相撲界は改革するか無くすべき?

新型コロナウイルスにより28歳の力士が亡くなりました。マスコミは新型コロナウイルスの怖さを強調しているものもありますが、新型コロナが怖いのではなく、肥満のままでいることや糖尿病(高血糖)が怖いと私は思います。この力士は身長165cm、体重108.6kgでした。BMIは39.9です。一般的に考えればものすごい病的肥満です。しかし、力士では珍しくありません。

相撲界は肥満や糖尿病をどう捉えているのかよくわかりません。しかし、マスコミの報道は、糖尿病を力士の「職業病」と言っています。恐らく相撲界も仕方がないと思っているのでしょう。(ここ参照)この記事によると、

年齢や体形を問わず、糖尿病の治療をしている力士は少なくない。最高位が幕下だった30歳代の元力士は、体重100キロほどだったが、治療した経験がある。当時は力士20人以上の部屋に所属していたが、「ちゃんこの前に、何人もがそろってインスリンを打っているのが普通の光景だった」と振り返る。

「ちゃんこの前に、何人もがそろってインスリンを打っている」という異常な光景が普通なのです。恐ろしい。亡くなった力士もインスリンを使用していたようです。

スポーツ新聞ではこの亡くなった力士についての以前の不戦敗について、こんな見出しを付けています。(その記事はここ

珍事!低血糖障害で不戦敗

「珍事」で済むか?さらに内容が本当のことだとすれば、相撲界には本当に危機感がないのだと思います。

原因は2年前に患った糖尿病による低血糖障害だった。当日は取組前に「エナジードリンクとチョコ」を摂取したが、薬は飲んでいなかった。定期通院しておらず、自己管理不足がたたった。駆け付けた師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)からは「野菜を多めに取るとか、自分で考えてやらないとダメ。プロだから」と諭された。朝稽古前は食事しないのが角界の通例だが、特例も認めるという。

22歳にして糖尿病、糖尿病なのに取組前にエナジードリンクとチョコ、定期通院もしていない、師匠も「野菜を多めに摂る」とか、「プロだから」とか、本人も知識なければ、師匠も知識がなく、相撲界自体が知識不足です。日本相撲協会の専属の医師はいると思いますが、その医師が恐らく知識不足かもしれません。

今回の新型コロナの先ほどの記事の中で、力士を多数診察した経験を持つクリニックの院長の話として、

基礎疾患がある力士は大部屋から個室に移すなどの対策が望ましい

と書かれています。もちろん今の感染拡大中の対処としてはわからなくはないでしょうが、基礎疾患を作り出さないことの方がもっと重要です。肥満や糖尿病という基礎疾患は相撲界という世界で作り出されているのです。

中学を卒業して相撲界に入門。そのようなまだ何もわからない子供を預かる相撲界、相撲部屋には責任があります。自己管理、自己責任ではなく、相撲界が相撲以外の健康面などの教育をちゃんと行っているのかが問題でしょう。しかし、相撲界全体がもともとそのような教育を受けていない集団なので、何をどうしたらいいかがわからないのかもしれません。

しっかりと外部の人間を入れて改革するか、病気集団を作るような団体は無くしてしまうべきでしょう。

日本相撲協会の事業計画書には次のように書かれています。(ここ参照)

《公益目的事業》
「相撲文化の普及振興」を事業内容とし、本場所や地方巡業など相撲競技の公開、こ
れらを担う人材の育成や、青少年・学生等への指導普及、また相撲記録や相撲に関
する各種資料の保存及び活用を通じ、相撲文化の普及振興と国民の心身の向上を目
指します。

「国民の心身の向上」はおろか、自分たちの健康さえ蝕まれています。そんな団体が公益財団法人として国に認定されており、税制上の大きな優遇措置を受けているのです。

糖尿病は決して職業病ではありません。糖尿病が普通に起きる職業っておかしな話です。相撲界は異常な世界です。八角理事長は、

「1カ月以上の闘病生活、ただただ苦しかったと思いますが、力士らしく、粘り強く耐え、最後まで病気と闘ってくれました。」

とのコメント。もちろん、肥満や糖尿病だから、今回の感染で亡くなったとは断定はできません。しかし、肥満や糖尿病などの病気になる状況を放置した自分たちの責任を痛感すべきではないでしょうか。残念ながら、この人にこの問題が理解できているとは思えません。

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コメント

  1. NANA より:

    スポーツ選手である(はずの)力士の健康管理の問題については、まさにDr.Shimizuさんが指摘されるとおりだと思います。

    ブログ記事はツイッターでも紹介させていただきました。

    https://twitter.com/nana7770214/status/1260975634345422849?s=20

  2. 鈴木武彦 より:

    NHK朝のニュースに養老孟司先生が出演され、
    「ウイルスと人類(生物)は、共存してきた。
    新型コロナウィルスも闘う相手ではなく、共存していくしかない」とのお話、納得致しました。
    マスクや手洗いでもウィルスの侵入を防ぐことが
    不可能ならば、身体を丈夫にしておく事が
    大事なのでしょう。

    若い相撲取のコロナウィルス肺炎による死亡が報じられました。ご冥福をお祈りします。
    糖尿病が重篤化の要因との事。
    プロスポーツ選手は、限られた時間で最大限
    パフオーマンスを発揮する事が最優先され、
    行き過ぎた結果がドーピング。
    力士の食生活などは合法的なドーピンクのようなものではないのでしょうか。

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      1対1でぶつかるスポーツなのに階級が分かれていないのが不思議です。
      中学を卒業したばかりの無知な子供に、不健康な食事を強いるなんて異常です。力士本人は有害性を知りませんから。
      通常のドーピングの方が本人がその有害性を知っていて行っているとしたら、その方がましです。

  3. 太田 より:

    若い頃、思ったことがあります。中学を出たばかりで角界に入り、出世できなくて、20代で肥満、糖尿病の体で放り出されたら、どうやってやり直しいくのだろう?
    清水先生のようなご提言までは考えもしませんでしたが。
    やはり変わるべきは糖尿病学会と医師の方々ではないでしょうか。

    62歳の時に糖尿病重症でインスリンを1日4回打っていて、スーパー糖質制限で薬は全て無くなりました。
    最初の先生は35歳位で、糖質制限と分かる食事内容と血糖値を記録した私の拙いノートを見ながら、納得はしてられませんでしたが、血液検査の結果だけで対応していただきました。

    そして担当が代わられ50歳位の先生でした。どういう申し送りがあったのか分かりませんが、最初の会話です。

    「太田さん、これは治ってるわけではありませんよ」
    「それは承知しています。調子に乗ってイチゴを1パック近く食べると血糖値が180(mg/dl)越えになります。」

    「それは80kカロリー位ですが、それだけ上がるのなら、よほど高級なイチゴだったんでしょ。」

    間違いなく事実で、遠い昭和ではなくつい三年前の話しです。

    いずれ清水先生の「糖質過剰症候群」を当たり前のように多くの人達が語るようになるとは信じています。

    ただ、マイナス思考で生きて来た人間ですので、夜明けは遠いと感じています。

    • Dr.Shimizu より:

      太田さん、コメントありがとうございます。

      多くの医師は、薬や処置での治療を治療だと思っています。そうでなければ自分の存在意義がありませんから。
      医学教育はほとんど足し算の論理しか教えません。私自身も医者にはかかりたいと思いません。
      説明が面倒ですし、理解してもらえると思っていませんから。

  4. Kazu より:

    亡くなられた力士のご冥福をお祈りします。
    私は相撲を見るのは好きで、特に仕事を引退してからは、TV桟敷での観戦は楽しみの一つです。確かに最近の力士は「あんこ型」と言うのか、太った力士が目につきます。昔のVTRを見ると、今と比べ筋肉質で動きが鋭い取組みが多いように思います。たくさん食べて体重を増やせと指導されているようですが、糖尿病で苦しんでいる力士が多いとの話はよく聞きますね。そこで相撲協会に提案したいのですが、糖質制限部屋を設立しては如何でしょうか?いつも思っているのですが・・・。
    そうすれば、消滅を免れる可能性があります。

    • Dr.Shimizu より:

      Kazuさん、コメントありがとうございます。

      「糖質制限部屋」・・・無理です(笑)
      消滅するかどうかというより、現在の無知な力士がかわいそうです。大人なんだから自分で考えれば良いと思うかもしれません。
      ほとんどが現在は年齢的には大人ですが、中学卒業して、視野の狭い世界に入り込んでしまい、何も教えられていません。
      フォアグラでさえ「残酷」「虐待」と非難している人がいますが、10代の子供を病気にリスクがあるのに無理やり太らせることは問題ないのでしょうかね?

  5. 鈴木 武彦 より:

    最優秀の学生は当然医学受験、目も眩むほど荘厳でりっぱな病院の建物。

    救急医療や産科、小児科等、なければやはり困る診療科もあれば、生活習慣病に対して
    漫然と「治療」という名の処方をするばかりの医師も、(失礼ですが)確かにいらっしゃいます。
    無駄なもの、無用な物は世の中には多いですが、医療にも当てはまる部分は多いと感じています。