高タンパク食は腎臓に悪影響がないばかりか糸球体濾過量(GFR)を増加させる

いまだにタンパク質が腎臓に悪いと思っている人がいますが、これでもうおしまいにしましょう。

タンパク質は非常に重要です。脂質と共に人間の最も重要な栄養素の一つです。しかし、タンパク質の摂りすぎは腎臓に悪影響をもたらすと信じられてきました。しかし、厚労省の食事摂取基準でもタンパク質の摂取上限はなく、過剰摂取で健康被害を認めるような十分な証拠はないと言っています。

また、アメリカの糖尿病学会でも糖尿病性腎症であっても低タンパク食を推奨していません。

しかし、日本人は思い込みが強いのか、いまだにタンパク質は腎臓に良くないと思い、医師であってもそのように言う人もいます。

今回は高タンパク食と低タンパク食または中程度のタンパク食で腎機能を比較したメタアナリシスです。糸球体濾過量(GFR)で比べています。GFRとは、腎臓のフィルターの役目を果たす糸球体が1分間にどれくらいの血液を濾過し尿をつくれるかを表す、腎機能の評価として一般的に使われているものです。

ここでの高タンパク食の定義は、1日に体重1kgあたり1.5g以上、または1日のエネルギー摂取量の20%以上、または1日に100g以上としています。低タンパク食は、高タンパク食の1日のエネルギー摂取量のタンパク質の占めるパーセントよりも5%以上少ないものとなっています。最終的に28の研究を分析しています。(図は原文より)

上の図は両方とも健康な成人で低タンパク食と比較して高タンパク食でGFRがどうなるかを示しています。真ん中の線より右側であれば高タンパク食の方がGFRが高くなることを示しています。左側であれば低タンパク食の方がGFRが高くなることを示しています。ほんの少し真ん中より右側ですね。つまり、高タンパク食の方がGFRが高くなるのです。

上の図は横軸が1日の体重1kgあたりのタンパク質の摂取量です。Aの縦軸はGFRであり、Bの縦軸はGFRの変化量です。

そうすると、タンパク質の摂取量が多くなるほど右肩上がり、つまりGFRが増加することがわかります。

腎臓疾患のリスクが高いことを考慮すると、2型糖尿病の人での部分分析を実施しましたが高タンパク食および低タンパク食の間でGFRには差がありませんでした。

平均すると、低タンパク食は1日に体重1kgあたり0.93g程度で、高タンパク食はそのほぼ2倍の1.81gでした。慢性腎疾患のない人のタンパク質の摂取量の違いによる影響はほぼ無いか、GFRで見る限り、タンパク質が多いほどやや腎機能が良くなる結果となりました。

以前の記事「糖質制限は腎機能に有益?有害?」でも、糖質制限でタンパク質摂取量が増加しても問題が無いことや、かなり進行しつつある腎不全が糖質制限で改善した症例を示しました。

私は通常1日に体重1kgあたり2g以上だと思います。

高齢者では筋肉の維持が非常に重要です。腎機能に良くないという思い込みで肉を積極的に食べない人もいます。

タンパク質は非常に重要です。もうタンパク質を制限する必要はありません。モリモリ肉や魚や卵を食べましょう。

「Changes in Kidney Function Do Not Differ between Healthy Adults Consuming Higher- Compared with Lower- or Normal-Protein Diets: A Systematic Review and Meta-Analysis 」

「腎機能の変化は、より低または通常のタンパク食と比較してより高タンパク食を消費する健常成人と違いはない:体系的なレビューおよびメタ分析」(原文はここ

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