朝食を摂るか摂らないか?朝食の利点はないかもしれない

朝食を食べることが健康的であるとずっと言われてきました。朝食を食べないと力が出ないとか、頭が回らないとか、ということも言われてきました。しかし、糖質制限が広まるとともに、食事回数についても様々な疑問がもたれ、食事回数を減らす人も増加しました。糖質制限をしていると朝食を食べなくてもエネルギーに満ち溢れていますし、頭も良く回転します。

また、以前の記事「血糖値スパイクを抑えるセカンドミール効果は本当か?」で書いたように、朝食はセカンドミール効果により、昼食後の血糖値スパイクを抑える働きがあるかのように言われていますが、所詮糖質過剰摂取の問題であり、糖質制限食であればセカンドミール効果は関係ありません。

更に朝食を食べないと、その後非常にお腹が減り、食べ過ぎて過剰なエネルギーを摂取してしまい、結局は体重が増加するということも言われてきました。しかし、本当でしょうか?

今回の朝食摂取と体重や摂取エネルギーの13の研究のメタアナリシスによると、どうやら朝食を食べることの利点はあまりないようです。(図は原文より)

7つの研究で朝食と体重に関連を調べていて、10の研究でエネルギー摂取量との関連を調べていました。上の図は朝食を食べることによる体重変化です。朝食を摂らない場合と比較して、わずか0.44kgではありますが、朝食を摂った方が体重が増加しています。

上の図は朝食を食べない人と比較して朝食を食べる人の1日の平均エネルギー摂取量の差です。平均差259.79kcal /日にもなります。

朝食の摂取が体重減少を促進する、または朝食を摂らないことにより体重増加につながるという仮説を裏付ける証拠は見つかりませんでした。朝食を食べないことで、過剰なエネルギーを摂取するという証拠もありませんし、逆にエネルギー摂取量は減少します。

朝食を食べないと代謝が落ちて、体重が増加するという人もいるようですが、これもエビデンスはなく、今回の4つの研究で代謝率の差を分析していますが朝食を食べるかどうかで代謝に差は認めませんでした。

レプチン、グレリン、グルカゴン、アディポネクチン、グルコース、インスリンおよびHOMA-IRなどのホルモンも有意差はなかったのです。

さらに、5つの研究では、朝食を摂った後と摂らなかった後に身体活動のレベルが変化したかどうかについて報告しました。3つの研究では、身体活動に有意差がないことが報告されています。2つの研究で、朝食の摂取は、特に朝の間に身体活動の増加と関連していることがわかりました。しかし、毎日の身体活動からの総熱発生量は、朝食摂取と朝食を食べない人では有意な差はありませんでした。

毎日3食しっかり食べて、体重が増加しているのであれば、朝食を飛ばすことは良い影響があるかもしれません。テレビなどで朝食を摂ることを強く勧めているのは、ビジネスが絡んでいるからです。現在のところ医学的に朝食を食べる利点は確認されていないばかりか、悪影響をもたらす可能性もあります。

今回の研究が朝食は有害であるという証拠ではありませんが、一般的に言われていることはエビデンスに欠けているという証拠になります。

もちろん、朝食を抜かなくても、朝食を食べて昼食を抜いても良いです。私は色々な制約があり、そうしています。食べない時間帯が多い方が良いと思います。

しかし、食事の回数よりも、まずは食事の内容です。糖質制限を始めると自然と食事回数も減る方が多いです。

「Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials」

「体重とエネルギー摂取量に対する朝食の影響:無作為化対照試験の系統的レビューとメタ分析」(原文はここ

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コメント

  1. 西村典彦 より:

    私は糖質制限1年9か月になりますが、糖質制限を始めたころ、体に軽快感があり、足取りが非常に軽くなりました。しかし、最近その軽快感が薄れているのが気になっていました。

    食事は、朝食をしっかり(多い時は1000kcal以上)とるようにしていましたが、最近、朝の食欲があまりない日が多くなり(体調が悪いわけではありません)、朝食をリンゴ酢炭酸割りやMCTオイルコーヒーとヨーグルト程度にしてみました。
    すると、意に反して以前のような軽快感が戻ってきました。食べない方が元気なのは非常に不思議です。頭脳もスッキリ感が上がっています。

    因みに朝食時の食欲減退は、夕食時にオリゴ糖を入れたリンゴ酢を飲むようになってから顕著です。
    考えてみると、オリゴ糖(腸内細菌の餌)とリンゴ酢(短鎖脂肪酸による腸管上皮細胞のエネルギー)で腸内環境が整えられ(便通も良くなっています)、腸内細菌により産生されるエネルギーで充足したため、朝食でエネルギーを取る必要がなくなったのではないかと考えています。

    糖質依存のころには気づけなかった細かな体調の変化に気づくようになり、また適切に対処すれば、結果が出やすくなり、体は食べたものでできている、そして体は必要なものだけを欲している(不要な時は生理的に食欲が減退する)ことを非常に実感するようになりました。以前は、食欲がないとどこか悪いのではないかと言うふうに考えていましたが、今は、それは不要だからだと感じることができるようになりました。

    • Dr.Shimizu より:

      西村典彦さん、コメントありがとうございます。

      仰る通りそれほど多くの食事量、回数は必要ないのかもしれません。
      必要なエネルギー摂取量についても、糖質過剰摂取が前提のものです。
      糖質制限をしていれば、必要なエネルギーさえもっと少なくて良いのでは?と思います。