インフルエンザワクチンは高齢者の死亡率を低下させない

私はインフルエンザワクチンの効果には疑問を持っています。高齢者はハイリスク群と考えられ、ワクチン接種が推奨されています。しかし、本当にワクチンは高齢者の死亡率を低下させるのでしょうか?

アメリカにおける高齢者(65歳以上)の間のインフルエンザワクチン接種率は、1980年以前の15%から20%の間から2001年には65%まで増加しました。では、インフルエンザ関連死亡率や総死亡率はどうなっているのでしょうか?(図は原文より)

上の図は1968年から2001年までの65歳以上の人における季節的な肺炎およびインフルエンザによる超過死亡率(左側)および全死因死亡率(右側)です。黒丸は過剰死亡率の3年間の移動平均を示し、緑色の線はインフルエンザ予防接種率を示しています。Bは年齢の調整、および優勢なインフルエンザウイルスのタイプの調整により、肺炎およびインフルエンザによる超過死亡率および全死因死亡率です。赤い四角は、インフルエンザA(H3N2)ウイルスが優勢を占める季節の死亡率を示しています。青い三角はインフルエンザA(H1N1)および/またはBウイルスが優勢な季節です。

上の図は年齢により分類したものです。上から順に45~64歳、65~84歳、85歳以上です。

いずれの結果も1968年から1980年の初め頃にかけて死亡率が低下していますが、これは恐らく免疫を獲得したことによるものでしょう。ワクチン接種とは何ら関連していません。その後、1980年代中ごろからどんどんワクチン接種率が増加していますが、死亡率は変化していません。つまり、ワクチンはインフルエンザの季節の肺炎やインフルエンザによる死亡、全原因死亡を全く低下させていません。

同じような研究がイタリアからも出ています。(図は原文より)

上の図はイタリアの1970年から2001年のシーズンにおける、年齢調整をした65歳以上の高齢者における年齢別の季節的な超過死亡率を表しています。左側が10万人当たりの季節的な肺炎とインフルエンザによる超過死亡率で、右側が全死因死亡率です。 aとbは65〜74歳、cとdは75〜84歳です。 eとfは85歳以上の人々の未調整の超過死亡率です。 赤い点は、インフルエンザA(H3N2)ウイルスが優勢な季節を示し、青い四角はインフルエンザA(H1N1)および/またはBウイルスが優勢な季節を示します。 黒い実線は65歳以上の人々のインフルエンザワクチン接種率を示し、赤い線は全シーズン(aとb)とA / H3N2のみのシーズン(cとd)の3年間の移動平均を表します。

アメリカの結果と同じで、ワクチン接種率の増加は死亡率低下と関連していません。それどころか、75歳以上ではこのグラフの細菌の10年間ぐらいでは増加傾向に転じているように見えますし、85歳以上では明らかに死亡率が増加しているのです。つまり、85歳以上のワクチン接種は有害である可能性があるのです。

本当に高齢者にインフルエンザワクチン接種は必要なのでしょうか?

以前の記事「インフルエンザワクチンのH3N2に対する効果は非常に低い」で書いたように、現在のワクチンの生産法では突然変異が起きているので、H3N2のインフルエンザウイルスに対する効果は非常に低いことがわかっています。

ところで、タミフル内服後の異常行動について、子供だけの問題ではありません。私の知るところでは、最高齢で94歳の女性で、タミフル内服後に明らかな異常行動を認めています。もちろん、タミフルが原因と特定は困難ですが。

以前の記事「タミフル、インフルエンザの薬による異常行動」のデータでは、10代までの比較的若い人に多い印象を与えます。しかし、90代の人でも起きることを認識しておく必要があります。厚労省のデータは「勤労統計」の不正問題からもわかるように、国から出される統計などのデータは国民を騙すアイテムに過ぎない場合があります。(関連記事はここ

以前2007年のタミフル異常行動の研究班の人に、製薬会社から6000万円のお金が渡っていた(関連記事はここ)ことを考えると、現在でも厚労省から事実が伝えられているかどうかは非常に微妙です。

子供だけでなく、大人や高齢者でも異常行動の危険は否定できません。もちろんインフルエンザそのものでも異常行動は起きる可能性はあるでしょう。しかし、私は薬でそのリスクが高まると考えています。

一人暮らしの方は誰もいない状態でインフルエンザの薬を服用しなくてはなりません。大人であれば敢えて異常行動のリスクは説明されないでしょう。自分は大丈夫だという自信がありますか?90代でも(90代だから?)異常行動は起きるのです。

高齢者の施設や病院では恐らく本人の意思とは別に、きちっとした説明もないままにインフルエンザの薬を投与されるでしょう。65歳以上の高齢者はハイリスク群と位置づけされています。

兵庫県淡路市の養護老人ホームでインフルエンザの集団感染で7人が亡くなったことで、当初職員だけにインフルエンザの薬の予防投与を行っており、入居者には予防投与を行っていなかったことがわかり、批判を受けています。(関連記事はここ)しかし、予防投与でインフルエンザ検出は減少しますが、インフルエンザ感染は減少はしないでしょう。本当の安全性は確認されていません。

予防投与を受けた医療従事者215人のうち、何らかの有害事象があったと回答した人は82人いた、という報告もあります。最も多かったのは30人近くが訴えた疲労で、そのほか、下痢、嘔気、傾眠、腹痛、食欲不振、嗜眠、頭痛、不眠症、発熱などが見られました。(関連記事はここ

ただでさえ体力的に低下している高齢者が上記のような症状でさらに体力が低下することも考えられます。本当に予防投与が安全なのか?効果があるのか?きちっとしたデータがありません。その状態で、予防投与をしなかったことがそこまで非難されることなのでしょうか?

逆に、兵庫県淡路市の養護老人ホームでインフルエンザの集団感染で亡くなった高齢者は恐らくインフルエンザを発症後、抗インフルエンザ薬を投与されているでしょう。そうすると、薬で死亡してしまった可能性は否定できるのでしょうか?つまりインフルエンザそのもので亡くなったのか、抗インフルエンザ薬の影響で亡くなったのかは不明です。現在のところタミフルのインフルエンザの合併症の肺炎を予防する効果は科学的に証明されていません。

インフルエンザ脳症も一時期頻繁に報道されました。しかし、インフルエンザ脳症の研究はほとんど行われていません。厚労省もデータさえまともに集めていないでしょう。恐怖心は十分に植え付けることができたので、洗脳は終わりと考えているのかもしれません。インフルエンザ脳症という言葉だけが勝手に独り歩きしてくれます。ワクチンや抗インフルエンザ薬が脳症の発生を低下させるというエビデンスもないのに、勝手に一般の人はワクチンや薬の効果を期待してくれます。

インフルエンザは巨大なビジネスです。膨大な利益を生みます。重要な統計で不正を平気で行っている国の情報を信じますか?

Impact of influenza vaccination on seasonal mortality in the US elderly population.

米国の高齢者集団における季節的死亡率に対するインフルエンザワクチン接種の影響」(原文はここ

「Influenza-related mortality in the Italian elderly: no decline associated with increasing vaccination coverage」

「イタリアの高齢者におけるインフルエンザに関連した死亡率:予防接種率の増加に関連した減少なし」(原文はここ

2 thoughts on “インフルエンザワクチンは高齢者の死亡率を低下させない

  1. 厚生労働省のHPではインフルエンザ総合対策として予防接種を推奨していますが、本当に効果があるのかはデータが見つからないのでわかりませんでした。しかし予防接種によって異常行動などの副作用の実例があり、効果も不明であれば毒物の接種を推奨している可能性もあります。これでは国が日本国憲法に基づき国民の生命を守る責任を果たさず、税金を使うならその効果を国民に説明していないと思います。今の状況では先生がおっしゃるとおり、国が不正統計をしている状況では信用できないので、自分で勉強して判断する必要があると思っています。

    1. ゆでたまごさん、コメントありがとうございます。

      インフルエンザのワクチンだけはどうしてもビジネスの匂いがしてしまいます。
      そもそもインフルエンザは死亡率の高い怖い病気ではありません。死亡率を高く見積もって、恐怖心を煽っていますが、
      そのデータも怪しいでしょう。

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