スタチンはグルカゴン抑制障害とインスリン感受性低下を起こす

スタチンは糖尿病のリスクを高めると考えられています。一方、「糖尿病はグルカゴンの反乱だった」で注目されたいるように、グルカゴンが糖尿病の高血糖に大きな影響を与えていると思われます。(「スタチンの使用は、はっきりとした糖尿病発症のリスク増加がある!」「糖尿病はグルカゴンの反乱なのか?」など参照)

今回の研究ではスタチンを使用した糖尿病予備軍の人のグルカゴンやインスリンはどうなるのかを調べています。

対象はBMIが18.5〜40で、米国糖尿病学会の基準(空腹時血糖障害および/または耐糖能異常、および/またはHbA1c5.7%〜6.4%)で前糖尿病(糖尿病予備軍)の50人です。それらを2つのグループに分け、スタチンを使用している群(スタチン群)としていない群(コントロール群)です。

経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)が行われました。インスリン感受性指数(0~120分)はコントロール群と比較してスタチン群の方が低く、34.9対44.5でした。(図は原文より)

上の図はOGTTでのグルカゴン値(A)、グルカゴン抑制(B)です。●がスタチン群、■がコントロール群です。グルカゴンのベースラインと30分値はスタチン群で高く、0~30分と0~120分のグルカゴン抑制はスタチン群で低くなりました。全体的なグルカゴン抑制はインスリン感受性の低下と関連していました。

上の図は実験上のものです。縦軸はグルカゴン分泌です。横軸は左2つのバーがスタチンなし、真ん中2つがスタチンに24時間暴露、右の2つが48時間暴露です。それぞれの左側がインスリンなし、右側がインスリンありです。スタチンがない場合、インスリンによりグルカゴンの分泌は有意に約半分に低下しています。アトルバスタチン(100ng/mL)に慢性的に(24または48時間)暴露したすい臓細胞では、グルカゴン分泌に対するインスリンの阻害効果が鈍化しており、さらに、アトルバスタチンで処理されたα細胞では、プログルカゴン遺伝子転写のインスリン誘導性阻害が有意に損なわれていることが観察されました。

スタチンはインスリン感受性を低下させ、グルカゴン分泌抑制を阻害し、グルカゴン過剰状態を作り出し、血糖値の上昇、糖尿病のリスクを増加させると考えられます。

あなたのスタチンは必要ですか?

「Impaired Glucagon Suppression And Reduced Insulin Sensitivity In Subjects With Prediabetes Undergoing Atorvastatin Therapy」

「アトルバスタチン療法を受けている前糖尿病患者のグルカゴン抑制障害およびインスリン感受性低下」(原文はここ

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