脂肪肝ではビタミンDが低下する

ビタミンD欠乏は健康にとって問題を引き起こす可能性を高めますが、ビタミンDを摂取していれば安心なのでしょうか?私は、肥満や高血糖、インスリン抵抗性、そして特にそれに起因する脂肪肝がビタミンD濃度を低下させているのでは?と考えています。

つまり、いくら食事であっても、サプリメントであってもビタミンDを摂取したからと言って、それが体に有効な作用を及ぼすかどうかは別の問題であると考えられるのです。

以前の記事「血中のビタミンD濃度は日本人のがんのリスクと関連するかもしれない?」で書いたように、血中のビタミンDの濃度とがん、特に肝臓がんとの関連が認められています。ビタミンDと肝臓の関わりは非常に強いと思われます。肝臓の機能に問題があれば、いくらビタミンD摂取量を増やしても、血中の濃度は増加しないのではないかと考えられるのです。

食物により摂取された、または皮膚で合成された不活性型のビタミンDは、まず肝臓で代謝され、さらに腎臓で代謝されて活性型のビタミンDに変化します。つまり、肝臓に問題があるとそもそも有効性のあるビタミンDが非常にできにくくなるのです。(ただし、不活性型ビタミンDも活性があるのでは?と考えている研究もあるようですし、肝臓以外のビタミンDを代謝する臓器もあります。)

逆に言えば、肝臓を良好な状態にすれば、敢えてサプリメントを摂らなくても、通常の食事や日光によるビタミンDで十分であると思われます。

ビタミンDが疾患を招くのか?疾患がビタミンDを招くのか?鶏が先か卵が先か?

今回の研究では、体重を減少させて、脂肪肝を改善したら、ビタミンDの摂取量が減ったのに、ビタミンDの血中濃度は増加したことを発表しています。

「Vitamin D deficiency in non-alcoholic fatty liver disease: The chicken or the egg?」

「非アルコール性脂肪肝疾患におけるビタミンD欠乏:鶏が先か卵が先か?」(原文はここ

要約

背景と目的
血清中のビタミンD濃度は、非アルコール性脂肪肝疾患の患者で減少する。肝疾患におけるビタミンD欠乏のメカニズムは完全に理解されていないが、ビタミンDサプリメントの有益な効果を示唆する報告がいくつかある。本研究では、脂肪肝患者におけるビタミンD摂取量の減少を伴う全カロリー制限後の血清25-ヒドロキシビタミンD濃度および臨床的なパラメーターの変化を調べた。

結果
平均の血清25-ヒドロキシビタミンD濃度は13.0ng/mlであった。29人の患者(35.4%)が重度のビタミンD欠乏であった。25-ヒドロキシビタミンD濃度が10ng/ml未満の患者では25-ヒドロキシビタミンD濃度が10ng/ml以上の患者と比較して、腹部肥満のリスクが増加(72.4%対47.2%)し、メタボリックシンドロームの高い罹患率(69%対42.2%)が高かった。プログラム中に総エネルギーとビタミンDの摂取量は減少したが、脂肪肝患者の血清25-ヒドロキシビタミンD濃度は増加した。ビタミンDの摂取量が減少したとしても、肝酵素および代謝パラメータも改善した。血清ビタミンD濃度は、ビタミンD摂取量の減少とは無関係に、体重および肝臓内脂肪の減少と共に増加した。

結論
ビタミンDを追加することなしに、体重減少により血清ビタミンD濃度は増加し脂肪肝の代謝パラメータが改善する。

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