緊急事態宣言を延長したにも関わらず、国は補償など大した対策がないことや、解除の基準さえ示せず、データもほとんど何も出てこないので多くの人が失望したかもしれません。そして、ゴールデンウイークが終わり、自粛をやめて営業再開に踏み切ったところも少なくないのではないでしょうか?ただ、北海道はまだ、日本で数少ない人工呼吸器装着数の増加を示している都道府県の一つなので、医療への負担が早く落ち着いて欲しいですね。
ドイツは新型コロナウイルスの死亡率が非常に低いことが評価されています。イギリスやスペイン、イタリアと比較すると5分の1~6分の1です。早い段階で準備をしていたことや、決断が早かった、PCR検査数が多かった、はたまた女性のリーダだから(女性リーダーに対する偏見は全くありませんが、女性リーダーだからという論調には違和感があります。他の多くの男性リーダーで死亡率が低い国はいっぱいあるのですから。男女の差で語るべきではありません。逆の性差別に感じます。)、など色々と言われていますが、実際には何が効果があって死亡率が低いのかはわかりません。PCR検査数であれば同程度のロシアはドイツの8分の1程度の死亡率です。もちろん、ロシアはまだ増加中なのでどうなるかはわかりませんが、なぜかロシアは評価されず、ドイツだけ評価されている報道が目立ちます。プーチンさんを評価したくないのは何となくわかりますが。
そして、日本はドイツの20分の1以下、スペインの140分の1の死亡率です。しかし、日本は恐らく世界的には評価されていません。何で死亡率が低いのか全くもってわからないからです。ドイツは何かアクションがあって死亡率が低くなっているかに見えるけれど、日本は大したことやっていないように見えるのに何となくものすごく死亡率が低いのです。偶然であっても何か対策をすれば、それが要因で死亡率が低いとみなされます。欧米諸国から見れば、せめてロックダウンしていないスウェーデンレベルの死亡率になって欲しいのでしょう。
私は、日本はアジア人であること、BCGワクチン、肥満率の低さが3大要因ではないかと思います。日本やそれ以外の国で考えると、やはり気候も関係していると思います。ベトナムはまだ死者数ゼロです。タイも55人です。台湾も死者数6人で非常に少なく、女性のリーダーであることと様々な対策が評価されていますが、実際には温暖な気候とBCGが最も大きな要因かもしれません。極端なことを言えば、リーダーが誰であるか、どんな対策がとられたか、ということよりも、その国の気候や特性(人種やワクチンポリシーなど)だけが死亡率の低下要因かもしれません。
結局は日本は何で死亡率が低いのか正確なところはわからないですが、実際にかなり低いのですから欧米のように考える必要はありません。
世界で新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界中で宗教のように「Stay home」の大合唱です。世界中で根拠もなく、壮大な社会実験が行われているようです。この「Stay home」対策が感染者数や死者数を減少させる証拠は示されていません。逆にこの「Stay home」を行ったことにより家庭内の感染が増加した可能性もあります。
ヨーロッパ全域の様々な介入がどのような影響を与えたかを分析した研究(プレプリント)が報告されました。その結果は非常に興味深いです。(図は原文より)
上の図は様々な介入による感染者数へのリスク比を示しています。横軸は介入が始まってからの日数です。Aから順に、集会の制限、一部のビジネスの早期閉鎖、教育施設の閉鎖、重要ではないすべてのビジネスの広範囲にわたる閉鎖、Stay home、マスク使用です。集会の制限、一部のビジネスの早期閉鎖、教育施設の閉鎖は感染拡大減少に大きく関連しているように見えます。ただ、子供たちは感染しても無症状であったり、症状が非常に軽い場合があり、評価は難しいかもしれません。重要ではないすべてのビジネスの広範囲にわたる閉鎖は大きな影響を与えていないようです。逆にStay homeは感染拡大を増加させているようです。マスクは最初保護効果があるように見えますがその後感染を増加させています。ただし、マスクに関しては採用している国も限られ、日数も浅く、データもあまり信用できないでしょう。
上の図は死者数のリスク比です。感染者数と同様に集会制限や一部のビジネスの早期閉鎖は死者数の減少に寄与するようですが、教育施設の閉鎖は導入直後は一時的に負の影響があり、その後有益な影響があるようです。重要ではないすべてのビジネスの広範囲にわたる閉鎖は減少にある程度影響があるようです。Stay homeの介入は20日目まで死者数が増加し、続いて減少する逆U二次効果が示されました。しかしその効果は大きなものではありません。マスクは死者の増加と関連していますが、先ほどの感染者のところで書いたように、あまり信用できないかもしれません。
上の2つの図はヨーロッパ各国の感染者数と死者数の推移と、数理モデルの予測です。オレンジ色が予測です。予測と非常に近い国もあれば、大外れな国もあります。ロックダウンしていない、最も緩い行動制限のスウェーデンが最も予測と外れていて、大きく予測値よりも感染者も死者も少ないことがわかります。逆に考えれば、ロックダウンしない方が、Stay homeしない方が感染拡大は少ないとも考えられます。数理モデルはロックダウンをものすごく過大評価しているようです。
ほとんどの国は行動制限を強くすればするほど、感染拡大を防止するという思い込みで対策を行っています。しかし、ウイルスは人間の思ったようには感染してくれないようです。ロックダウン実験は失敗したように見えます。
この分析に則れば、大規模な集会は避け、通常のビジネスは営業を再開し、それぞれが注意しながら外に出ることが良いことになります。やはりスウェーデンが正しいかもしれませんね。日本も高齢者や基礎疾患を持った人の外出自粛、高齢者と若年層の分離を行ったうえで、経済活動を再開するのが最も良い選択肢だと思います。
「Impact of non-pharmaceutical interventions against COVID-19 in Europe: a quasi-experimental study」
「ヨーロッパにおけるCOVID-19に対する非医薬品介入の影響:準実験的研究」(原文はここ)
シミズ先生、こんばんは。
6日、たまたまテレビを付けていて鈴木知事の会見を見ました。
その中で、
仕事をしている方でも家族やお客さんなどとの接触は全くなく、また、公共の交通手段や施設も利用しないし、人出の多いところの外出は控えている。また、スーパー、コンビニへの外出時にはマスクを着用しているのに、感染が確認されている。
通勤されていない方でも、食材の買い物の際にはマスクを着用し、頻度も制限していて、買い物以外の外出の際にもマスクを着用していて、家族の中に他に感染者はいない。それでも感染が確認されているという状況だ、とおっしゃっていました。
ということは、外出制限には意味がないということを言ってしまっていると思うのですが、知事はそれに気づいているのでしょうか?
ただ、国の言うことを鵜呑みにして感染が収まらないのは外出制限がまだ甘いからだ、と思って言ってるのでしょうか?
早くこのバカバカしい実験を終わらせて経済活動を戻して行かないと大変なことになるのではないでしょうか?
会社から危険手当(笑)が出るので、お肉をたくさん買って、少しでも経済を回して行きます(^^)
ミホさん、コメントありがとうございます。
会見の内容を見ると、外出と感染に関係が無いことになってしまいますね。
北海道も段々暖かくなってきたのでもう少しでしょう。