私の町でも「あまくない砂糖の話」が公開され、早速見に行きました。こんなマイナーな映画をお金を払って見る人がどれだけいるのかちょっと楽しみでしたが、30人ぐらいは見に来ていたと思います。
映画の内容はネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが、砂糖を摂取すると人間はどうなるかという人体実験のドキュメンタリー映画です。監督で主演の方は通常の食事では脂肪50%、たんぱく質26%、炭水化物24%という非常に低糖質な食事をしています。その食事内容を1日ティースプーン40杯(160g)の砂糖を摂取するように変えます。このとき、お菓子とかジャンクフードは一切食べません。世の中では「ヘルシー」と言われている低脂肪のヨーグルトやフルーツジュース、シリアル、スムージーなどを食べて、そこに含まれている砂糖が1日40杯になるようにするわけです。ジョギングや筋トレはそれまでと同じように継続します。その食事を60日間続けますが、どんどんいろいろな変化が起こるわけです。このような映画が成り立つということは、オーストラリアの人は意外と低糖質な食事をしている人が多いのかもしれません。
普段から糖質制限をしている私にとっては当たり前な内容の話がどんどん出てきますが、改めて映像でその変化を見せられるとやはりぞっとします。
やはり、注目すべきは1日摂取カロリーが変わらないのにどうしてこんなに体に変化があるかということです。「カロリーは考えても無駄!」で書きましたが、食事はカロリーで考えても無駄なんです。何を食べたかが重要なんです。カロリーが同じなら、何を食べても体に同じ作用を示すはずがありません。栄養素ごとに役割が違うんですから。よくエネルギーを消費する際に「燃焼」という言葉を使いますが、人間の体で起こっていることは単純に燃える「燃焼」ではないんです。新聞を燃やしても、木の枝を燃やしても、炭を燃やしてもバーベキューの火にはなるでしょうが、人間の体で、糖質をエネルギーにすることと脂肪をエネルギーにすることは全く違います。そこには化学変化が起こっているんです。
もう、いい加減カロリーで食事を考えるのをやめませんか?特に世の中の栄養士さん方は目を覚ましていただけませんか?
それにしても映画で出てきたスムージーはすごかったですね。スムージー1杯で砂糖34杯分も入っているなんて、全くヘルシーではないですね。
ただ、この映画、「砂糖」に注目しています。それはお国柄なのかもしれませんが、我々日本人は日常の食生活で「砂糖」ではない「糖質」を非常に多く摂取しています。「砂糖」でも今の世の中では非常に多く食べますが、日本の主食が非常にたくさんの「糖質」を含んでいるので、トータルで見るとオーストラリアの比ではないぐらいたくさんの「糖質」を食べてしまっています。例えばこんな1日の食事を例にしてみます。
朝食:フレンチトースト1枚、牛乳1杯、ヨーグルト(加糖)、目玉焼き
昼食:ファストフードのセット(ハンバーガー、ポテトのMサイズ、コーラ)
間食:シュークリーム1個、オレンジジュース
夕食:ごはん1杯、ビール350ml、生姜焼き、シーザーサラダ、豆腐の味噌汁、かぼちゃの煮つけ
これで合計糖質313gです。ティースプーン78杯の砂糖と同じなんです。
一説によれば、1万年前の人類が1年間に摂っていた糖質はティースプーン22杯だそうです。(どうやって調べたかは知りませんが)1年間ですよ!1万年前と人間の体はほとんど変化していません。進化していないということです。その体に何千倍もの砂糖を入れたら、異常が起きてもおかしくはありません。
和食は健康に良いとされていますが、そりゃアメリカのジャンクフード三昧に比べれば健康にはいいでしょう。でも、実際は「糖質」まみれになっていることを十分に認識する必要があります。
糖質制限をしていない方はぜひ「あまくない砂糖の話」を見てください。そして「砂糖」を「糖質」と置き換えて十分に考えてください。その後はあなたの選択です。