第34回サロマ湖100kmウルトラマラソン分析  ウルトラマラソンとエネルギーと血糖値

今年のサロマ湖ウルトラマラソンが終わり、レースの分析をしてみたいと思います。今回のレース中のエネルギー補給は、

ベスパプロ2本 1本あたり タンパク質0.1g、脂質0g、炭水化物5g、18kcal。2本摂取で タンパク質0.2g、脂質0g、炭水化物10g、36kcal。

トレイルバター1パック+2/3程度 1パック(128g)あたり タンパク質20g、脂質68g、炭水化物36g、760kcal 。合計でタンパク質33.3g、脂質113.3g、炭水化物60g、1267kcal

メイタン・サイクルチャージ・カフェインプラス200 2本 1本あたり タンパク質0.04g、脂質0.04g、糖質27.28g、108.8kcal、カフェイン200mg 。2本でタンパク質0.08g、脂質0.08g、糖質54.56g、217.6kcal、カフェイン400mg 。

ショッツカフェイン入り 1ショッツ当り(45g)タンパク質0g、脂質0g、炭水化物29.8g、カフェイン80mg 、117kcal  

スイカ(量は不明) 400gとしてタンパク質2.4g、脂質0.4g、炭水化物38g、148kcal。

オレンジ1切れ 主に果汁を摂取、20gとしてタンパク質0.2g、脂質0.02g、炭水化物1.96g、7.7kcal。

レモン(量は不明) スライスしたものなどの主に果汁を摂取、果汁35gとしてタンパク質0.14g、脂質0.07g、炭水化物3.01g、9kcal。

総合計:タンパク質36.32g、脂質113.87g、炭水化物197.33g、1802.3kcal、カフェイン480mg  となりました。昨年がエネルギー量として1081.3kcalだったのでかなり増加しましたが、消費エネルギーとしてはおよそ6,400kcalなので、かなりのマイナスバランスですが、脂肪をエネルギーに変えれば何ともありません。糖質、炭水化物は昨年が170.05gだったので、少し増加です。

上の図は青い線が平均心拍数、赤い線が平均ペースです。25㎞付近からペースは変わらないのに、どんどん心拍数が上がってしまっています。70㎞過ぎからガタッとペースが落ちています。その理由は次のグラフを見てください。

上の図は青い線がフリースタイルリブレで測定したグルコース値です。赤い線はペースです。今回30㎞で200㎎のカフェイン入りエネルギージェルを1本飲みました。すると、そのあとからグルコース値は急上昇しています。春のフルマラソンで同じジェルを飲んだのですがその時はほとんどグルコース値は変動しませんでした。しかし、今回はきれいに上昇しています。フルマラソンに比べてウルトラマラソンのペースが遅いからなのかもしれません。45㎞付近でグルコース値は落ち着いていますが、64㎞過ぎにまた、急上昇です。63.5㎞付近でショッツカフェイン入りを1本飲みました。これに含まれる糖質は約30gです。走っているときにこんなにグルコース値が反応するとは思いませんでした。

しかも、その後急降下です。30分間で58の下降、最高値から最低値までは1時間で106も急降下し最低値は87になっています。ここまで急降下したのは、もしかしたらインスリンが分泌されてしまった可能性があります。このグルコース値の急降下と共にペースも急降下です。これだけはっきりした関連が認められたのは初めてです。この時感じていたのは、モチベーションの低下、エネルギー切れ、強烈な口渇でした。唾液が一滴も出ない感じが非常に苦しかったのです。脱水かと思っていたのですが、75㎞付近ではトイレに行き、十分な量の尿も出ています。「脳の罠」でした。恐らくはこの血糖値の急降下に対する反応だったと思います。

そして、80㎞付近で再び200㎎のカフェイン入りエネルギージェルを1本飲みました。その後から再度、グルコース値が急上昇。今回ほど糖質入りエネルギーとグルコース値が同期したことはありませんでした。カフェインのパワーも凄いですね!しかし、90㎞付近でグルコース値は低下して、ペースも低下しています。

今回は後半のペースダウンをできる限り少なくするために、少し糖質を増やしたのですが、それがアダとなり、急上昇と急降下という、糖質制限をしている人間では絶対起こってはいけない反応をしてしまいました。走っているときにはこのような反応が今まではあまりなかったので、含まれている糖質の種類の違いなのか、ペースの違いなのか、それとも体の反応が変わったのかはわかりません。

いずれにしても、次回はこのグルコース値の変動を抑えたエネルギー補給が大きな課題になります。完全なケトランは50㎞くらいまでしか、私の体ではできないので、少しの糖質が必要になります。ウルトラでは、脳の罠に陥らないためにも、少し糖質があった方が良いと考えています。そして、万が一グルコース値が急降下したことを想定して、もう一つ少なめのエネルギーのジェルを持っておいた方がいいのではと思いました。来年に向けてGo!

2 thoughts on “第34回サロマ湖100kmウルトラマラソン分析  ウルトラマラソンとエネルギーと血糖値

  1. 去年の70キロトレイルに続き100キロウルトラマラソンでケトランやってみました。
    富士山麓一周フットレースというレースです。深夜0時スタートでゴール近くの時間ではかなり暑くなって歩いてしまいました。糖質オフが原因ではないと思うのですが…

    レース前 くるみとココナッツのキャラメリゼ 糖質5.4gx2 合計10.8g
    レース中 MCTチャージゼリープロ 糖質 0.1gx14 合計1.4g
    スーパーメダリスト9000(ドリンク用) 糖質 4.1gx6 合計24.6g カフェイン100mgx6 合計600mg
    シトリックアミノ 糖質3.5g
    MCTオイル(ドリンクに混ぜる) 40gくらい 糖質なし
    ソフトクリーム 糖質25gくらい
    豆乳500mlくらい 糖質8gくらい
    魚肉ソーセージ 1/2くらい 糖質6gくらい
    糖質補給は合計80gくらいでした。
    カロリーは2500kcalくらいです。

    GPS時計では消費カロリー5900kcal
    累計標高差2900mなかなかハードなコースでした。

    最後は歩いてしまったのであまり良い実験ではありませんでした。
    歩いたのは暑さのせいでエネルギー切れではないと思うのですが…
    日陰では少し復活してゆっくり走れました。
    ソフトクリームはエイドとして場所を提供してくれたお店に悪いと思って
    食べました。えいちのむらという朝霧高原のお店です。
    ランナー割引までしてもらいました。ここで宣伝しておきます。
    ソフトクリームは大好きですが我慢できないというほどではありませんでした。
    ソフトクリームを食べなければ糖質50gくらいになっていたと思います。
    給水は水にスーパーメダリスト9000を混ぜたのをメインに
    エイドで提供の麦茶やコンビニや自販機の水、無糖コーヒーにMCT オイルを入れて飲みました。
    暑いので水分をたくさんとりましたが、塩分が足りていたのかがよくわかりませんでした。

    1. とむらあきはるさん、貴重なご経験の情報ありがとうございます。

      ペースにもよると思いますが、100㎞という距離を考えると、糖質がかなり少なめですね。
      高低差も大きいハードなコースでは後半はやはり糖質が必要になってくるのでは、と考えます。
      もちろん個人差がありますが。自分に合った糖質量を探るのに試行錯誤が必要だと思います。

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