コロナウイルスの寿命は結構長い

とうとう、新型コロナウイルスで日本人(武漢在住)の犠牲者を出してしまいましたが、新しい論文によれば、コロナウイルスの寿命は非常に長いようです。

ある記事によると、ウイルスの寿命は次のように書いてあります。(記事はここ

【インフルエンザウイルス】
何かの表面に付着したものは、衣類など凸凹の多い表面では8〜12時間、テーブルやドアノブなど平らな面では24〜48時間。空気中では湿度50%以上の場合は8時間ほどですが、乾燥状態では1日以上生存します。

【ノロウイルス】
気温が20℃では10日前後ですが、4℃だと40〜50日前後も感染力を保ちます。

【RSウイルス】
何かの表面に付着したものは、衣類など凸凹したものでは1時間、テーブルやドアノブなど平らな面では7時間生き延びます。

【アデノウイルス】
流行性角結膜炎(はやり目)などを流行させるウイルスです。何かの表面に付着したものは、衣類など凸凹したものでは8〜10日、テーブルやドアノブなど平らな面では49日生き延びるというデータがあります。

ノロウイルスの寿命は凄いですが、インフルエンザウイルスはかなり短命です。

さて、コロナウイルスはどうでしょう。SARSやMARSのコロナウイルスの研究からわかったことは、コロナウイルスが何かの表面に残った場合、室温でガラスやプラスチックなどの表面で最大9日間感染し続けることが示されました。平均して、コロナウイルスは4日から5日の間生き残るそうです。さらに、低温と高空気湿度は寿命をさらに延ばしますと指摘しています。つまり、かなりの期間ウイルスは留まり続け、接触感染を引き起こす可能性があるのです。

インフルエンザウイルスは湿度が高いことに弱いと言われていて、マスクをするとそれにより保温保湿ができ、インフルエンザウイルスに感染しにくくなるという説がありますが、コロナウイルスは湿度を高めることは逆効果のようです。

さまざまな消毒液を使用したテストにより、エタノール、過酸化水素、または次亜塩素酸ナトリウムがコロナウイルスに対して効果的であることが示されました。

62〜71%のエタノール、0.5%の過酸化水素、または0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを使用した表面消毒手順で1分以内に効率的に不活性化できます。0.05-0.2%塩化ベンザルコニウムまたは0.02%グルコン酸クロルヘキシジンなどの他の消毒剤は効果が低いそうです。

また、国際航空運送協会(IATA)の医療顧問の医師の話の記事では、飛行機の中でのマスクと手袋は感染を止めるよりも感染を広めるのに良い仕事をする、と言っています。(記事はここ)この医師の話ではウイルスがものの表面では長く生きれない、高温でウイルスが増殖する、と言った誤解があるようですが、マスクや手袋の話はある程度理解できます。

マスクから言うと、普段の状況で予防に役立つことがあったとしても、それを示す証拠は非常に限られる。マスクは体調の悪い人が自分から他人を守るのに有益だが、マスクの常時着用は効果がないだろう。マスクの周りやそれを経由してウイルス感染を許すことになり、湿気を含んでいるとウイルスや細菌の増殖を促すことにもなる。手袋の着用はさらによくないだろう。素手で触れたであろう部分を手袋をして触るだけであり、微生物が移ることに変わりはない。また、手袋の中は温度が高く汗ばんでおり、微生物の増殖には実に良い環境だ。

つまり、マスクは隙間だらけでマスクの周りからウイルスが入り込み、マスクにより保湿されているので、ウイルスが増殖してしまうということです。手袋も手にウイルスがくっ付いていた場合には手袋の中で多湿になり、ウイルスが増殖するようです。温度と湿度のどちらがコロナウイルスにとって重要かによって増殖の程度も異なる可能性があるので、一概には言えないでしょう。でも、マスクのずれなどを直すためにウイルスの付いた手でマスクを触ってしまえば、ウイルスは侵入して増殖することになるでしょう。やはりマスクの効果は限定的ですね。

メインの感染経路は接触感染なのかもしれませんね。

この記事参照)

「Persistence of coronaviruses on inanimate surfaces and its inactivation with biocidal agents」

「無生物表面上のコロナウイルスの持続性と殺生物剤によるその不活性化」(原文はここ

2 thoughts on “コロナウイルスの寿命は結構長い

  1. 自宅近隣ドラッグストアなどでもマスクが品切れ状態です。

    効果限定的(主に感染者がウィルスを撒き散らすのを防ぐ)なのですね。
    でも、心理的にもマスクしてると安心感あります。
    逆に湿度で感染リスクが高まるとは、我々一般人にとって中々わかりにくい現象と思います。

    というわけで、有効性とは関係無くマスク不足はきっと続くのでしょうね。

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      確かにマスクは心理的安心感はありますよね。もちろんマスクの正面から来た分泌物をまとったウイルスは大きな粒子ですからウイルスをブロックできるでしょう。
      湿度に関してはインフルエンザウイルスは湿度が高いと弱ると言われていますからね。
      ただ、インフルエンザウイルスも感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスは、分泌物のエアロゾルに守られて湿度が高くても感染力は保持されるようです。
      また、ノロウイルスも吐物や下痢の便、腸管の中、調理した食事の中で生きているのですから、それらは湿度はほぼ100%であり、そこで増殖するのです。
      ウイルスは湿度に弱いというのはすべてに当てはまるのではないのでしょうね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です