脂質と糖質同時摂取で糖質の吸収が緩やかになる?血糖値とインスリン その3

以前の記事「脂質と糖質同時摂取で糖質の吸収が緩やかになる?血糖値とインスリン その1」「その2」でも書いたように、確かに脂質と糖質同時摂取で血糖値のピークは下がりそうです。しかし、だからと言って安心できません。それはインスリンの追加分泌総量は全く減少しないからです。

今回の研究は、健康な人を対象としています。ポテト50g+3種類(ラード、オリーブオイル、サフラワー油)の脂質25gを摂取した時の血糖値とインスリン値を見てみましょう。3種類の脂質は飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の割合が大きく違います。(図は原文より改変)

上の図はラード、オリーブオイル、サフラワー油を摂取した時の血糖値とインスリン値を示しています。これまでの研究と同様に、脂質と糖質の同時摂取で、確かに血糖値のピークの低下は認められます。吸収が緩やかになったのかどうかははっきりしませんが、ピークの時間は脂質を摂っても摂らなくてもあまり変化はありません。ただ、脂質を同時摂取した方が血糖値の下がり方がやや緩やかに見えます。そして、インスリンの下がり方は明らかに脂質同時摂取で緩やかです。つまり、ダラダラとインスリンが分泌され続けているのです。

健康な人で、脂質と糖質の同時摂取でのメリットは血糖値のピークの値が低下することです。それはそれで意味があることです。しかし、インスリン追加分泌の量は減少せず、さらに長時間インスリン分泌が続くことから、体重減少には全く結びつかないと考えられます。逆に体重増加の方向になるでしょう。そしてこのようなことは脂質の種類によるものではなく、一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸が多くても何ら変わらないように見えます。

その2で書いたように、糖尿病の場合は脂質同時摂取で、血糖値スパイクのピーク値もさほど低くはならず、インスリンの分泌量は逆に増加する可能性もあります。

糖質制限が基本だと思います。

「The degree of saturation of fatty acids in dietary fats does not affect the metabolic response to ingested carbohydrate」

「食事の脂肪中の脂肪酸の飽和度は、炭水化物摂取に対する代謝反応に影響を与えない」(原文はここ

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