スタート後比較的走りやすい気温で快適でしたが、段々と日が差すようになり少しずつ気温が上がっている感じがしました。
5kmの給水は摂らずにそのまま通り過ぎましたが、10kmから水を取りました。10km付近ではスタートから持って行った「ベスパプロ」、20km付近では「ここでジョミ」を使いました。スタート前にベスパプロは使わず、早めに摂取。ジョミも今回は早めの投入です。それはやはり練習不足で何となく足取りも重く、脳も嫌がっていたためです。
20kmからのエイドではフルーツ、特にレモンを中心に摂っていましたが、スイカがある場合はやはりスイカです。
今年も陸連登録をしているのでスペシャルドリンクを30km、63.5kmと80kmに置きました。今年は30kmには「OS-1のゼリー」、「ベスパプロ」と「ここでジョミ」。63.5kmには「トレイルバター」、初登場「メイタン・サイクルチャージ・カフェインプラス200」と「Mag-on」、80kmには「OS-1のゼリー」と「ベスパプロ」と「クリアプロサイクルチャージカフェイン200」を置いておきました。OS-1のゼリーはあまりお腹がジャブジャブにならないようにするためです。そして、今回は脳が嫌がるのを見込んで、ジェル多めです。
早くも、30kmぐらいから辛くなってきてしまいます。ベスパを40km付近で使いますが、何となりません。気温も20度を超えてきている感じでした。正直暑く感じました。中盤は何度も頭から水をかぶりました。
今年はフルマラソンの距離42.195kmを4時間33分で通過。まずまず予想通りのタイムです。しかし、実際にはもう足にきていました。そこで、早くもスピードが下がってしまいます。
正直「もうダメだ」という気持ちでした。42.195kmまでは頑張って、と思っていましたが、そこを過ぎた途端に気持ちが落ちてしまいました。その後はゆっくり走ったり、歩いたりと、何とか前に進もうとはしていましたが、ずっとリタイアのタイミングを考えていました。「50kmまでたどり着けるかな?」とも思っていました。そしてブログの記事の題名も考えていました。「ドクターシミズ ウルトラマラソン引退!」
また、リタイアの言い訳も考えていました。足の故障が悪化したから、としておこうかな?とか。しかし、実際にはちょっと痛みはありましたが、全く悪化していません。十分走れる症状です。こんな情けないことをずっと考えていたのですが、とりあえず54.5kmのレストステーションまでは行って、そこでリタイアしようと本気でその時は思っていました。
しかし、何が起きたかわかりませんが50km付近だったと思いますが、急に頭がポジティブに切り替わりました。本当にスイッチが入ったようです。何が起きたか全くわかりませんが、脳は確実に変化した考えになりました。「まだまだ行ける!走れる!こんなところでリタイアなんてしない!」と思ったのです。自分でも不思議に思いながら、走っていましたが、スピードも戻ってきて、他の人たちを追い抜くほどに復活したのです。やはりウルトラマラソンはメンタルスポーツなのだと思いました。
54.5kmにはレストステーションに復活したままたどり着きます。荷物を受け取り、フリースタイルリブレでグルコース値(血糖値)とケトン体値を測定しました。ここで、予定通りモンベルの「ジオライン」を下に着ました。まだ気温は暑く、ジオラインのような温かいアンダーウェアは暑すぎる気もしましたが、ここから先はどんどん気温が下がると予想していましたし、ワッカの寒さを考えると少し我慢をしてもここで着るしかありませんでした。そして、雨の予報もあったので、レインコートも持って再度出発です。
その後は坂道もあり、一進一退という感じで、何とか走り続けていました。何とかワッカまで行けば完走できるはずだ、と思って必死に走っていました。
63.5kmでスペシャルドリンクを取り、65km付近は「魔女の森」と言われている森に入ります。今回の魔女の森は本当に「魔女の森」に似合った雰囲気でした。森の直前から急にモヤが出てきたのです。森の中も少し見通しが悪く感じるほどのガスが出ていたのです。その雰囲気を楽しめる余裕もあったのです。
68kmにはサロマの名物食事処「白帆」の私設エイドがあります。毎年ありがとうございます。
旅人宿さろまにあんという民宿では屋根の上で大漁旗を振ってくれています。
75km手前にサロマ湖鶴雅リゾートの私設エイドがあります。その前から雨が降り始め、気温もどんどん下がってきました。予想通りです。
80kmのスペシャルドリンクを取りましたが、いよいよワッカです。昨年の低体温寸前の寒さが蘇ります。しかし、今年はモンベルの「ジオライン」のおかげで全く寒くありません。対策は完璧でした。しかし、思ったよりも雨と風が強く、やる気を低下させます。しかし、時間を見るとゆっくり走ったのでは完走できない時間になっていました。
強い向かい風だったので、自分が目指すスピードに近い人を見つけて、その人の後ろに付いて風を避けながら走り続けました。しかし、その人が歩き始めたので、自分で行くしかありません。そうしないと完走ができないのです。
周りでは低体温でリタイアする人が続出しています。
88km過ぎのワッカの折り返しを過ぎると、今度は追い風になり、非常に走りやすくなりました。しかし、90km過ぎになると、本当に限界に来ていました。やはり練習不足です。時間を気にしながら、必死でした。それでも足は言うことを聞いてくれなくなりました。
12時間44分23秒
やっとゴールです。正直、今回のゴールが一番うれしく感じました。走って良かったと思えました。リタイアしなくて良かったと思えました。少し涙が出ました。