ドクターシミズのウルトラランナーへの道2018 その1

今年もサロマ湖ウルトラマラソンの季節になりました。

100kmのウルトラマラソンの世界記録って知っていますか?ウルトラマラソンに興味のない方は知っているはずはないでしょう。男女どちらも世界記録は日本人が持っていて、しかもサロマ湖のウルトラマラソンで生まれています。

男子砂田貴裕日本6:13:33’98サロマ湖100kmウルトラマラソン
女子安部友恵日本6:33:11’00サロマ湖100kmウルトラマラソン

これまでの男子の世界記録は1998年に出た砂田さんの記録でした。それが今回、20年ぶりに世界最高記録が更新されました。世界記録を出したのは風見尚選手(愛知県)で、記録は6時間09分14秒!信じられません。これまでの記録を4分以上も更新です。どうしたら100kmをそんなに速く走れるのでしょうか?

今年のサロマは、5月の洞爺湖マラソンの故障が響き、走るかどうかを直前まで悩んでいました。(「洞爺湖マラソン2018 悲劇は突然に」参照)

洞爺湖の後、痛みが日に日に改善すると思っていたのですが、全く良くなりません。普通に歩くのも痛みでままならず、ずっと引きずって歩いていました。1週間しても痛みはほとんど変わりません。いろいろ治療を試しましたが、ほとんど変化なし。

故障から10日経っても歩くのも痛みが出ています。しかし、故障から12日後、ダメもとで勝負に出ます。痛みが引くまで待っていても、練習ができずにサロマをあきらめなければならない。しかし、無理をすれば悪化し、これまたサロマをあきらめなければならない。だったら、やれるだけやってみようと、痛みがあるまま、走ってみることにしたのです。

歩くのも痛いので、足を引きずるような走り方しかできません。当然、スピードが出るはずもなく、1キロ8分以上という、非常に遅いペースでした。足を着くたびに痛みが走ります。そして、我慢して4キロ前後を走りました。

しかし、これが功を奏したのか、歩くときの痛みがかなり軽減し、これまで歩くときも足を引きずっていたのが普通に歩けるようになりました。つまり、痛みは急性期の炎症の痛みではなくなっていた可能性があります。炎症は治まり、痛みだけが残る慢性の痛みに移行しつつあったのかもしれません。最近では整形外科の手術の後でも、すぐにリハビリが始まります。関節などは動かさないと固くなり、余計に動かしたときに痛みが出てしまいます。それと同じで、故障の後であってもある程度安静にしたら、積極的に動かしたほうが良いのかもしれません。スポーツで故障した患者さんには勧められませんが、自分の体なので、いろいろ試せます。

考えてみると、狩猟採集生活をしている時代では、安静になんかしてられません。食料を手に入れたり、敵から逃げたりしなければならないのですから。そうすると人類は恐らく、ある程度は休んでいたでしょうが、何日も安静はしていなかったのでは無いかと思います。

つまり、安静にせず動かしていても、修復ができるメカニズムを持っているのではと考えられるのです。急性期の炎症で痛みがあり、その炎症により、組織が硬くなります。それを動かさないと硬いままで、動かしたときに痛みが出るはずです。その痛みを炎症が治まっていないと判断するといつまでたっても動かせません。

その後、走る度に少しずつ痛みが改善していきました。しかし、まともな姿勢で走れるようになったのはサロマの2週間前頃です。しかも、10数キロしか連続では走っていませんし、それぐらいの距離走ると、走った後一時的に痛みがありました。スピードもまだまだ通常のレベルまで戻っていません。サロマの1週間ちょい前に20kmを走りました。何とか、痛みが気にならない程度まで回復し、キロ6分を切ることができたのはおよそ1週間くらい前でした。

はじめてウルトラマラソンに挑戦した時よりも自信がありませんでした。ここまで準備不足だと、記録は望めないと思っていました。それは昨年の北海道マラソンでも同じでした。やはり練習でしっかり走っていないと、急に本番で記録は出ません。なので、目標はあくまで完走としました。

今年も天気予報を毎日のように確認し、対策を考えました。週間予報は全くあてにならないばかりか、前の日の予報も、当日の予報とは少し違っています。もう少し精度が上がって欲しいものです。

昨年、一昨年は非常に気温が下がり、低体温でリタイヤしている人もいました。特に昨年は1日中雨のレースだったので、私も危ないところでした。

今年は昼までくもりの予報で、気温が朝は12~13度くらいで、午前中に22~23度くらいまで上昇、その後急激に気温が下がり、雨の降る予想となってしまいました。出発前に寒さ対策は考えていました。昨年と同じ目に会いたくなかったからです。

事前にモンベルの「ジオライン」という登山などにも使うアンダーウェアを購入。

非常に薄手なのに暖かく、しかも速乾性です。ヒートテックとは比べ物にならないと思います。

スタートは半袖、中間地点のエイドにこのジオラインを置いておいて、寒くなる前に着ておく作戦です。

いつもと同じホテルに着き、夕方5時からホテルでご飯を食べました。夕食はバイキング形式で、糖質制限をしやすいのですが、昨年は何かのおかずにかなりの糖質が入っていた可能性があり、フリースタイルリブレのグルコース値(血糖値)が最高で200を記録してしまいました。今回はその反省から、メニューを選び、グルコース値は160台で収まりました。

7時半過ぎにはベッドに入りました。まずまず眠れました。

まだ真夜中の1時半にアラームが鳴り、準備開始です。ホテルで朝食用の弁当が用意されていますが、お茶だけいただきました。

前日の夜にコンビニでサラダチキンとゆで卵2つ、切れてるカマンベールチーズ3個を購入しており、それを2時に食べて、会場に向かうバスに乗り込みました。昨年採用したクロテッドクリームは味に慣れず、今年はチーズに変更しました。ミネラルウォーターに「ぬちまーす」を入れた自作スポーツドリンクをちびちびスタートまで飲み、レースにもそれを持ってスタートしました。スタートまでに3分の1ほど飲んでいました。

会場に着いて、まずトイレに行きましたが、今年も「うんこ」は私の肛門から顔を出しませんでした。何となく出る雰囲気は感じたのですが、本番前の緊張からなのか、ダメでした。

湿度が高いためか、気温の割に寒く感じません。ただ半そでだけでは寒かったので、アームカバーを付けてスタートを待ちました。

そして朝5時、完走できるのか?足の痛みは大丈夫か?という不安を抱えながらいよいよスタートです。

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