新型コロナウイルスと脂肪肝

新型コロナウイルスの重症化には糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満、高血糖などと関連が認められています。つまり、ほとんど糖質過剰症候群によって重症化しているとも思われます。

糖質過剰症候群の一つの代表的な疾患である、非アルコール性脂肪肝についても新型コロナウイルスの重症化との関連があるようです。

FIB-4 Indexと呼ばれる肝臓の線維化を示す非侵襲的な指標があります。脂肪肝は肝障害が進行すると、肝炎から肝臓が繊維化して、さらには肝臓がんへと進展してい行きます。以前は肝臓がんの9割を占めていたB型やC型肝炎ウイルス由来の肝がんは現在では激減し、非B非C肝がんが増加し、全肝臓がんの4割を超えているそうです。FIB-4が3.5以上では肝臓がんのリスク10倍以上だとも言われています。(ここ参照)

今回の研究では、新型コロナ陽性者で非アルコール性脂肪肝の人をFIB-4を1.3以下、1.3~2.67、2.67以上の3つのグループに分けました。(表は原文より改変)

脂肪肝なし低FIB-4(≤1.3)中FIB-4(1.3~2.67)高FIB-4(> 2.67)
年齢45.9±15.441.2±14.254.2±10.859.9±9.1
BMI23.0±3.226.5±4.726.6±3.226.1±2.8
肥満(%)25.961.475.064.3
血小板数(×100 000 / mm 3211±72246±75183±64125±24
D-ダイマー0.18(0.11–0.29)0.21(0.1–0.5)0.21(0.1–0.4)0.27(0.1–0.4)
CRP(mg / L)7.9(1.9〜24.9)8.6(2.9〜23.6)25.4(8.7〜53.3)25.5(8.7–53.4)
AST(IU / L)22(17–27)23(19–32)32(26–50)44(29–83)
ALT(IU / L)18(13–27)30(22–52)28(22–48)27(16–82)
GGT(IU / L)21(14–33)31(22–54)51(24–81)49(32–102)
AST上昇> 40 IU / L(%)7.99.127.857.1
ALT上昇> 40 IU / L(%)13.029.630.642.9
総コレステロール(mmol / L)3.98±0.84.11±0.93.73±0.73.82±1.0
中性脂肪(mmol / L)1.15(0.9–1.7)1.61(1.0–2.1)1.48(1.1–1.8)1.11(0.9–1.6)
HDLコレステロール(mmol / L)1.18±0.40.96±0.21.06±0.21.09±0.4
LDLコレステロール(mmol / L)2.23±0.72.54±0.82.10±0.72.20±0.8
COVID-19の重症度
 重症ではない(%)88.486.463.957.1
 重症 (%)11.613.636.142.9

上の表でわかるように、脂肪肝の進行と総コレステロールやLDLコレステロールは関連していません。低FIB-4では、脂肪肝がない人と重症化のリスクはほとんど変わらないようです。

しかし、中FIB-4であると、新型コロナの重症化の可能性は2.59倍で、高FIB-4では4.04倍でした。

糖質制限をすれば、脂肪肝が改善していきます。線維化してしまう前に糖質制限を始めましょう。

下に数値を入力して、FIB-4 Indexを計算してみましょう。

肝機能障害が進行すると、肝臓でのトロンボポエチン産生の低下、その結果としての血小板産生減少が認められます。ちなみに私のFIB-4はいくつかというと、1.40でした。あらら、中程度の範囲に入ってしまいました。しかし、恐らくこれは血小板数が少なめだからだと思います。以前からも少なめでした。マラソンをする人では一般の人よりも血小板数が少ない人が多いそうです。(ここ参照)マラソンの場合は血小板産生減少ではないと思います。

以前の記事「ウルトラマラソンと血液検査2019」のデータを見てもわかるように、レース後ではほとんどの場合血小板数がかなり低下します。ですから都合よく考えて、ランナーはほんの少し数値甘めで評価でもいいかもしれません。

「Risk of severe illness from COVID-19 in patients with metabolic dysfunction-associated fatty liver disease and increased fibrosis scores」

「代謝機能障害に関連した脂肪性肝疾患および線維症スコアの増加を伴うCOVID-19による重症化のリスク」(原文はここ