包茎も糖質過剰症候群?

久しぶりに新型コロナとは違う記事です。

糖尿病薬のSGLT2阻害薬に心臓や腎臓保護作用が認められて、この薬の位置づけが変わっています。この薬は尿による糖排泄を増やすことで結果的として血糖を減らす薬です。

ただ、尿の糖の濃度が高まることにより、性器の感染症や炎症のリスクが高くなります。

SGLT2阻害薬と他の糖尿病薬とを比較した研究があります。女性では性器カンジダ感染症、腟炎または外陰腟炎の複合アウトカム、男性では性器カンジダ感染症、亀頭炎、亀頭包皮炎または包茎の複合アウトカムのリスクを比較しました。(この論文参照)

DPP-4阻害薬との比較では、女性では2.80倍、男性では2.66倍でした。

GLP-1受容体作動薬との比較では、女性では2.91倍、男性では2.85倍でした。

つまり、SGLT2阻害薬は尿糖が増加してしまうために、男性では包皮炎やそれに伴う後天的な包茎を起こす可能性が高くなるのです。実際に泌尿器科では慢性包皮炎は、未治療の糖尿病の人や、SGLT2阻害薬を飲んでる人にもよく見かけるそうです。(ここ参照)

そうすると、先天性の包茎は別として、後天的な包茎は糖質過剰摂取によって尿糖が増加して、炎症を繰り返し、その結果起きてしまっている可能性があります。

今回の研究では、包茎で受診した100人の男性(平均年齢38.5歳)の血糖値や糖尿病歴を調べています。100人のうち31人は先天性で、69人は後天性でした。

先天性の人全員に糖尿病歴はなく、血糖値も108未満でした。後天性包茎の18人、26%に2型糖尿病歴があり、1人に耐糖能障害歴がありました。残りの50人のうち4人が新たに2型糖尿病の診断となり、2人が空腹時高血糖または耐糖能障害と診断されました。つまり、糖尿病は後天性包茎の患者69人中22人(32%)に認められました。

糖尿病ではなくても耐糖能障害の人も何人かいることを考えても、恐らく後天性包茎のかなりの割合の人に尿糖が出ていた可能性があると考えられます。尿糖陽性の長い年月の間に、包皮炎や亀頭炎を繰り返していることで、包茎を起こしたのではないかと思います。

また、包皮の先端部分に縦に亀裂が入る包皮炎による包茎は、以前に糖尿病と診断されていない人における2型糖尿病を予測するという研究もあります。

後天性包茎と包皮の縦の亀裂の組み合わせのある男性28人と後天性包茎を有するが包皮の縦の亀裂のない28人の男性を比較しました。(表は原文より改変)

亀裂あり(n = 28)

亀裂なし(n = 28)

年齢、平均± SD

45歳以上、%)

45歳未満、n(%)

40.9 ± 11.09(26–66)

11(39.3)

17(60.7)

39.0 ± 12.76(20–70)

8(28.6)

20(71.4)

BMI 、平均 ± SD

29.1 ± 3.96(23.6〜38.0)

26.6 ± 3.94(19.6〜35.7)

尿糖陽性、n(%)

28(100)

3(10.7)

随時血糖値、mg/dl、平均 ± SD

200 mg/dl以上、n(%)

200 mg/dl未満、n(%)

351.0 ± 114.5

27(96.4)

1(3.6)

106.5 ± 25.93

0(0)

28(100)

HbA1c、平均 ± SD

6.5%以上、n(%)

6.5%未満、n(%)

11.1 ± 1.92(6.8〜14.8)

28(100)

0(0)

5.9 ± 0.97(5.1–9.3)

2(7.1)

26(92.9)

上の表のように、亀裂のある包茎の人では100%尿糖陽性であり、HbA1cも6.5以上であり、全員が糖尿病であると言えます。亀裂のある包茎の28人のうち23人で、血糖コントロール後、包皮に亀裂が改善したそうです。

つまり亀裂を伴うような包茎は糖尿病である可能性が非常に高いことになります。

SGLT2阻害薬による包皮炎や包茎の増加を考えると、後天性の包茎の原因の一つは、糖質過剰摂取にあると考えられます。糖質過剰摂取→血糖値上昇→尿糖陽性→包皮炎や亀頭炎→包茎という流れです。後天性の包茎の多くは糖質過剰症候群でしょう。

恥垢という白い垢は包茎で溜まります。恥垢は洗浄不足とも言われていますが、そうではなく、尿糖や炎症による影響ではないかと思います。陰茎がんはヒトパピローマウイルス感染の関与が言われていますが、それだけではなく、包茎による閉鎖された環境が、尿や様々な微生物や分泌物を含んだ恥垢を貯留させて、それによる慢性的な刺激や炎症が起こり発癌を促進させるのではないかと考えられてもいるようです。実際に、包茎では陰茎がんが12倍起こりやすく、恥垢があると陰茎がんが3倍起こりやすく、亀頭炎があると3.8倍陰茎がんが起こりやすいと言われています。(この論文参照)

糖尿病ではおちんちんの長さが短くなるという研究もあります。(この論文参照)

尿糖を出さない食事は糖質制限食です。〇〇クリニックに行く前に糖質制限をやってみましょう。

男なら糖質制限。

「Phimosis as a presenting feature of diabetes」

「糖尿病の特徴としての包茎」(原文はここ

「Phimosis with Preputial Fissures as a Predictor of Undiagnosed Type 2 Diabetes in Adults」

「成人における診断されていない2型糖尿病の予測因子としての包皮亀裂を伴う包茎」(原文はここ

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