人工甘味料は甘さを与えますが、血糖値に変化を与えず、ホルモン分泌もさせないと考えられていますが、本当でしょうか?
今回の研究では、BMIが40を超えるような肥満の人で、75gブドウ糖を経口摂取する10分前に人工甘味料のスクラロース48㎎含有60mlの飲み物または水を飲んだときに血糖値やインスリンなどの推移はどうなるのかを調べています。(図は原文より)
上の図は、Aが血糖値、Bがインスリン、CがC-ペプチド、Dがグルカゴンです。
血糖値のピークはスクラロース群も水群もブドウ糖を飲んで60分後でしたが、スクラロース群の方がピークが高くなりました。その後180分後では逆にスクラロース群の方が低くなっていました。
インスリンを見てみると、やはりスクラロース群の方がピークが高く、しかもピークが90分にずれています。そのことが血糖値の180分値の低値を招いた可能性があります。同様にC-ペプチドもスクラロース群でピークが高くなりました。グルカゴンは違いがありませんでした。
曲線下面積で見てみるとインスリンのみ有意にスクラロース群の方が大きくなりました。
インスリン感受性を表す、インスリン感受性指数の中央値は、スクラロース摂取後では水摂取後よりも23%低くなりました。さらに、スクラロースはブドウ糖摂取後のインスリンクリアランス率も7%減少させました。
上の図は、平均インスリン分泌速度(ISR)ですが、これもスクラロース群の方が高くなりました。
つまり、人工甘味料は生理的に活性を示すということです。ブドウ糖による反応を修飾し、血糖値を上げ、インスリン増加を招きます。ただ、これは肥満者特有のものかもしれません。
動物実験では人工甘味料はブドウ糖の吸収を増加させるというデータがあります。人間でも同様のことが起きている可能性があります。
通常、人工甘味料は血糖値やインスリン値に影響を与えないと考えられています。しかし、糖質+人工甘味料は、糖質の有害性を増加させる可能性があります。
糖質の一部を人工甘味料に置き換えることは、無駄であるかもしれませんね。
いずれにしても糖質制限をしていれば問題は無いでしょう。
「Sucralose affects glycemic and hormonal responses to an oral glucose load」
「スクラロースは経口グルコース負荷に対する血糖およびホルモン反応に影響を与える」(原文はここ)
『食べるのを我慢できないのは、あなたの意志が弱いからではありません。』(白澤卓二)
ダイエット本です。
上白糖や精製白米、ドーナツに代表される、白澤先生命名の「ドラッグ食材」が
食欲を暴走させるとの内容でした。
(糖質過剰摂取でインスリン抵抗性が高まるのと同様に、ドラッグ食材が食欲センサーを狂わせる)
この本でも、人工甘味料それ自体はカロリーzeroでも、食浴を増進させるなど生理機能を乱す可能性に言及してます。
ただ、白澤先生は「ドラッグ食材」として脂肪と塩も挙げておられ、
逆に果物や玄米、蕎麦などは、加工精製されていなければ依存性は無く、
害は無いと述べられていました。
糖質との組み合わせで(質の悪い)脂肪や精製食塩などは害かもしれませんが、
糖質制限に取り組んでいる者としては府に落ちない記述でもありました。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
白澤先生は以前は塩を推奨するような本も出していたのですが…
機会があれば読んでみます。