またも、とんでもないダイエット番組「おデブがアイドルに大変身!ダイエット総選挙2017」

昨日、ふとテレビを見るとまたもやダイエットの番組をやっていました。ネタがないのか、視聴率がとれるのか、ダイエットの番組は後を絶ちません。そして、今流行りの言葉を使いながら、それらしいダイエットを紹介していきます。しかし、そのダイエット法はとんでもないものが多いのが現状です。しかも、監修したり指導したりするのが医師や管理栄養士と名前がつく人がやっているので、たちが悪くなります。

昨日の番組はTBSの「おデブがアイドルに大変身!ダイエット総選挙2017」というものだったのですが、最終的には誰もアイドルには変身できてはいません。しかし、90日間で20㎏以上減量できた人がほとんどでした。

4種類のダイエット法でどれが一番痩せる方法なのかを競いたい企画なのに、途中で停滞してしまったダイエット法ではボクシングのエクササイズを導入してしまっています。よくわからない内容です。条件がバラバラです。全員80㎏以上で100㎏超の方もいました。

そのダイエット法を見ていきます。(内容はTBS公式ホームページより抜粋)

グルテンフリーダイエット

担当:銀座医院・管理栄養士 伊達友美 日本アンチエイジングダイエット協会理事

「グルテンフリーダイエット」とは、小麦粉抜きの食事法のこと。

★ 今回チャレンジした、グルテンフリーダイエット(伊達式)の詳細
ポイント(1) 小麦粉製品は食べない
小麦粉の加工食品には食欲をコントロールしにくくなるといわれる成分が含まれているので、食べ過ぎてしまい、太りやすくなるため、小麦粉製品を食べないようにする。

ポイント(2) 主食にご飯を食べる
小麦製品に比べて、米のご飯は体を温め、代謝を上げやすくするので、ご飯は積極的に食べる

ポイント(3) 手のひらサイズの 肉・魚を食べる
肉か魚をしっかり食べてたんぱく質を摂取する。これにより筋肉が増え、代謝が上がる

ポイント(4) 生理周期に合わせて食事内容を変える
生理中は代謝が上がりにくいので最初の生理が終わるまでの「リセット期」はしっかり食べて代謝を上げる。生理後2週間の「ダイエット期」は、夕食を控えて一気に体脂肪を燃やす。以降はしっかり食べる「キープ期」と「ダイエット期」を2週間ずつ繰り返す
※ 男性は2週間ずつそれぞれの「期」を行う

「グルテンフリー」という今流行りの言葉を使っただけのよくわからないダイエット法です。グルテンを摂らないことは否定しませんが、「米のご飯は体を温め、代謝を上げやすくする」というのは本当でしょうか?また、キープ期の2週間はしっかりタンパク質を摂っていますが、ダイエット期の2週間には極端にタンパク質が減っています。脂質の摂取量も非常に少なく、これを続けるのは非常に危険です。昼にしっかりとタンパク質を摂っていれば良いとは思いますが。

MCTオイルダイエット

担当: 医師 畠山昌樹

糖質制限に加え、ココナッツ由来のMCTオイルを飲むという相乗効果により、今話題のケトン体質に体をチェンジするダイエット法。

ブドウ糖の代わりに体を動かすエネルギー源になりうる、として現在研究が進められているのが“ケトン体”。ケトン体は体脂肪を分解することで生まれ、ケトン体を体のエネルギーとして使う状態をケトン体質という。
糖質制限とともに、中鎖脂肪酸油である無味無臭のMCTオイルを摂取し、その相乗効果でケトン体質になりやすくするというものが、MCTオイルダイエットのメソッド。

★ 今回チャレンジしたMCTオイルダイエット詳細
〈最初の1週目〉 ※体をオイルに慣れさせる期間
1日1,200キロカロリー(オイルのカロリー含む)を目指す。

【朝&昼】MCTオイル20ml&豆乳60ml+野菜ジュース+150kcal未満のおかず
【夜】MCTオイル20ml&豆乳60ml+ゆで卵
【寝る前】MCTオイル10ml&アマニオイル15ml&豆乳
※ 間食をする場合は、チーズやゆで卵など。 水分は1日1.5L前後が望ましい。
※ サプリメントも毎食後、就寝前に摂取。詳しくは下記参照。

〈2週間目以降〉
1日800キロカロリー(オイルのカロリー含む)を目指す。

【朝】野菜ジュース+150kcal未満のおかず
【昼】MCTオイル20ml&豆乳60ml+野菜ジュース+150kcal未満のおかず
【夜】なし
【寝る前】MCTオイル10ml&アマニオイル10ml&豆乳
※ 間食をする場合は、チーズやゆで卵など。 水分は1日1.5L前後が望ましい。
※ 食事内容は、炭水化物50g、たんぱく質30gは必ず摂取できるようにする。
※ サプリメントも毎食後、就寝前に摂取。詳しくは下記参照。

★1週目、2週目共に、これまでより食事の量が大幅に減ることになるため、上記の食事にプラスして、サプリメントで栄養素を効果的に補っていくことが重要です。
<サプリメントから摂取した、ビタミン・ミネラル等(1日の量)>
カルシウム…416.7mg/マグネシウム…208.3mg/鉄…12.5mg/亜鉛…10mg/銅…1.0mg/マンガン…2.5mg/ビタミンB1…39mg/ビタミンB2…19.4mg/ビタミンB6…18.2mg/ビタミンB12…16μg/ナイアシン…35mg/葉酸…300μg/ビオチン…70 μg/パントテン酸…29.2mg/ビタミンE…115mg/ビタミンP…20mg/イノシトール…25mg/β-カロチン…5400μg/ビタミンC…1100mg/ビタミンD…5μg/ヨウ素…84.7μg/セレン…50.3μg/クロム…47.2μg/モリブデン…17.5μg/DHA…892.5mg/EPA…192.5mg/L‐カルニチン…1050mg /大豆レシチン…1350mg

※ 今回のMCTオイルダイエットは、番組企画用にカロリーを設定し、参加者の食事内容や体調を踏まえ、畠山医師の細かな管理・指導のもと行いました。自己判断で行わないようご注意下さい。

MCTオイルやケトン体という言葉を巧みに使った、医師が担当するとんでもないダイエット法です。これはもう「食事」ではありません。人間は機械ではないので、栄養素を入れれば良いというものではありません。栄養素のほとんどはサプリメント頼みという、全く馬鹿げた方法です。2週目からは1日800kcal、炭水化物50gとタンパク質30gという訳の分からない数字です。タンパク質不足です。これだけ運動をさせるならこの3倍でも良いと思います。どこから1日800kcalという設定が出てきたのでしょうか?糖質制限という言葉を使うのも止めていただきたいですね。

餃子ダイエット

担当:ピューマ渡久地ボクシングジム会長 渡久地聡美

夕食を栄養素の詰まった餃子だけにすることで、筋肉量を落とさずに代謝を上げていくダイエット法。カロリーではなく、摂取する食事のグラムを重要視する。

餃子は、
・たんぱく質&脂質を含む「豚肉」
・ビタミン&ミネラルが含まれる「野菜」
・炭水化物が含まれる「皮」
から構成されており、体作りにかかせない五大栄養素を全て含む完全食。
餃子と相性の良いビールは、ビタミンB群が豊富で代謝を高めてくれるため、コップ1杯までなら飲んでもOK!

★ 今回チャレンジした、餃子ダイエットの詳細

【朝】…バナナ1本+100%オレンジジュース180ml

【昼】…500gの重さの食事+水300ml
重量さえ守れば何を食べてもOK。
※ ただし体のエネルギーとなる炭水化物をしっかり食べる事が望ましい

【夕】…餃子150g(一般的な大きさで7個程度)+ビールor炭酸水180ml
※ 運動をした日は、餃子を倍の300g食べてOK。

・食事以外の水分(水やお茶など)は、1日1Lまでにとどめる。
・基本的に間食はNGだが、どうしてもの時は、大福1個や小さい羊羹1個など、あんこ系のものを食べるようにする

餃子ばかり食べさせるダイエット法。ボクシングジムの方が担当なので、正直許せる内容です。間食にあんこ系というのが謎です。また、栄養をグラムで決めるという斬新ではあるが、よく理論の分からない方法です。ちなみに500gの重さであれば、マクドナルドのハンバーガー3つとポテトMサイズで合計459gなので、ナゲットも2個くらい食べれます。これだと糖質量は約150gです。炭水化物をしっかり食べると言っているので、ぴったりですが、死んでしまいそうです。

8時間ダイエット

担当:おおたけ消化器内科クリニック院長 大竹真一郎

1日の食事の、食べ始めから食べ終わりまでを8時間以内に収めるだけ!
残りの16時間はプチ断食状態にするダイエット法。
※ アメリカ発祥の「8時間ダイエット」を、大竹医師が日本版にアレンジし、提唱。

食事の開始時間はいつでもOK。何も食べない16時間の間は、貯まった脂肪を優先的にエネルギーとして使用するため、痩せていく。ダラダラ食いをしている人にこそ効果が期待できるダイエット法。

<例>
【日常の場合】
11時に1食目を食べ始めた場合、19時までにその日の食事を食べ終える。
【夜22時頃まで食事の予定がある場合】
1食目の開始時間を14時にし、22時までに食べ終える。

<ポイント>
・食事可能な8時間の間は好きな物を好きなだけ食べてもよいが、それ以外の時間は一切の食事は禁止。
・ノンシュガーやノンカロリーと書いている、タブレットやガム等も禁止。
・飲物はノンカロリーで人工甘味料の使われていない物ならOK
→水、お茶、ブラックコーヒー、炭酸水など

4つの中で唯一継続可能なダイエット法です。しかし、糖質を制限していないので、恐らくは毎日が空腹との戦いとなるでしょう。

どの方法も皆さんかなり痩せました。それもそのはず。以前の食事がバカみたいな食事でしたから。この番組の方法ではなくても、通常の食事に変えるだけで痩せます。いつの間にこんなに食に対して「バカ」な人が増えてしまったのでしょうか?

いずれの方法も(最後の8時間ダイエットを除いてもいいですが)、ダイエットという言葉をはき違えています。ダイエットは以前にも書きましたが、その意味は「生活様式」です。そこから「日常の食べ物」の意味に転じたと言われています。まさしくダイエットは「日常の食生活」であり「生き方」なんです。単なる「減量」を意味するものではありません。だから、このような一時的にしかできない方法は無意味です。20㎏以上痩せたとしても、この人たちが通常の食事を始めればまた太って、いわゆる「リバウンド」します。テレビだからと言って、子供を産む前の若い女性に無理をさせて、痩せればあとはどうなってもいいという精神で、健康ということは度外視し方法を垂れ流しても良いのでしょうか?これからも継続可能な方法を教えるべきです。人間にとって何が必要な栄養素であり、何が必要でないか、どうして人は太り、どうしたら痩せられるのかを本気で教えて、彼女たちの「認知」を変えないと何も変わりません。タンパク質もろくに食べないダイエット法をテレビを見ている人がマネをしてしまったら大変です。

そうでなくても、日本の栄養学は間違っているので、世の中には栄養不足に人が溢れています。血液検査をしてもほとんどの医師は栄養不足を指摘しません。気付いていない場合もあります。病気というレベルになれば、治療をしなければなりませんので、患者さんに伝えるでしょう。しかし、病気ではないことと健康であることは全く違うレベルなのです。

若い人も高齢の人も非常にタンパク不足になっています。「肉は太る」という間違った認識が広まっているためや「卵はコレステロールが高いから1日1個まで」という昭和の大間違いをまだ信じている人がいるので、タンパク質が足りていない人が大勢います。若い女性であれば貧血にもなっています。日本の栄養学は早く間違いを正すべきです。医師は患者さんが減るから頑張って間違いを正すことはしないかもしれません。または栄養に興味がないかもしれません。本来は「予防」が一番大切なことであるはずなのに、現実は違います。一人でも多くの方が少しでも早く気付いてほしいと思っています。

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