糖質過剰摂取で空腹になりやすく、糖質制限で空腹になりにくい理由

食欲というものは調整することが難しいと思っている人もいるかもしれません。しかし、糖質制限を始めると空腹感が起きにくくなります。それは血糖値の変動が少ないからだと思いますが、今回の研究ではそれを証明しています。

この研究では、フリースタイルリブレのような連続グルコースモニター(CGM)を使用して、1,070人の参加者において2週間、自由な食事の食後の血糖値、食欲およびその後のエネルギー摂取量の間の関連を調査しています。

(上の図はここより)

(下の図は原文より)

上の図は食事をしてからの血糖値の変動を示したものです。食後3時間は次の食事は摂らないように求められています。

この最初のピークの2~4時間後に、血糖値がベースラインを急速に下回り、ベースラインまで回復する前に、かなりの血糖値の低下を経験した人がいることがわかりました。当たり前です。糖質過剰摂取ですから。

上の図は、左から順に血糖値の0~2時間の上昇、2~3時間の血糖値の低下、2~3時間の空腹の変化、2~3時間の注意力の変化、次の食事までの時間、3~4時間のエネルギー摂取、24時間のエネルギー摂取です。個人差が大きいこともわかりますが、血糖値の上昇が100%を超えたり、血糖値の低下が40%を超える人もいるようです。恐ろしい。

 

上の図はQ1は血糖値の低下が最も少ない群、Q4は血糖値の低下が最も大きい群です。2〜3時間での空腹感の増加、次の食事までの時間の短縮、3〜4時間でのエネルギー摂取量の増加、24時間でのエネルギー摂取量の増加を予測しました。

大きな血糖値低下を示した人は低下が少ない人と比較して、空腹感が9%増加し、次の食事までの待ち時間は平均して約30分少なくなりました。また、朝食後3~4時間で75kcal多く、1日で約312kcal多く食べることになりました。1年で9kgの体重増加につながる可能性があるとしていますが、これについては食事の中身の問題であり、カロリー神話に則った考え方ですので何とも言えません。

糖質制限では血糖値の変動は非常に少なく、空腹感が非常に低下します。糖質過剰摂取では上の研究のように、大きな食後血糖値の上昇を招き、インスリンが適切に分泌されない場合、大きな血糖値低下を招きます。これが機能性低血糖です。

私も以前は頻繁に機能性低血糖になっていました。糖質制限を始めてからはすっかりなくなりましたが、実験では再現されます。(「フリースタイルリブレを使った人体実験 その19 恐怖のファストフード 機能性低血糖発生!」参照)本当に具合悪いです。

以前の記事「機能性低血糖に気づきましょう」で書いたように、低血糖の範囲にまで血糖値が低下していなくても、血糖値の急上昇(血糖値スパイク)の後の急降下によって症状が出てしまうの場合もあると思います。

機能性低血糖に気付いたらすぐにでも糖質制限を始めましょう。

糖質過剰症候群

「Postprandial glycaemic dips predict appetite and energy intake in healthy individuals」

「食後の血糖低下は、健康な人の食欲とエネルギー摂取量を予測する」(原文はここ

2 thoughts on “糖質過剰摂取で空腹になりやすく、糖質制限で空腹になりにくい理由

  1. 「パンスク」(定額で各地のパン を届けるサービス)というものをTVニュースで見ました。
    コロナ禍でも旅気分を味わってもらおうと始めた業務だそうですが、
    炭水化物禍(糖質禍)にもなりそうですね。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      何を食べようが自由ですが、もう少し自分の体を大事にしてほしいですね。

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