抗不安薬、睡眠薬、鎮静薬、抗うつ薬は筋萎縮性側索硬化症リスクを増加させる

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、手足や喉などの筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。進行すると飲み込みや呼吸すらできなくなっていきます。

この病気のリスクを増加させる薬として、スタチンが大きく関連している可能性があります。(「ホーキング博士とスタチン」参照)

他の薬はどうなのでしょうか?

今回の研究では、一般的な精神科薬(抗不安薬、睡眠薬、鎮静薬、抗うつ薬)のALSリスクを分析してます。スウェーデンで2015年から2023年の間にALSと診断された1,057人を、一般人口のALS非罹患者5,281人と年齢・性別でマッチングさせました。また、ALS患者の兄弟姉妹1,418人(うちALS患者709人)と配偶者871人を対照として含めました。

平均年齢は67.5歳で、3363人(53.1%)が男性でした。ALS患者の診断時のBMIの平均は23.8でした。ALS診断前に研究対象の精神科薬を少なくとも2回処方された人を曝露としています。(図は原文より)

上の図はALSの診断と、診断の1年以上前に処方された抗不安薬、睡眠薬、鎮静薬、抗うつ薬との関連を示しています。一般人口との比較では、登録された日の1年前を分析から除外した後では、ALSの発症の可能性は、抗不安薬で1.34倍、睡眠薬および鎮静薬で1.21倍、抗うつ薬では1.26倍でした。ALS患者を兄弟または配偶者の対照者と比較した場合も結果は概ね同様でした。

ALS診断の前の1年以内のALSの可能性は非常に高く、抗不安薬で12.4倍、睡眠薬および鎮静薬で6.10倍、抗うつ薬では10.1倍でした。薬を飲み始めて1年以内が特に要注意ですね。

筋萎縮性側索硬化症の診断後および診断前の抗不安薬、睡眠薬、鎮静薬、または抗うつ薬の処方使用後の死亡リスク

上の図はALSの診断前の抗不安薬、睡眠薬、鎮静薬、抗うつ薬の使用後の死亡リスクです。診断前に精神薬を使用していない人と比較して、ALS診断前にすでに精神薬を使用していた場合には、抗不安薬で1.52倍、抗うつ薬で1.72倍死亡リスクが高くなりました。精神薬の使用は、機能低下が速いことも示されました。

これらの精神薬そのものがALSの原因となるのかどうかはわかりませんが、うつや不眠や不安などが糖質過剰摂取で起こること、以前の記事「進行性の不治の病ALSさえも改善する糖質制限」で書いたように、ALSの症状が糖質制限で改善することが報告されていることより、薬の副作用でALSが発症したというよりは、糖質過剰摂取という根本原因を放置して、薬でごまかしていたために、一部の人はALSが発症してしまったのかもしれません。

ほとんどの薬は対症療法です。症状は軽減することがあるかもしれませんが、ずっと病気のままです。症状が隠れてしまうので、安心してしまうかもしれませんが、その裏では進行しているかもしれません。根本の原因が改善されていないためです。

何らかの症状、病気が起きたら、まずは食事を改善しましょう。

「Use of Common Psychiatric Medications and Risk and Prognosis of Amyotrophic Lateral Sclerosis」

「一般的な精神科薬の使用と筋萎縮性側索硬化症のリスクおよび予後」(原文はここ

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