以前の記事「栄養士の英才教育?」「第6回 チャレンジ!糖尿病いきいきレシピコンテスト 受賞者決定!」などで取り上げた「チャレンジ!糖尿病いきいきレシピコンテスト」を行っている日本糖尿病協会は、今年は新型コロナの影響なのか、コンテストは開催されず、そのかわりなのか、怪しい(?)サイトが開設されました。(ここ参照)
そこにはこのように書かれています。
日本糖尿病協会は株式会社おいしい健康と共同で、糖尿病の方向けのレシピ投稿・共有サイト「みんなの寄付レシピ 糖尿病のみなさんへ 」を開設しました。このサイトでは、糖尿病の方やご家族が実際に作って召し上がったレシピを体験談とともに投稿することで、糖尿病における食生活の工夫を広く共有、同じ悩みを抱えている方々が相互に支援し合える場づくりを目指しています。
というわけで、日本糖尿病協会のお墨付きのレシピを早速見てみました。(レシピ投稿・共有サイトはここ)
投稿されたレシピで、主食として紹介されているのは現在のところ5品。糖質量は35.3g(なぜか春巻き。春巻きは主食?)から最高で74.8g!すごい!食後の血糖値が300超えも夢ではありません。糖質量74.8gのレシピは「カリカリ梅としらすのもち麦おむすび」です。実に「おいしそう」で「健康的」に見えますね…
また、サイトの中を見ていくと「糖尿病患者さんのための1週間あんしん献立」(筑波大学附属病院監修)というのもあったので見てみましょう。「1週間あんしん献立は、筑波大学附属病院監修のもと、糖尿病患者さん向けの1週間分の夕食を提案するものです。」だそうです。
土曜日:手軽に楽しむ ぶり大根の献立(糖質量75.6g)
日曜日:クリスマスを楽しむ ミートローフの献立(糖質量74.5g)
月曜日:寒い日に食べたくなる 具沢山八宝菜の献立(糖質量65.1g)
火曜日:うま味がしみる 豆腐の卵とじ献立(糖質量76.1g)
水曜日:ピリ辛でご飯がすすむ中華献立(←ご飯がすすんだらダメでしょう!)(糖質量66.4g)
木曜日:彩り綺麗な豚肉のトマト煮がメインの献立(糖質量67.9g)
金曜日:時間がない日に 市販の焼き鳥が主役の献立(糖質量75.3g)
これで、筑波大学附属病院に入院すれば毎日、「あんしん」して大きな血糖値スパイクを達成できます。毎日300超えできるかもしれません。そうしたら「インスリン」を注射すれば良いので「あんしん」です…それとも300超えちゃったら「隠れて甘いお菓子でも食べたんじゃない?」と疑われるのかな?もっと運動しなさい!って怒られちゃう?
他にもこの「おいしい健康」には、乳がん患者さん向けのレシピもあります。東京の大学の乳腺外科の医師が監修している「お墨付き」のメニューです。なぜか糖質量77.4 gのパスタなどが紹介されています。どうしてこれが乳がん患者さん向け?
どうしても「日本人の食事摂取基準」から抜け出られないようです。絶対にPFCバランスはタンパク質15-20%、脂質20-25%、炭水化物50-60%を守らなければならないようです。それによって血糖値スパイクが起きようとも関係がないのです。基準に沿っているので責任はありませんからね。栄養の専門家として「素晴らしい」姿勢です。栄養に関する数値は守るけど、人間の体は守らない。これこそ栄養士のあるべき姿でしょう。
こんな役に立たないばかりか、有害なレシピをたくさん載せるサイトを作る意味は何なのでしょうか?がんの人でも糖尿病の人でも中性脂肪が高い人でも、みんな糖質が悪さをしていることに気付こうともしないのでしょうか?医師や栄養士はどんな人に対しても、どうしても糖質をたっぷりと食べさせたいようです。自分だけが食ってろ!
「The only thing that interferes with my learning is my education.」ーAlbert Einstein
糖質制限 糖質過剰症候群
もち麦、人気ですよね。
私も以前は麦ご飯をよく食べました。
それが身体に良いと信じて、、、
実家の片付けで15年前70歳の母親の健康診断結果を発見。空腹時血糖128。また、
網膜出血の合併症も記載されていました。
自分で田んぼ、畑を作り、玄米を始めとした「自然で身体に良い物」を食べていた母が、
アルツハイマー型認知症となり、 5年程前から
特別養護老人ホームでの生活となりました。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
玄米や麦ごはんも、ちゃんと食後の血糖値を測定すべきでしょうね。
白米よりも血糖値が上がらない人も知るかもしれませんが、それほど違わない人もいると思います。
なかなか冗談が過ぎるメニューですね。本気で冗談としか思えません。
一食の糖質量は、私の二日分に近い糖質量です。どう見ても米以外に砂糖や小麦粉等が使われている糖質量か、もしくはどんぶり飯なのか?
私は米は食べないし、日曜日の献立にあるミートローフを作っても繋ぎにパン粉や小麦粉などは一切使いません。必要性を感じません。糖質量は一食10g以下で同等のものが作れます。
火曜日の豆腐の卵とじのどこに74.5gもの糖質を添加できるのでしょう。
金曜日の市販の焼き鳥でなぜ、糖質量が75.3gにもなるんのでしょう。塩味ならほとんど糖質はありませんし、例え「たれ」でも一人前で10gもないと思いますけど??主役のほかにいったい何を食べればそんな糖質量になるのかよくわかりません。
月曜日の八宝菜を除いて他のメニューは全て糖質10g以下で作れます。ものによっては5g以下も可能でしょう。
そもそも私の家には米も砂糖もありません。ついでに炊飯器もありません。パン粉も小麦粉もありません。それでもちゃんと料理は作れます。必要性を感じなくなりました。
このメニューは「糖尿病患者さんのための。。。」ですよね。と言う事は治療食であるべきですが、私から見れば、これはもう治療食どころではなくスィーツです。毎日がいわゆるチートディですねw
こういうものを食べてきたから糖尿病になったはずなのに、提供する側は、なぜ糖尿病になったと思っているのかぜひ聞いてみたいです。
西村 典彦、コメントありがとうございます。
このようなメニューを「患者さんのため」と言っているのは、非常に残念ですね。
しかし、病院の栄養指導も、これと何ら変わりません。カロリー制限とバランスですから。
引用
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献立を作成するにあたり、以下の条件を設けています。
※一週間平均で一食あたり
* エネルギー:500 〜 600 kcal
* 食塩相当量:2.5 g以下
* 食物繊維:7 g以上
* PFCバランス(たんぱく質、脂質、炭水化物の比率)
* たんぱく質:15-20 %
* 脂質:20-25 %
* 炭水化物:50-60 %
* コレステロール:100 mg前後
——————————————-引用終わり
これでは相当お腹が空くでしょうね。1日1,600kcalとも書いてあったので、間食もほぼなしということになります。
それはともかく、糖尿病患者さんが安心して食べられる献立というなら、条件設定に「糖尿病患者さん達に実際に食べてもらった時の食後血糖値の平均上昇値が◯◯◯以下」みたいな実験データが絶対に必要かと思います。
ところでYouTubeには、食前食後の運動や、水溶性食物繊維の含有量によって、同じ量の糖質を摂ってもどのくらい食後血糖値に違いがあるか、自身の身体を使った実験データを投稿している糖尿病患者さんたちが何人もいます。こういう人達は、「糖質さえ摂らなければ血糖値は上がらない」と知りながらも、「どうやったら糖質制限しなくて済むか」を研究したいみたいです。まあ気持ちはわかるんですけどね。
今回の献立も、食物繊維はそれなりに入っているので、注意事項として「食前に必ず疲労困憊するまでスクワットして下さい」とか、「食後も必ず運動してください」とか書いてあればまだ良いと思うのですが…。
大阪高橋さん、コメントありがとうございます。
YouTubeにはそんな動画もあるのですね。しかし、何かを食べて、食後血糖値がスパイクするかの違いは、
個人差も大きいかと思います。もし糖質制限をしないのであれば、毎回自分で調べるしかないでしょうね。
でも、何と一緒に食べるかでも変化するので、結局糖質制限が一番簡単でしょう。
大阪大橋さん、他の皆さんへ
>これでは相当お腹が空くでしょうね。
普通に考えれば、そのように思うでしょう。私も思っていました。
このブログにも何回か投稿させていただいていますが、現在、私は9月より糖質制限に加え、カロリーも制限(平均1600kal程度)する実験中です。もうすぐ4ヶ月です。
糖質制限では、カロリーを制限しないのがセオリーとなっていますが、何事も経験しないと本当の事は分かりません。
今のところ体が軽く感じ、歩く速度も速くなり、皮膚の艶が増しています。あくまでも「今のところ」ですが。
実際には、それほどお腹はすきません。要は慣れだと思います。
かといって、体がエネルギーを消費しないエコモードになったわけでもなさそうです。エコモードになれば同じエネルギー量を摂取していれば体重がリバウンドするはずですが、反対に少し体重が増えてもすぐ減るようになっています。これは私も意外でした。筋肉量を落とさないようにタンパク質だけは多く食べるようにしています(体重kg×2g)。それと週末にはたくさん食べて、平日は少なくするように緩急をつけています。これにより間欠的ファスティングのような効果があるのかもしれません。
炭水化物を60%も食べるのは論外(私は11%)ですが、実験を続けている今は、1600kcalの食事は確かに少な目ですが、少な過ぎるとは思わなくなりました。だからこそ4ヶ月も実験を続けられています。当初、私もお腹がすくだろうと思っていましたが、やってみてそうでもない事に気づきました。
あくまでも私個人のデータと感想なので個人差は分かりません。
因みに私はBMI21、59歳、平日はデスクワークです。特に運動はしておらず通勤で8000歩ほどです。
清水先生コメント失礼いたします。
看護師、管理栄養士、医師、皆さん制服を着ていらっしゃいますが、
医療従事に関わるふりをした殺人者ですね。
糖尿人の救われる命も救われない。人生の終末を迎えるお手伝いをされてますね。
言い過ぎましたか?
ジェームズ中野さん、コメントありがとうございます。
ご意見はわかりますが、彼らは決して、傷つけようとか殺そうと思ってやっているわけではありません。
(一部はわかっていてやっている人もいるかもしれませんが)
だからこそ厄介なんだと思います。
西村典彦さんへ
私へのコメントありがとうございます。
私は糖質制限を始めて1年8カ月ほど(1日の糖質摂取量はスーパー糖質制限よりもケトン食に近い日が多いです)で、現在53歳、週4〜5回ジムに通って筋トレと有酸素運動をしていますので、運動量は平均よりかなり多い方だと思います。1日の総摂取カロリーは、ジムに行く日だと2,200〜2,500kcalの日が多いです。
たしかに私も、ジムに行かない日だと1日2食で1,600kcalを下回ることもあり、それで耐えられないわけでもなく、慣れればずっと行けそうな気もするのですが、糖質制限をしていない、炭水化物50〜60%で1日1,600kcalの人もそうでしょうか? 空腹感は脂質の割合がかなり左右しているように思います。また、今回の献立を正しいと信じて実践するような純真な糖尿病患者さんなら、運動もしっかりされるように思います。筋トレは疲労困憊するまでやるとかえってお腹が空かないのですが、長時間の有酸素運動は、やってる途中からどんどんお腹が空いてきます。
清水先生、あけましておめでとうございます。先生の独り言、今後もじっくり読んでいきます。
「The only thing that interferes with my learning in my education.」
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「私の学問を邪魔した唯一のものこそが、教育である」という意味でしょうか。
ただ、先生。この英文ですが、「in」ではなく「is」ではないでしょうか?「in」ですと文章が完結しません。動詞がどこにも無いからです。
クリードンさん、コメントありがとうございます。
タイプミスですね。ご指摘ありがとうございます。
訂正しておきました。