みなさんの血液検査データ2020 集計 その8 肝機能

今回のデータの分析は肝機能です。

これまでの集計結果は→「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」「その6」「その7

AST(GOT)、ALT(GPT)、γGT(γGTP)を見ていきましょう。

AST 人数 平均値 標準偏差
男性 一般 1203 26 12.1
糖質制限 137 25.4 11.4
女性 一般 1742 23.1 14.7
糖質制限 79 22.5 7.3

ALT 人数 平均値 標準偏差
男性 一般 1203 26 18.2
糖質制限 142 21.3 13.3
女性 一般 1742 19.7 23.3
糖質制限 78 20.3 10.8

ちなみに基準値は AST:10~40、ALT:5~45 です。

糖質制限のAST、ALTに関しては一般の人と比較して違いはありませんでした。やや男性のALTの平均が低い感じはあります。恐らく肝臓の脂肪が糖質制限では減少するからだと思います。

γGT 人数 平均値 標準偏差
男性 一般 1203 48 55.3
糖質制限 142 26.8 24.8
女性 一般 1742 25.3 31.4
糖質制限 78 21 16

γGTの基準値は 男性:79以下、女性:48以下 です。男女で大きく違いますね?

糖質制限では男性のγGTの平均値は一般の人よりもかなり低くなりました。これは肝臓の脂肪量の減少だけでなく、年齢層の分布の違いが大きいかもしれないと思いました。糖質制限の人のデータは40~60代で約85%を占めます。そこで、年齢別の一般の日本人の平均値を見てみました。

男性では40~60代の平均値は非常に高くなっています。一般の日本人男性の40~60代のγGTの平均は50を上回っています。糖質制限の人の平均値のおよそ2倍の値です。

女性ホルモンにはγ-GTPの産生や働きを抑える作用があると言われています。確かに一般の日本人女性の平均値のピークは50代です。しかし、その後低下しています。ということは、本当に女性ホルモンの影響なのかどうかは疑問ではないかと思います。

γGTはアルコール摂取とも関係があると考えられているので、糖質制限の飲酒とγGTとの関連を見てみましょう。ただ、糖質制限女性では大量のアルコール摂取者は10人未満でしたので、参考程度に見てください。

γGT アルコール量 人数 平均値 標準偏差
男性 0~20g 56 19.4 11.1
50g以上 44 38.2 38

 

γGT アルコール量 人数 平均値 標準偏差
女性 0~20g 54 20.4 17.7
50g以上 9 24.8 11

アルコール量は全く飲まない人~1日の摂取量が20gまでの人と、週3日以上(ほとんどの人はほぼ毎日ですが)1回のアルコール量が50g以上の人で比較しています。

女性は参考程度ですが、アルコール量による違いは大きくありません。というよりも大量の飲酒をする女性が少ないとも言えます。

しかし、男性では明らかにアルコール量の少ない人と比較して、多い人ではγGTは高い値となっています。そして、アルコールを全く飲まない人や摂取量が少ない人では男女の性差はありません。

そうすると、γGTの男女の基準値の差は、アルコールという因子を除けば性差はないのかもしれません。または、糖質制限では男女の差がないのかもしれません。

ちなみに糖質制限で飲酒が0~20gでγGT値が40以上の男性は3人で、一人は糖質制限歴1年未満でBMIが28以上、もう一人が糖質制限歴1年未満でASTやALTも高めの人でした。もう一人はBMIが24程度でしたが、他に気になることは認めない方でした。

糖質制限で飲酒が0~20gでγGT値が40以上の女性は5人で、5人ともBMI25以下でした。一人は恐らく脂肪肝、もう一人は脂肪肝か内服薬によりものでしょう。もう一人は脂肪肝かサプリメントによるものでしょう。残りの二人はよくわかりませんでした。

そうすると、γGTの基準値は男性では高すぎる設定ではないかと思います。糖質制限での基準値は40以下でも良いのかもしれません。

糖質制限でのγGTとBMIの相関はどうでしょうか?

相関係数は0.25と弱い相関しかありませんでした。

その他BMIとAST、ALT、AST/ALT比とはほとんど相関はありませんでした。HbA1cとAST、ALT、γGT、AST/ALT比とはほとんど相関はありませんでした。

γGTが40を超えている方は、アルコールを減らすか、正しい糖質制限をしているか見直してみる必要があるかもしれませね。

4 thoughts on “みなさんの血液検査データ2020 集計 その8 肝機能

  1. いつもブログを拝見させていただいております。
    血液検査の結果を提供したいのですが、不要でしょうか?スポーツのパフォーマンス向上のたも糖質制限を5年継続しております。
    先日の検診でクレアチニンに異常値が出たので心配になり、他の皆さんの結果と照らし合わせてみたいです。

  2. 熱中症も「糖質過剰症候群」@Dr.Shimizuの要素が大きいと思います。
    「危険な暑さ」も糖質制限などで体調良好であれば、それほど恐れる事はないのでは?

    涼を取るためにかき氷やアイス(氷を食べやすく加工して香りを付けた糖質の固まり)、
    果糖たっぷりのスイカなど果物を過剰に摂取するのも、逆に夏の体には負担お思われます。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      熱中症が糖質過剰症候群かどうかは何とも言えませんが、熱中症予防に水分補給ばかり訴えているのは間違っていると思います。
      水分補給はもちろんダメではありませんが、熱中症になるのは一番は環境の暑さと湿度でしょう。
      「熱中症予防に寝る前にコップ1杯の水分補給を」と言っているのを聞いたことがありますが、全く予防になるという根拠がないでしょう。
      ちゃんとエアコンで寝ている間の温度管理をすることが最も重要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です