地球は温暖化していますが、それの要因の一つは温室効果ガスと考えられています。しかし、温暖化すれば温室効果ガスは増加するので、どちらが先かはわかりません。因果関係が逆の可能性もあります。地球温暖化の要因は全く別にあるかもしれません。
そんな中、肥満に対するバッシングではないかと思われる研究が発表されました。
肥満の人は二酸化炭素の排出が多いというのです。当然そうだとは思います。
肥満が地球温暖化に与える影響を評価するために、肥満の人による余分なCO2排出量を計算しました。
それによると、正常な体重の人は、24時間の間に平均で約260mL/minのCO2を生成し、これは270kg/年のCO2に相当するそうです。当然肥満の人の方がエネルギー消費量は大きい(20%から42%多いと報告されている)ですから、CO2排出量も増加します。肥満の人による余分なCO2排出量は、約81kg/年だそうです。世界中で6億人以上が現在肥満だと考えられており、肥満は過剰な代謝CO2排出量 49.1メガトン(Mt)(1メガトン= 100万トン)も排出している可能性があります。これはスウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマークなどのスカンジナビアの国全体の化石燃料のCO2排出量に相当するそうです。
また、肥満の人はたくさん食べるということを計算すると、最大30%多く(もっと多い人もいると思いますが)食べると考えられ、1kcalの食料を生産するには少なくとも3kcalの化石燃料エネルギーを使用する必要があり、2.12gの温室効果ガスが排出されるそうです。これを計算すると、肥満の人は正常の体重の人よりも593kg/年CO2排出が多いと考えられます。世界中で考えると、361メガトン/年にもなる計算になります。これはイギリスの総CO2排出量に匹敵するそうです。
さらに、肥満の人を運ぶ輸送システム(車や航空機など)にも着目しています。肥満の人を運ぶにはその分多くの燃料が必要になります。1人の肥満者を車で輸送する場合の余分に排出される温室効果ガスの排出量はを推定で470kg/年だそうです。また、肥満の人の余分な重量を輸送するのに必要な追加のジェット燃料は、年間約1億8700万ガロンと計算され、2.04メガトンの余分なCO2を生み出します。これは、1人の肥満者を飛行機で輸送する場合、CO2排出の追加として約5.5kg/年に相当します。全体として、肥満の人は自動車および航空機からの温室効果ガス排出量を1人あたり476kg/年増加させると予想されます。これは、通常の体重の人の輸送に関連する排出量よりも最大14%増加させることに相当します。世界中で考えると総温室効果ガス排出量が約290メガトン/年も増加する可能性があります。
全てを考えると、肥満は推定で、一人当たりの余分な総温室効果ガス排出量は1.149トン/年である可能性があるのです。これは正常体重の人よりも最大20%増です。世界中で考えると、肥満は年間約700メガトンの排出増加に寄与しており、これは世界の温室効果ガス排出量の約1.6%です。これはオーストラリアや韓国の総排出量よりも多く、カナダやメキシコの排出量に匹敵するそうです。
肥満をこのような視点から見るのは珍しく、面白いですね。アメリカが二酸化炭素排出量世界第2位であるのは肥満大国だからでしょうか?
いくら環境保護を訴える人でも、地球温暖化の観点から国や企業に対して非難はできますが、個人、しかも外見で肥満であっても非難をすることは難しいでしょう。多様性というのはどこまでが認められて、どこからが問題になるのでしょうか?
糖質制限は地球を救う?
糖質過剰症候群
「The Environmental Foodprint of Obesity」
「肥満の環境への影響」(原文はここ)
視点を変えると、マスコミとは違った現実が見えてくるようで、とても面白いコラムでした。
多様性主体性を認めるのは、共存の条件とは思います。ただ、身近な家族位には、納得して糖質制限して欲しいな、と考えてます。
ヴエーパーフライ禁止問題、どうなるんでしょうね。(ナイキは、東京マラソンで最新のシューズを投入する話もTwitterで見ました。)
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
あくまで、計算上のものです。でも面白いと思い記事にしました。
ナイキのシューズ問題はオリンピック間近なので禁止にならないような気がします。