果糖は乳がんの細胞増殖を増加せてしまうかもしれない

先日、たがしゅう先生が、75g果糖負荷試験というのを行っていました。果糖は大量に摂取すると吸収されず、様々な胃腸の症状が出現します。それにもめげず非常に貴重なデータを公開していただき感動しています。この胃腸症状に関してはいつか記事にしようと思っていますが、今回は果糖の別の話題です。

果糖を運ぶ輸送体はグルコーストランスポーター(GLUT)と言われるものの中の、GLUT5です。このGLUT5が乳がんと関連しているのです。

GLUT5は正常な乳腺上皮細胞ではほとんど発現しないのですが、乳癌細胞では多量のGLUT5が発現し、高い果糖の輸送速度を示すというのです。果糖が、腫瘍細胞の増殖および増殖に必要なエネルギーを提供する好ましい基質であり得ることを示します。恐らくGLUT5の増加させて、乳がん細胞がフルクトースを優先的に利用しようということであると思います。

そうであるとすると、乳がん患者さんは砂糖(砂糖の半分は果糖です)をはじめ、異性化糖、フルーツなど果糖を含むものの摂取を厳しく制限すべきかもしれません。しかし、恐らく病院食では果糖を排除はしていないでしょう。完全なメカニズムが解明されたわけではないので、そのような対応なのかもしれませんが、せめて患者さんが選択できるようにしてほしいものです。

ただ、果糖は肝臓で速やかに代謝されてしまうので、果糖のまま血液をめぐるのは非常に微量です。がん細胞は別のメカニズムを持っていて(例えば、ポリオール代謝経路の活性化など)、果糖の量を増やすことができるのでしょうか?なぜ、GLUT5を増やしているのでしょうか?わからないことは多いです。

「糖質はがんのエサ」と言われていますが、その中でも果糖は乳がんの大好物なのかもしれません。糖質制限は必須です。

「Expression of the fructose transporter GLUT5 in human breast cancer」

「ヒト乳がんにおけるフルクトーストランスポーターGLUT5の発現」(原文はここ

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