最近、炭酸水が好きになってしまい、少々困っています。依存性があるのではないかと思うくらい、炭酸水が欲しくなります。私の友人も炭酸水がやめられないと言っていました。もちろん、糖質制限の立場では炭酸水は糖質を含んでいないので、問題はないのでしょうが、歯の健康という面でいえばやはり飲みすぎは良くないでしょう。
炭酸は味覚を変化させます。みなさんも糖質過剰摂取時代に体験があると思いますが、コーラを飲む際に、炭酸が効いている状態ではゴクゴクと飲めますが、炭酸が抜けた状態では甘すぎて飲めたものではありません。実際に脳の状態を見てみると、次のような変化が起きています。(図は原文より)
上の図はfMRIで炭酸の影響を見ています。詳しいことは省略しますが、Aは甘味料とは無関係に炭酸が存在すると、脳の領域AI、OFC、SFG、PTC、OTC、MFGの活性が低下した(青緑色)ことを示しています。また、OTCでの活性は増加(オレンジ色)しています。Bに示すように、ショ糖(スクロース)+炭酸はPTC、AI、OFC、IFG、MFG、およびOTCの活性を低下させました。Cに示すように人工甘味料+炭酸はOTCの活性を高めました。炭酸のショ糖に対する影響の方が人工甘味料よりも大きいことがわかります。
上の図は実際の味覚の評価です。Aは左から順に人工甘味料の炭酸なし、炭酸あり、ショ糖の炭酸なし、炭酸ありです。Bは10%ブドウ糖の炭酸なし、炭酸ありです。どれも炭酸があると甘味の知覚が低下していることがわかります。
脳はショ糖などの糖と人工甘味料を区別していると考えられます(「脳は砂糖と人工甘味料を区別できるのか? その1」参照)が、もしかしたら炭酸の影響で脳が騙されて、その区別を低下させているかもしれません。
炭酸は脳に変化をもたらしています。しかし、炭酸により糖質に対する脳の活動が低下しているのであれば、糖質依存を起こりにくくしているのではないか?という疑問も起こります。それに対する解答は持っていません。
ただ、私は炭酸水に対して依存のような症状を呈していることを考えると、炭酸は糖質とは別のルートで報酬系を刺激し、依存をもたらしている可能性もあるのではないかと考えます。そして、それが世界中でコカ・コーラなどの炭酸飲料が爆発的に売れたメカニズムなのではないかと思います。
次回以降では、炭酸水などのドリンクの歯への影響について書きたいと思います。
「Effect of carbonation on brain processing of sweet stimuli in humans」
「ヒトの甘い刺激の脳処理に対する炭酸化の影響」(原文はここ)
甘み無しの炭酸水を飲んでも、同時に食べている食品の甘みが緩和されるだけで、食品の甘さがラカントS使用ならば、問題無いでしょう。
◎不二家のケーキ食べるなら大問題だが、江部ブログ掲載のスーパー糖質制限食ケーキなら無問題
と言うことです。
らこさん、コメントありがとうございます。
当然糖質が一番良くないと思っていますが、人間には様々な依存がありそうです。
Dr.Shimizu さん、返信ありがとうございます。
私らこ はアルコール中毒患者です。江部先生、夏井先生と同じですwww
特に、「手の震え」もありませんが。
「炭酸中毒」も無毒のように思えるのですが > スーパー糖質制限食実行者には
清水先生、本年もブログで勉強させていただきます。
私はウィルキンソンの無糖の炭酸水を夕食時に飲みます。炭酸水を飲むようになってから、お酒を飲まなくなりました。飲みたいと思わなくなりました。
これも炭酸水による何らかの影響でしょうか?
じょんさん、コメントありがとうございます。
炭酸水自体が脳に何らかの作用を示しているので、もしかしたらお酒との関連もあるかもしれませんね?
私は炭酸水もお酒も飲みますが。