今回の洞爺湖マラソンでは、レース中は無理でしたが、レース前とレース後にケトン体値も測定していました。以前の記事「ケトン体ランニング「ケトラン」、試行錯誤の人体実験」で空腹で長距離走ってどの位ケトン体が上昇するかを測定していましたが、今回はフルマラソンでどうなるかを確認したかったのです。
結果はこうなりました。
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結果を見ると、前回の実験のケトン体値が0.5から4.8でしたが、あまり変わらない数値でした。
起床時はケトン体は低めの0.3でした。そしてスタート4時間前にクロテッドクリームと卵1個を摂取、その3時間後に測定したケトン体は1.0でした。思った通りクロテッドクリーム効果です。
そしてゴール直後に4.2となっていました。この後すぐに前回記事にしたポカリスエット500mlを一気飲みしています。その30分後で5.2とこの日最高値を示しました。ゴールして1時間後に4.8とやや下降しています。さらにゴール2時間後には4.0まで低下。と言っても4.0もあります。
ポカリスエットという大量の糖質を一気飲みしたので、もう少し急速に低下するかな?と思いましたが、逆に糖質が体に溢れたため、ケトン体を使わなくなって、血中に大量に残っているのかな?とも思いました。ちょっとわかりません。
そして、本当は3時間後に測定しようと思っていたのですが、手持ちのケトン体測定のチップが無くなってしまいました。実は1回慌てて測定を失敗したためです。もったいない!
自宅に戻り、ゴール4時間後の測定ができました。ケトン体値は2.7まで落ち着きました。それで測定終了としました。
この数値だけで何かを言うことは難しいですが、様々な人がこのような実験をやることで、何かがわかるかもしれません。
わかったことは、私のケトン体の最大値は恐らく5mmol/L前後で頭打ちになるということ、糖質を大量に負荷してもすぐにはケトン体値は下がらないこと、クロテッドクリーム1個摂取でもそれなりにケトン体が上がることなどです。
課題は血糖値を維持しながらケトン体も高めて、レースを行うことが可能なのかということです。
また、面白いことにグラフのグルコース値(血糖値)を見てください。クロテッドクリームと卵を摂って3時間後では101だったものがスタート直前には133に上がっています。スタート後もグングンと上がり、スタートから1時間から1時間15分ぐらいの間に最大値151まで上がったのです。
スタート前にグルコース値(血糖値)を測定して、すぐに実はベスパプロを1個摂取しています。このベスパプロは糖質5gなので、血糖値に大きな変化はないと思って採用していますが、このときは1時間で30以上上昇し、摂取から2時間ぐらいは上昇し続けて、最終的には50の上昇です。これは予想外でした。
納得がいかないので、レース後別の日に運動しない状態でベスパプロを飲んでみました。そうするとグルコース値(血糖値)は87だったものが45分後に113となり、1時間15分後には93と低下しました。26の上昇です。糖質5gの上がり方ではないです。
ベスパの宣伝のページには、天然スズメバチ抽出液の持つ生化学的作用として、
脂質代謝系の活性化、アドレナリン分泌の活性化、副腎皮質ホルモン分泌による肝機能の活性化
を挙げており、それにより、血糖値キープ、脂肪燃焼率アップ、乳酸値セーブとなると書かれています。本当かどうかはわかりませんが、安静時にベスパプロを飲むとカーッと体が熱くなる間隔があります。ですから、何かは起きています。糖質5gがウソなのか、このようないろいろな作用によりさらに血糖値を上げているのかはわかりません。
しかし、後日の実験とレース時の状態は少し作用の示し方が違います。まずは、グルコース値(血糖値)がレースのときは2時間以上にわたり上がっていることです。そして上昇率も結構違います。これはベスパの効果にで激しい運動によりアドレナリンの活性化がさらに強くなり、グルコース値(血糖値)が高くなり、長く効果が出ているように見えたのかもしれません。しかし、レース中に苦しい上り坂で使ったベスパプロは全く効果を示していません。グルコース値(血糖値)の低下に歯止めがかからない状態です。
面白いし、難しいですね。次のレースでベスパプロを採用するかどうかは現在検討中です。