には現代の食生活は、頻繁に食べ過ぎなのでしょう。
心筋梗塞後の断続的な断食は安全であるばかりか、心臓の回復を促進しています。さらに糖質制限を加えれば恐らくもっと良いでしょう。
医療側としては、食事で改善してもらっては困ります。治療、薬で改善してほしいのです。入院時に病院食で糖質過剰摂取、頻回の食事を与えて、改善を悪くしていると思われます。心筋梗塞に限らず、ほぼ全ての疾患には、食事の改善が一番の治療でしょう。
1日3食、バランスの良い食事を心がけると、不健康になってしまうかもしれません。食事および間食の回数は少なめに、1日の中で短い時間で、空腹の時間を増やしましょう。
「Intermittent Fasting After ST-Segment-Elevation Myocardial Infarction Improves Left Ventricular Function: The Randomized Controlled INTERFAST-MI Trial」
「ST 上昇型心筋梗塞後の断続的断食は左室機能を改善する: ランダム化比較 INTERFAST-MI 試験」(原文はここ)
若い時は、それこそ無限に飲み食い
してましたが、57歳の今、
1日一食が快適です。