食事や栄養の研究結果は、いい加減であることが多い?

栄養、食事の研究は非常に難しいものがあります。それはどうしても正確なデータが得られにくいからです。以前の記事「糖質を制限すると寿命が縮まる? 冗談のような研究」でも書いたように、多くの食事に関するデータは質問票を使ったアンケートで行われ、自己申告によるデータになってしまいます。例えば下の写真のような質問票が使用されます。

このようなアンケートを思い出しながら書き込みます。しかし、ちゃんと覚えていて書いている人の方が少ないでしょう。だから、上の記事に書いた研究の様に、アメリカ人なのに1日のエネルギー摂取量が1600kcalという非常に少ないエネルギー量のデータしか得られないことも起きてしまうのです。1600kcalでBMIが28なんて考えられません。

今回取り上げる研究は、砂糖の主成分であるショ糖(スクロース)の摂取量と過体重の関連性を調査したものですが、食事や栄養の研究のいい加減さを見事に表しています。

39~77歳の男女1734人を対象として、ショ糖摂取量を自己申告の7日間のダイエット日記を用いて評価しました。また、尿中のショ糖と果糖を分析し、比重によって調整されたショ糖濃度をショ糖摂取量の評価のバイオマーカーとして使用しました。3年間の追跡後、BMIとショ糖摂取量は下の図のような関連を示しました。(図は原文より)

図の横軸はショ糖摂取量を5分位に分けて、少ない方からQ1、最も多いのがQ5としています。縦軸は過体重になるリスクを示しています。1以上でリスクが高くなり、1以下はリスクが低くなると考えてください。■が自己申告(7日間のダイエット日記)、●が尿を使ったバイオマーカーによるグラフです。

そうすると、ショ糖摂取量の増加と尿のバイオマーカーとは有意に正の関連があったのですが、自己報告のデータでは、逆の関連を示しました。つまり、ショ糖摂取量が多いほど痩せるというデータになってしまったのです。何を指標にして評価したかで全く逆の結果になるのです。

人間の生理学的事実と照らし合わせれば、当然ショ糖は血糖値を上げ、インスリンをたくさん分泌させます。そうすると脂肪が蓄積し、体重が増加することは疑問の余地はないでしょう。しかし、自己申告の場合にはそのような生理学的事実とは反対の結果が出てしまうのです。
つまり、これほど食事の研究というのはいい加減であり、難しいものなのです。だから、そのまま結果を鵜呑みにしてはダメなのです。

結果と生理学、生化学、医学的事実と照らし合わせて考えて、問題がないかどうかが重要なのです。食事や栄養の研究でも、できる限り自己申告が事実に近くなるように頑張っている研究もあります。

いずれにしても上のようなアンケートを1回か2回行っただけの研究は、全く信用はできません。

「Association between sucrose intake and risk of overweight and obesity in a prospective sub-cohort of the European Prospective Investigation into Cancer in Norfolk (EPIC-Norfolk)」

「ノーフォークにおける欧州の前向き調査の前向きサブコホートにおけるショ糖摂取と過体重および肥満のリスクとの関連」(原文はここ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする