夜の明るい光は心血管疾患リスクを高くする

人類は長い間ずっと太陽の光とともに生活をしてきました。電気がないころは、夜は火の光だけでした。人類の進化は人工の光に適応してはいないかもしれません。

今回の研究では、夜間の光への曝露と心血管疾患の関連を調べています。平均年齢62.4歳の88,905人が対象です。手首に1週間装着した光センサーによって追跡された約1,300万時間の光露出データを0 ~ 50、51 ~ 70、71 ~ 90、91 ~ 100 パーセンタイルに分類しました。9.5年間追跡して、心血管疾患の記録を分析しました。(図は原文より)

上の図の左が昼間、右が夜間で、光曝露パーセンタイルグループにおける心血管疾患リスクを示しています。光曝露が0~50パーセンタイルの群と比較して、光曝露が多い群では、昼間の光では、心血管疾患リスクは差がないか、逆にリスク減少を示しています。いろいろ調整したモデル3では有意な差はありませんでした。

下の図のように、夜間光では、光曝露が多くなるほど、ほとんどの心血管疾患リスクは増加し、0~50パーセンタイルの群と比較して、年齢、性別、人種、民族、および光周期で調整したモデル1では、91~100パーセンタイルグループは冠動脈疾患リスクが1.32倍、心筋梗塞のリスクが1.47倍、心不全は1.56倍、心房細動は1.32倍、脳卒中は1.28倍でした。

やはり、夜間が明るすぎることは人体にとって有害だということです。逆に昼間はしっかりと明るいことも重要だということも言えるでしょう。

家の夜の照明が明るすぎる人は、暗い照明に変更することを検討すべきでしょう。私の家の夜間光は比較的暗めです。

人間の初期設定を考えれば、太陽が沈んでから夜間に煌々と明るいことは異常です。目から入る光の情報、皮膚で感じる光の感覚、すべてが人間のサーカディアンリズムなどに大きな影響を与えるでしょう。

できる限り太陽の光を浴び、夜はできる限り暗い照明にすることは、健康的だと考えられます。逆に昼夜が逆転した生活や夜勤の仕事の人は、それだけでリスクです。十分に注意が必要でしょう。

「Light Exposure at Night and Cardiovascular Disease Incidence」

「夜間の光曝露と心血管疾患の発症」(原文はここ

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