赤字で示したのが本来のビールである、原材料が「麦芽とホップ」だけのビールです。こうして見てみると、日本のビールには混じっているものが非常に多いことがわかります。特にそれぞれの企業の売り上げが多いものの中にも混じり物が入っているのです。本当のビールは「麦芽とホップ」だけで作られていますが、日本では恐らく日本人好みの味にするため「米、コーン、スターチ」という糖質を添加しているのです。「米、コーン、スターチ」は当然糖質なので、血糖値を上昇させます。ただ、どれぐらい入っているかはわかりません。

日本食品標準成分表2015年版（七訂）でもビールには炭水化物が１００ｇ当たり３ｇほど入っている記載になっていますが、別の炭水化物だけの表の利用可能炭水化物はほぼゼロですから、差し引きでは炭水化物が３ｇ程度で、実際の成分分析ではゼロということです。この表で分析したビールがどの銘柄のビールなのかはわかりませんが、一応純粋な麦芽とホップだけのビールと考えると、「米、コーン、スターチ」を含むものは当然、利用可能炭水化物が測定されるはずです。どれぐらいかはわかりませんが。

ですから、ビールを解禁するとしても混じり物のないものを選んだ方が良いと思います。

それにしても、ビールに対するそれぞれの企業の姿勢がわかりますね。

アサヒビールはほとんど混じり物ビールです。日本人の味に合わせて売り上げを伸ばすためでしょう。以前「糖質５０％オフのビール」ということでお勧めした「ザ・ドリーム」もスターチを含んでいます。一方、サントリービールは全く逆で、全てが純粋なビールです。売り上げでは恐らくサントリーはあまり良くないかもしれませんが、非常に好感が持てます。これからもその姿勢を崩さないでほしいですね。

サッポロビールはブランドで分けているのか、さすがエビスビールは本物のビールです。しかし、サッポロビールブランドの方は多くは混じり物ビールです。

キリンビールの一番搾りはもともとは麦芽とホップだけでしたが、最近「○○づくり」という名前で、いろいろな地方の名前を付けて販売しているものがあります。それらは工場によってなのか、混じり物のビールもあるのです。同じ一番搾りという名前を付けながら、本物のビールと偽物ビールを同時に販売しているところが、気に食わないですね。裏の表示を見て買いましょう。

コーンやスターチを含むものは糖質であり、血糖値を上げる可能性がある以外に、大きな問題があります。それはコーンはもちろん、スターチもトウモロコシを原料としていることです。トウモロコシのほとんどが遺伝子組み換え作物です。ですから、いつの間にか遺伝子組み換え作物を口にしてしまっている可能性が高くなるのです。コーン、スターチは遺伝子組み換え食品の表示義務がありません。企業は利益を追求するためには安い遺伝子組み換え作物を入れている可能性は十分考えられます。

２０１４年の時点では４社とも遺伝子組み換えの原料は使っていないということでした。詳しくは、ここのサイトを参照してください。しかし、ほとんどの企業は今後のことは検討中ということでした。もちろんどの企業もあからさまに遺伝子組み換えを使っているという言い方はしません。「不分別のもの」を使っているという表現となります。不分別は当然、遺伝子組み換えである可能性が大となります。実際にこの不分別のものが含まれている食品、飲料はかなりの頻度で存在します。今後が心配です。

とりあえず、ビールの解禁は、「サントリー」と「エビス」で決まりです！