アテローム発生指数を計算してみよう!

アテローム性動脈硬化による心血管疾患のリスク評価として、アテローム発生指数(AIP)というものがあります。中性脂肪値とHDLコレステロール値を入力するだけです。

早速、入力してみましょう

 

AIPが0.11未満が理想的です。非常に低いリスクとなります。マイナスの値でももちろんOKです。0.11~0.21は中等度のリスクとなります。0.21以上は高リスクです。(文献により中等度と高リスクの間の値は若干違いがあるかもしれません)

高リスクの方は今すぐに中性脂肪値を下げた方が良いでしょう。

このAIPは様々な心血管疾患のリスクと相関関係があります。家族性高コレステロール血症の心血管疾患のリスク評価にもなるようです。

家族性高コレステロール血症で、様々な調整を行った後で、心血管疾患のある群では、ない群と比較して中性脂肪値とAIPが有意に高く、総コレステロールやLDLコレステロールは関連性がありませんでした。HDLコレステロール値は調整の仕方により有意であったものが、最終的な調整では有意差は無くなってしまいました。やはりここでも重要なのは中性脂肪値です。

家族性の場合は0.11よりもさらに低い方が良いと思います。マイナスを目指すべきでしょう。家族性ではない人は0.11未満を目指しましょう。中性脂肪値=HDLコレステロール値でAIP=0となります。糖質制限をしている多くの方は中性脂肪値<HDLコレステロール値なので、AIPはマイナスになるはずです。

(追記)AIPのもとになる中性脂肪値とHDLコレステロール値は国によって単位が異なります。AIPをどちらの単位に基づくかで若干の値が違いがありますことをご承知おきください。

また、AIPが低リスクと出ても、中性脂肪値が高くなるほどsdLDLは増加しますので、中性脂肪値は多くても100未満を目指しましょう。

 

「The logarithm of the triglyceride/HDL-cholesterol ratio is related to the history of cardiovascular disease in patients with familial hypercholesterolemia」

「中性脂肪/ HDLコレステロール比の対数は、家族性高コレステロール血症患者の心血管疾患の病歴に関連する」(原文はここ

6 thoughts on “アテローム発生指数を計算してみよう!

  1. 清水先生  おはようございます。
    今日のアテローム指数計算はとても心強く感じました。さっそくやってみて問題なしのマイナスだったからです。が、この計算式はとても複雑なものなのでしょうか
    糖質制限を迷っている人に勧めたいのですが。

    1. じぇみんまま、コメントありがとうございます。

      計算式は難しくありません。
      中性脂肪とHDLの比の対数です。
      計算が面倒であれば、このページで入力すれば簡単です。

  2. 清水先生、いつも楽しみに拝読しております。自分も早速数値を入力したのですが「0.8」となりました。血液検査ではそれぞれ基準値内なのですが、気を付けたほうがいいのでしょうか?

    1. ナームさん、コメントありがとうございます。

      ナームさんのご指摘があり、プログラムの誤りが判明いたしました。
      申し訳ありませんでした。そしてご指摘ありがとうございました。
      もう一度やり直してみてください。
      それでも、高リスクの判定が出るのであれば、HDLコレステロールが基準値内であっても
      低値なのか、中性脂肪が基準値内であっても高値だと考えられます。

  3. お返事ありがとうございました。自分としては指摘するつもりもなく、(ああ、また異常値が出てしまった(泣))位での質問でしたが、結果プログラムの調整のお役に立てて恐縮です。早速、最新の検査結果を打ち込んだ所、(0.19)でした…頑張ります。

    1. ナームさん、
      本当にありがとうございました。
      結果は0.19ですか…
      基準値を満たせばすべてがOKではないということですね。

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