ランニングで故障しやすい走り方とは?

私もこれまでに何度も脚の故障を経験しています。ランナーの約50%が毎年故障するという報告もあります(本当でしょうか?)。故障の多くは再発率が高いことが知られており、約30〜90%でトレーニングを減らすかまたは中止をしなければならなくなると言われています。

自分では楽な走り方が適切なフォームかどうかはわかりませんが、しかし、フルマラソンのレース中にずっと同じフォームで走り切ることも難しい場合もあります。フォームを意識して走ると非常に走りづらく、ストレスになります。しかし、それを無意識にできるようになると速く走れるのかもしれません。

いずれにしても、自分で自分のランニングフォームがどうなっているのかはわかりません。写真や動画で確認する以外にはありません。

脚を故障しやすい走り方の特徴はどのようなものでしょうか?

膝蓋大腿痛、腸脛靭帯炎(腸脛靭帯症候群)、MTSS(Medial Tibial Stress Syndrome 、脛骨過労性骨膜炎、いわゆるシンスプリント)、アキレス腱障害というランナーに一般的な傷害を起こしている人と故障のない人を比較しました。(図は原文より)

How poor technique contributes to majority of running injuries

上の写真のaが故障したグループ、bが故障なしのグループの走り方です。すると、故障したランナーには共通した走り方の特徴がありました。故障のないランナーと比較して、故障したランナーは膝関節が伸びていて、足関節は背屈(上側に反っていて、よりつま先が上を向いている)していました。そして上体は前傾をしていました。

How poor technique contributes to majority of running injuries

次に後ろから見た写真です。同様にaが故障したグループ、bが故障なしのグループの走り方です。故障したグループは着地した脚の反対側の骨盤が下がり、着地した脚の股関節は内転していました。故障のリスクへの影響は、反対側の骨盤の下がり、股関節内転、および接地時の膝屈曲度合いが大きな影響を示していました。接地時の上体の前傾、足関節の背屈は中等度の影響がありました。

フットストライクパターン(つま先着地やかかと着地など)は有意な影響がありませんでした。健康なグループでは、17人がつま先着地で19人がかかと着地でした。故障したグループでは、27人がつま先着地で45人がかかと着地でした。

上の図はA、Bが反対側の骨盤の下がり、C、Dが股関節の内転です。AとCは健康なグループと故障グループを比較しています。左のグラフが健康、右が故障者です。明らかに故障グループの方が反対側の骨盤の下がりが大きく、股関節の内転も大きいことがわかります。BとDは故障グループの中での比較です。故障グループの中で見ると、反対側の骨盤の下がりは故障の種類によって差はありませんでした。股関節の内転は腸脛靭帯炎よりも膝蓋大腿痛とMTSSで有意に内転をしていました。

最終的な全体的な運動学的な変数は最初の接地時の膝関節の屈曲および足関節の背屈と、接地中の上体は前傾と反対側の骨盤の下がりでした。最も重要な変数は反対側の骨盤の下がりで、1度増加するごとに故障のグループに分類される確率は80%増加していました。また膝の屈曲は1度増加するごとに故障のグループに分類される確率は23%減少しました。

つまり故障したランナーは、接地時に膝が伸びており、足首は背屈し、反対側の骨盤が下がり、上体は前傾していたのです。

ランニングの指導者により、足の接地を1本の線の上を走るのが正しいと言う人と、2本のレールの上を走るのが正しいという方がいます。完全な1本の線上に足を左右交互に着地する1軸走法だと、上の写真の股関節の内転が大きくなります。つまり、故障しやすい走りです。左右の脚は骨盤の下に付いているわけではなく、横に付いています。しかし、足の構造はやや大腿骨が内側に向いています。ですから、2本のレールを走る走法の方が無理がない動きなのですが、非常に狭い間隔の2本のレールです。

そして、足先は前に投げ出すのではなく、重心の真下に足を下ろすように膝を曲げた方が故障しにくいことになります。膝が伸びて足を前の方に出して、足関節を背屈させると、思いっ切りかかと着地になってしまいます。

状態は前傾ではなく、胸を張って真っすぐになるようにした方が良いということになります。

そして、一番故障に関連する、反対側の骨盤の下がりをできる限り少なくして、常に骨盤の角度は地面に水平に保つように走るのが最も故障しにくい走りだということになります。

明らかにこの走り方、「誰も教えてくれなかったマラソンフォームの基本」という本に書かれている走り方に非常に近いです。著者は漫画家の方ですが、非常に研究され、今回示したような医学的裏付けもある走り方です。

今回の研究で、このランニングフォームは速く走る走り方ではなく、あくまで故障しにくい走り方です。ランニングエコノミーなども考慮していません。速く走るにはその人それぞれの好みの走り方の方が良いかもしれません。ただ、上で紹介した本では、このランニングフォームが速く走れるフォームの基本だと書いているので、スピードも上がるかもしれません。私はランニングフォームを変えたときにスピードは速くなったのですが、故障してしまいました。もしかしたら間違ったフォーム改造になってしまった可能性はあります。速くなっても、故障したら残念ですから、故障しないフォームで速く走るように練習するのが理想的でしょう。

一度自分で動画などを撮ってみて、自分の走り方を研究してみるのも良いかもしれません。

「Is There a Pathological Gait Associated With Common Soft Tissue Running Injuries?」

「ランニング傷害を伴う一般的な軟部組織に関連する病理学的走行はありますか?」(原文はここ

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