アメリカ人のための食事ガイドラインはなんか変だ

アメリカ人のための食事ガイドライン(DGA)は、様々なタンパク質食品源でタンパク質の要件を満たすのに役立つ「オンス相当」の推奨事項を発表しています。(ここ参照)これは肉を基準としたオンス相当です。でも、この「オンス相当」は良く理解できません。タンパク質量や必須アミノ酸量が同じではないのに、同等のタンパク質源であるはずがないからです。タンパク質量やそのほかの栄養素が違えば、代謝も変化するのは当然でしょう。このガイドラインなんか変です。

これらのさまざまなタンパク質食品源の代謝同等性は確立されていません。

今回の研究では56人の健康な若年成人を対象として、7つの異なるタンパク質食品源のうちの1つを2オンス相当摂取した後のベースラインからの変化を、その個人のベースライン値と比較しました。食品はそれぞれ、2オンス(56g)の調理済みビーフサーロイン、2オンスの調理済み豚ロース肉、2個の調理済み卵、豆腐4オンス(112g)、1/2カップのインゲン豆、ピーナッツバター大さじ2杯、ミックスナッツ1オンスです。(表は原文より改変)

特性 牛サーロイン 豚ロース肉 豆腐 インゲン豆 ピーナッツバター ミックスナッツ
カロリー kcal 103.8 155.0 118.5 79.1 112.4 188.2 168.7
タンパク質 g 17.3 12.6 16.2 9.3 7.7 8.0 4.9
 全主要栄養素の% 76 52 75 58 27 26 18
炭水化物 g 0.0 1.1 0.0 1.9 20.2 7.0 7.2
 全主要栄養素の% 0 5 0 12 71 23 27
脂肪 g 5.5 10.6 5.5 4.7 0.4 16.0 14.6
 全主要栄養素の% 24 44 25 30 1 52 55
総必須アミノ酸 7.0 5.6 7.1 3.8 3.0 2.0 1.8
 総タンパク質の% 40 44 44 41 39 25 37
タンパク質食品の質量 g 56.7 100 56.7 113 88.5 32.0 28.4

上の表は2「オンス相当」タンパク質食品源の主要栄養素組成です。これらの組成は全く異なり、当然タンパク質量、必須アミノ酸量も大きく違います。

上の図はタンパク質食品摂取後の全身タンパク質動態、正味タンパク質バランス(NB)、タンパク質合成(PS)、タンパク質分解(PB)の変化です。肉や卵の動物タンパク質の方がタンパク質バランス変化は正のバランスに大きく傾き、植物性のタンパク質ではタンパク質含有量が少ない食品の方がその正のバランスは小さくなっています。肉や卵の方が合成量も大きく、分解量が少なくなるのも当然でしょう。

 

上の図はカロリー摂取量あたりの全身の正味タンパク質バランスです。これはカロリー当たりなので、脂質の多い卵はちょっと少なくなるのもわかります。しかし、これも動物性たんぱく質の食品の方が正のバランスが大きくなっています。

 

タンパク質食事摂取後の血漿必須アミノ酸(EAA)の240分間の曲線下面積です。これも必須アミノ酸の含有量を大きく反映しています。

動物性と植物性タンパク質を比較する前に、タンパク質量および必須アミノ酸量が違うのです。これはアメリカ人の食事ガイドラインで採用されている概念です。この「オンス相当」は、代謝的には相当ではないのです。

何のためにこのような概念が出来上がったのでしょう。これがいずれ日本に持ち込まれることはないとは思っていますが、どうしても理解ができません。恐らく、選択するタンパク質食品の種類を増やし、肉を選ぶ頻度や摂取量を減らす必要があるという考えから生まれたのだとは思いますが、種類というよりもタンパク質量が同じでなければならないのではないでしょうか?。何か私が勘違いしているのでしょうか?

どなたか、このオンス相当の意味がわかる方はいますか?

 

「Metabolic Evaluation of the Dietary Guidelines’ Ounce Equivalents of Protein Food Sources in Young Adults: A Randomized Controlled Trial」

「若年成人における食事ガイドラインのタンパク質食品源のオンス相当の代謝評価:ランダム化比較試験」(原文はここ

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