「あなたの体は、あなたが食べたものでできている」
これは確かなことです。子供でなければ何を食べるかは自分で決めることができます。(子供でもある程度は選択可能です、親によるところが大きいですが。)人間の細胞はあなたが食べたもので作られますし、何を食べたかによってあなたの体には様々な変化が起きます。そのいい例がメタボや生活習慣病です。誰でもないあなたが好んで選択してメタボになり、生活習慣病になったんです。糖質まみれの生活では糖尿病になることも当たり前でしょう。そして、動脈硬化が起これば高血圧にもなり、脳卒中や虚血性心疾患にもなりやすくなります。肥満も高血糖によりインスリンが大量に分泌されて糖が脂肪になり蓄積したんです。そして中性脂肪も激増します。それらはがんにも結び付いてきます。
食事による認知症の発症リスク上昇もどんどん発表されています。(ただし、都合が悪いことは大々的には報道されていません。お金が絡みますから)
トランス脂肪酸やサラダ油などを摂れば体に炎症を起こし、病気の素になります。トランス脂肪酸も日本には規制がありません。日本人はもともと摂取量が少ないという理由ですが、本当でしょうか?トランス脂肪酸が体から消失するまでに240日程度かかるとも言われていますが、本当に大丈夫なんでしょうか?
食品添加物は一つ一つは微量で危険ではないかもしれませんが、今の売られている食品にはあまりにもたくさんの添加物が入っています。それが合わさったときや蓄積したときには人体はどうなるかなんてわかりません。あなたが美味しいと思っている味は添加物の味なんです。例えばドレッシングを自分で添加物なしで、調味料を合わせただけで作ってみてください。なかなかおいしくはできません。大量の添加物の味が本当の味だと思っていませんか?
遺伝子組み換えのものも人体に本当のところどのような変化をもたらすかわかりません。そんなわからないものを口にしているんです。そのようなわからないものをあなたが選択しているんです。アメリカ産の小麦やトウモロコシは恐らくほとんど遺伝子組み換えでしょう。あなたの食べているパンや麺の小麦は日本産ですか?遺伝子組み換えでないものですか?ちゃんとわかって子供に与えていますか?遺伝子組み換えのものを徹底的に消費者が「NO!」と言わない限り、食品業界は平気で使ってきます。あなたが飲んでいる飲み物に入っている甘みは天然のものですか?100%ジュース以外は違いますよね。恐らく今はほとんど果糖ブドウ糖液糖でしょう。(多少名前が違うかもしれませんが、ほとんど異性化糖と言われるものです。)これは非常に安いものなので大量に使われていますが、原料はトウモロコシだと言われています。そうしたら、遺伝子組み換えでしょう。
また、毎日のように食べている肉である、豚や牛は何を食べていますか?恐らく穀物(トウモロコシなど)を食べさせられています。通常牛は草を食べて生きているんですが、霜降りにするために無理やりトウモロコシなどを食べさせられます。このトウモロコシもおそらく遺伝子組み換えでしょう。
100%ジュースでも原料はどこの国の果物や野菜ですか?濃縮還元であれば恐らく安価な国なので中国やブラジルなどかもしれません。そこの国の作物がすべてダメと言っているわけではありませんが、日本産でも怖いのにもっと怖くありませんか?ジュースで摂らなくても、本物の野菜や果物を食べればいいのではないですか?
ヘルシーとうたっている食品の裏側の成分表示を見ていますか?本当にヘルシーだと思っていますか?ただ単にカロリーオフだからヘルシーなんて言っているものもいっぱいありますし、「低脂肪=ヘルシー」とウソを言っているものもいっぱいあります。
とにかく、食品業界はあなたの健康なんて一切考えていません。あなたの健康を考えるのはあなた自身です。
健康に良い食べ物、悪い食べ物の情報は氾濫していますが、その情報を取捨選択し、そのどれを食べて、どれを食べないかはあなたの自由です。アメリカのあるファストフード会社では社員の健康のために「ファストフードは食べないように」と警告しているそうですが、そのような会社が健康に悪いことを知っていて売っている食べ物を毎日のように食べたり、子供に食べさせるというのもあなたが選んだ選択です。
食べ物以外にも喫煙や飲酒などもすべてあなたの選択です。毒を敢えて体に入れるかどうかはあなたが決めたことです。もちろん適量のアルコールにはメリットもあると言われていますが。
もちろん、1回とか1日という短い単位で病気になるわけではありません。だから、食生活というのは「生き方」そのものなのです。長い人生「どうやって食べて、どうやって生きていくか」ということなんです。日本人は食事や体型が変わるとすぐに「ダイエットしてるの?」とか言われます。そして、そのダイエットの意味も「痩せる」ことしかないんです。ダイエットの語源はもともとギリシャ語の「diata」と言われています。その意味は「生活様式」です。そこから「日常の食べ物」の意味に転じたと言われています。まさしくダイエットは「日常の食生活」であり「生き方」なんです。単なる「減量」を意味するものではありません。ダイエットをするということは日常の食生活を変える、「生き方」変えるということです。だから、ダイエットが短期間の特別な食事で終わることはありません。これからずっとです。次に「生き方」を変えるまでずっとです。そうすればリバウンドなんていうことは無意味な議論だとわかります。
あるペインクリニックの患者さんで、片頭痛の患者さんがいました。週に何度も片頭痛の薬や鎮痛剤が必要な状態でした。その患者さんに私は食生活を変えることを話しました。それを受け入れてやるかどうかは患者さんの自由です。薬は一切処方しませんでした。1か月後再診に来ましたが、私の話を受け入れて実践したその患者さんは、1か月間1度も鎮痛剤などの薬を飲まずに済んだのです。彼は「生き方」を変えたんです。好きなものを自由に食べて頭痛に悩まされる生き方か、食べるものを選んで頭痛から解放される生き方か、どちらを選ぶかはその患者さんの自由です。
あるケガで入院された患者さんは糖尿病の一歩手前でした。その方にも私は食生活を変えることを話しました。私の話を受け入れて食事を変更されました。しばらくした後看護師から「○○さん、隠れて間食していますよ。」との報告がありました。私はその患者さんに何も言いませんでした。看護師にも「患者さんが何を食べるかは患者さんの自由だよ。だから、放っておいていいよ。」と言いました。無責任に思えるかもしれませんが、私がそう言ったのは一つにこれは治療ではないことからなんです。私は医者として必要な情報を与えました。それをどう捉え、どのようにするかはその人自身の選択です。私にはどうすることもできません。そして、患者さんはいつか退院します。退院後の生活はその人の自由です。私はその患者さんの「生き方」を無理やり変えることはできません。ただ、その患者さんはかなり体重も減少し、血糖値も落ち着いた状態(薬は一切なしです)で退院されました。
世の中では激安な弁当が売られています。売れるから売っているのですが、200~300円の弁当に何が入っているのか不安にならないのでしょうか?少し前に話題になった期限切れ食材、つまり通常ではゴミとなるものを仕入れてそのような弁当に入れているんです。弁当の業者もどこで製造したのかもわからない、何を使って作ったのかもわからないものがその中に入っているんです。経済的な問題もあるのでしょうが、とても健康的な食事とは言えません。それなら、1日3食ではなく、1日1食にして、その1食に全ての資金をつぎ込み少しでもいいものを体に入れた方がよっぽどいいと思います。毒はどんなに食べても毒のままです。
1日3食食べなければならない理由はどこにもありません。1日1食で元気に健康で生活されている人もいっぱいいます。食品業界によって1日3食しっかり食べて、ついでにおやつも食べる生活が当たり前のように、われわれは洗脳されてきました。食品業界はどうやったら空腹感を感じるのかすでに研究済みでしょう。そして、どんなものをどれぐらいの割合入れると一番おいしく感じ、さらに中毒性が生じるのかも研究済みでしょう。それによってみんなたくさん食べさせられているし、中毒性を生じてやめられなくなっているんです。
私は糖質制限をしています。糖質制限をすると空腹感があまり起こらなくなります。だから、ときどき1食食べないときもありますし、先日の断食も36時間ほとんど苦痛を感じることはありませんでした。もちろん、お腹が減ることはありますが、以前糖質をたんまり食べていた時のようにお腹がペッコペコになることはありません。ちょっと何かしていれば忘れてしまうほどの空腹だけです。しかし、糖質は依存性、中毒性が高いので私も糖質依存から抜け出てはいません。アイスクリームが大好きなんです。週に何回かはアイスを食べます。一応炭水化物の含有が20gまでのものに限っていますが。このアイスを夕食後お腹いっぱいのときに食べると、ものすごい空腹感を感じることがあるんです。軽い空腹感も含めるとほぼ毎回アイスで空腹感を感じます。つまり、糖質摂取が空腹の素なんです。ちなみに現在、ときどきアイスを自作しています。そこに使う甘みは砂糖ではなくラカントSです。この自作のアイスでは空腹感に襲われません。はっきりした違いなんです。皆さんは食べることによりさらに食べたくなるように操作されているんです。
先日のフルマラソンで当日の朝はゆで卵2つだけでした。レース後も配布されたバナナ1本食べただけでした。フルマラソン1回走るとだいたい2400kcal消費すると言われていますが、摂取カロリーよりも消費カロリーの方が2000kcal以上も多いのに空腹感は感じませんでした。その日は夕食まで何も食べないでいても全然平気なんです。
糖質制限が最も優れた食事であるとは全く思っていません。そのようなエビデンスもありません。もちろん、現在推奨されている3大栄養素の割合が一番優れているというエビデンスも存在しません。しかし、いろいろな情報を吟味して、糖質制限が今の時点で自分に一番いいと考えて、糖質を制限する「生き方」を選んでいます。今の世の中エビデンスが重要になっていますが、エビデンスもお金で操作されていることを忘れてはなりません。食品業界は多額の資金を投入して宣伝して、さらに多額に資金をお抱えの医師などの研究者に渡して自分たちに有利なエビデンスを作り上げています。研究が発表された時にその研究の資金がどこから出ているのかがわかるとその信憑性も判断できるのですが、なかなかわかりません。
そこで、どうか世の中の栄養士の皆さん。自分の体で実験をして下さい。例えば、現在の3大栄養素の炭水化物と脂質の割合をそっくりそのまま入れ替えた食事を3か月続けてみてください。皆さんの得意なカロリーを計算して、摂取カロリーは変えることなく。そうすれば、体型や体重がどうなるか、血液の状態がどうなるか、精神的にどうなるか、空腹感はどうなのか、体調はどうかなどいろいろわかることが多いと思います。カロリーを信じてきた自分は何だったのか、ときっと思うでしょう。何十年も進歩しない栄養学を妄信しても仕方がありません。しかし、世の中の人たちにとって、栄養の専門家が発信する情報は非常に重要な判断材料です。最後に決めるのはもちろんその人自身ですが。
そして、皆さん体調が悪くなった時は、是非食事を見直してください。もちろん、すでに病気になっていることもありますので病院で検査することも必要になる場合があります。しかし、そこではっきりした原因がわからない場合、通常医師は適当に今までの経験に当てはめて推測をしますが、必ずしも合っているわけではありません。わからないことなんていっぱいありますから。そして、適当な薬を出します。それで改善すれば推測が当たっていたと考えます。でも、何も改善しない場合もあります。当たり前です。わからないのに適当に薬を出しているんですから。病気が見つからない、はっきりした原因がわからない場合、医療に頼っても仕方ありません。漢方で言えば「未病」に当たるかもしれません。その時は是非、食事を見直してください。私のお勧めはもちろん糖質制限です。プチではなくスーパーです。完全にできる限りの糖質を排除するケトン食でもいいかもしれません。さらに、加工食品や出来合いお惣菜を排除する。全部自分で作った料理にします。調味料も混ぜ物でない本物を使い、シンプルな食事にします。油も良いものだけを使います。そうすれば、人間本来の自己治癒力で体調が戻ってくると思います。戻ってきたら、その後食事の制限を少しずつ緩めて、自分の体調に悪さをしているのが何だったのかを確認していきます。そこで、悪さをしているものが見つかればそれを食べないようにすればいいのですから。もちろん見つからない場合もあると思います。
最後に
「あなたの体は、あなたが食べたものでできている。そして、あなたの中の病気はあなたの食べたもので作り出される。」