マラソンの記録の更新は、やはりシューズのおかげ?

ランニングシューズの進化は凄いものがあります。ナイキがその先頭を走っています。(「マラソン史上初の2時間切り!」「大迫傑選手が2時間5分台 日本記録を更新!」「第96回箱根駅伝 ものすごい記録ではあるが・・・」など参照)そして、やはり記録の更新は選手の力が向上したというよりはシューズのおかげのようです。

もちろん、ルールが決まりましたから、その中でどのシューズを選択するかは選手の自由です。そして、走るという競技にはシューズがつきものですから、そのテクノロジーの進化を享受することは問題ありません。

記録はそれぞれの年代のテクノロジーによって差があるので、世界記録と言っても、以前のランナーよりも現在のランナーが本当に速いかどうかはわかりません。100m走のウサインボルトがカールルイスよりも本当に速いかどうかは同じ年代、同じ条件で戦わないとわかりません。その時代の中で勝負すれば良いことなので、比較すること自体が間違っているかもしれません。

実際にシューズのテクノロジーがどれほどタイムを縮めたのかを調査した研究があります。2017年にナイキが高性能のシューズを発表したようですので、記録は2016~2017年までと2017~2018年以降でどうなっているかを見てみましょう。(図は原文より)

上の図は10 km、ハーフマラソン、マラソンの各レースでの男性と女性のシーズンのトップ100のベストタイムの進化です。2017年ごろから記録は良くなり、2019年が最も良い記録をたたき出しています。特に女性の記録が大幅に短縮されました。2018年、2019年の女性のマラソンは毎年1分以上短縮しています。それまでは2時間25分程度でした。2017年前後までの記録はどれも似たような記録で、停滞した感じがあるのですが、2018年、2019年は凄いペースでタイムが縮まっています。

上の図は10 km、ハーフマラソン、およびマラソンレースでの男性と女性のシーズンのトップ20のベストタイムの進化です。シューズのテクノロジーがリリースされたばかりの2017年には限られた数のランナーに採用されただけでした。2018年、特に2019年には、高度なシューズテクノロジーを使用して走っているアスリートによって、多くの季節のベストタイムが達成されました。2019年には、エリート男性の55〜95%と女性ランナーの45〜80%が、10 km、ハーフマラソン、マラソンのレースで高度なシューズテクノロジーを使用しました。

高度なシューズのテクノロジーが、10 km、ハーフマラソン、マラソンの男性と女性のシーズンのトップ20のベストタイムに与える影響です。左が高度なシューズのテクノロジーなし、右が高度なシューズのテクノロジーありです。女性では特に2分以上の差です。

2016年から2019年の間に高度なシューズのテクノロジーを履いたか履かないかでレースしたアスリートのサブグループにおけるハーフマラソンとマラソンレースの男性と女性のシーズンのトップ20ベストタイムの比較です。少数ですが、同じイベントで高度なシューズのテクノロジーを履いたか履かないかの記録を比較できました。当然、高度なシューズは記録を短縮しました。女性のマラソンは3分以上の違いです。

もちろんこのようなテクノロジーについていき、それを使いこなす選手の技術も必要でしょう。

でも、水泳の高速水着と同じように、スッキリしない気持ちはまだあります。また、このようなシューズを履いてみたい気持ちもたっぷりとあります。

早くコロナが落ち着いて、以前のようなマラソンレースができるようにして欲しいものです。

「Effect of Advanced Shoe Technology on the Evolution of Road Race Times in Male and Female Elite Runners」

「男性と女性のエリートランナーのロードレース時間の進化に対する高度なシューズ技術の影響」(原文はここ

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コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    確かにナイキ厚底で走ると自然とタイムは良くなり、止められません。

    ナイキの厚底シューズがランニングシューズの最終形なのでしょうか。
    他メーカーからも次々と新製品が開発されてますが、マークが変わっただけで、似たような形状。
    (あの、asicsの最新モデルでさえも。)

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      いまだ、ナイキは手を出せずにいます。いまのところこの形でどこのメーカーも行くのでしょうね。