ドクターシミズのウルトラランナーへの道2018 その3

今回の100kmの完走率は73.1%だったようです。昨年が71.4%だったのであまり変わりません。思ったよりも低かったですね。今回は天候の変化に対応できない人が続出したのかもしれません。

しかし、ここ2年間を経験したランナーはワッカの寒さ、風の強さ、雨が降ったときの状態は予想できたはずなので、対策不足だとは思います。やはりワッカは甘くないのです。昨年よりも今回の方がワッカで低体温になっている人が多いような気がします。前半が暑かったので、そのまま行けると思ったのかもしれません。トップのランナーは寒くなる前にワッカを超えているので問題なかったと思いますが、遅いランナーほど天候が直撃しました。

低体温は命の危険性さえありますので、やはり甘く考えない方が良いかもしれません。

それにしても、非常に薄着をしていても低体温にならない人もいます。何が違うのでしょうか?低体温で倒れている人はやせた男性ばかりです。女性の出場数が男性より少ないこともあるかもしれませんが、やはり男性の方が弱いのかもしれません。皮下脂肪の差?とも考えられますが、女性のランナーも皆さん痩せています。不思議です。

何とか制限時間内にゴールして完走メダルとタオルをもらいました。帰りのバスは最終しか残っていなかったので、ゆっくりとしていました。

ゴールした後、フリースタイルリブレでグルコース値(血糖値)とケトン体を測定しました。後日そのデータは明らかにしたいと思います。

着替えをしたのですが、今年も不思議なことに足が攣りません。以前はいつもフルマラソンの後の着替えは足が攣っていました。ウルトラの後はあまり足が攣った経験がないことや、最近はフルマラソンでもあまり攣らなくなりました。大したタイムが出ていないからかもしれません。

レース中に左足の親指がずっと痛かったのですが、靴下を脱いで見ると案の定、爪が真っ黒でした。(写真はレース2日後)

爪の周りも炎症を起こし、非常に強い痛みがあります。

サロマ湖のウルトラマラソンの後は1000円分の飲み食い券と飲み物無料券がもらえますが、今年はゴールが遅く、食べたいものがかなり売り切れており、ホタテの味噌汁だけをいただきました。

ホテルに着いて、すぐにホテルの大浴場に直行し、その後夕食です。レース後のお酒が格別にうまい!夕食も当然糖質制限でおかずのみ食べました。

体のそこら中が痛いのですが、特に両側の股関節と膝関節は少しでも曲げる度に強い痛みが走ります。非常に疲れていましたが、それほど眠気がありません。そして、この日はワールドカップの日本代表対セネガルの試合が24時からありました。痛みで眠れるとは思えなかったので、そのままテレビで観戦し、ゴールの度にガッツポーズをしました。

試合後も、横にはなったのですが、少しでも寝返りをしようとすると痛みがあるので、ほとんど眠れませんでした。

朝は5時過ぎには起床し、朝食をさっさと済ませて、JR駅に急ぎました。

帰りのJRではさすがに少しウトウトしてしまい、本もほとんど読めませんでした。駅に着き職場へ直行。午後は仕事です。

股関節と膝関節の痛みは醜く、筋肉痛は非常につらい状態で、ゆっくりしか歩けません。階段の下りは一段ずつしか降りれません。しかし、次の日はかなり筋肉痛が軽減していて、階段の下りは少しつらい程度で、水曜日には日常生活に問題はなくなりました。何度も書いていると思いますが、糖質制限をしっかりするようになってから顕著に回復が早いんです。以前よりも筋肉痛が少なく、回復も早いのです。フルマラソンでもウルトラマラソンでも同じです。

今年のサロマ湖100kmウルトラマラソンは苦しいながらも完走できた喜びでいっぱいです。これまでの中で一番の達成感です。記録よりも自分の限界を超えた頑張りが喜びです。

こうして走ってみると、人間の限界は何だろうと思います。自分が決め付けた限界は、恐らく限界ではないのだと思います。今回のレースで50kmの随分手前で限界だと思いました。練習不足や故障の悪化など不安要素いっぱいでのスタートであり、自分で早々に限界を決めてしまっていたように思います。

私の脳はリスク回避のために、早々にあきらめモードにしようとしていました。何度も脳と話し合いながら、レースを進めていきましたが、ネガティブな考えばかり浮かんできます。

しかし、何かをきっかけにして急に脳はポジティブに変化しました。本当に不思議です。自分で決めてしまった限界は、本当の限界ではありませんでした。

限界の先に見えたものがありました。50歳過ぎて、なかなか日常で限界を感じることはなく、そこまで頑張ることもないかもしれません。しかし、フルマラソンやウルトラマラソンは自分との戦いの中で様々な気付きがあります。限界は自分で決めるものではなく、そこに達した時に初めてわかるのが限界かもしれませんし、そこもまだ限界ではないかもしれません。

限界だと思ったとき、それを打ち破ってみるとその先があります。

また一歩サロマンブルーへ近づきました。

なかなか、カッコ良い締めくくりになりましたが、レース自体は非常にカッコ悪かったです。

今回もいろいろ考察、分析していきます。

2 thoughts on “ドクターシミズのウルトラランナーへの道2018 その3

  1. 何よりも限界破りの完走、おめでとうございます!感動しました。途中からは、噛み締めるように声に出して読ませて頂きました。

    先生のお話でよく出てくる脳とのお付き合いのお話が興味深く、自分のチャレンジの参考になるように感じています。

    私は、60才から合気道を始めました。
    7級から始まる昇級審査を経て、現在64歳初段です。
    審査前になると稽古量も増えるせいか、足指や膝関節の痛み、手指のブシャール結節?に悩まされたりします。足の裏のしこりまで出現(笑)
    でも、それらを理由に奥の処で逃げてしまいたい衝動もあるように感じてます。

    脳に騙されてるかも知れないという発想は、故に大きなヒントです。

    一方で関節を守る筋肉を育てながら、70歳迄に何処まで到達出来るのか、さらに鍛錬していきたいのです。

    脳をテーマにしたお話をお書き頂けたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

    1. 沖 しらねさん、コメントありがとうございます。

      本当にウルトラマラソンはメンタルスポーツです。脳は自らの体をリスクにさらさないように
      いろんなことをして、ストップをかけているように感じます。
      しかし、何故か急にストップをかけるのを止めるときがあります。そうすると本当に復活します。
      何が起きているかはよくわかりませんが、今後の記事でちょっとそこに触れます。
      病気の一部も(多くも?)脳が作り出しているのではと考えています。

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