高齢者に心臓病の予防目的でスタチンを使うと、逆に死亡率が上がってしまいそうです。
JAMA Internal Medicineによると、コレステロール低下薬であるスタチンを飲んでも、65歳以上の心臓病を持っていない人にはメリットがないばかりか、命が縮んでいるように思えます。(原文はここ)
ALLHAT-LLT無作為臨床試験で得られたデータでは、65歳以上の心臓病のない人々のためのスタチンの使用に関する懸念が提起されています。この研究は、心臓病のない2,900人弱のプラセボ対照試験で、半分はスタチン製剤であるプラバスタチンを毎日40mg内服する群と、残りの半分は通常のケアを受けました。結果は65歳以上の74歳未満の人々において、スタチン群では通常のケア群よりも死亡率が多かった(141対113)のです。これは、75歳以上の人でも同様でした(それぞれ92人の死亡対65人の死亡)。心血管イベント全体の割合は、スタチン群と通常のケア群(76対89)および75歳以上(31対39)とスタチン群の方がわずかに低かったです。
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統計的には有意差はないのですが、スタチンで死亡率が上がるのは、かなり強い傾向があります。
少なくともメリットはありません。
他にもYaleの心臓専門医のHarlan Krumholzのツイートしたものにも、次の画像がありました。American College of Cardiology conferenceで発表されたもののようです。
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一生懸命にLDLコレステロールを下げても、結果は大してメリットはありません。原因は他に探すべきです。スタチンをもう止めても良い方もいっぱいいるのではないでしょうか?