アルコールは糖質と同様、有害性がわかっていますがなかなかやめられません。私はあまり飲めないので、自然と摂取量は少なくなりますが、それでもほぼ毎日のようにアルコールを飲んでいます。糖質過剰摂取している人ではアルコールとのダブルパンチになるでしょう。
今回の研究では2020年のアルコールに起因するがんについて分析しています。(図は原文より、表は原文より改変)
男性 | 女性 | 合計 | ||||
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人口寄与割合(PAF) | 10万人あたりの年齢標準化発生率 | 人口寄与割合(PAF) | 10万人あたりの年齢標準化発生率 | 人口寄与割合(PAF) | 10万人あたりの年齢標準化発生率 | |
口唇がんおよび口腔がん | 25.9%(15・6–40・9) | 1.6(0・9–2・5) | 7.3%(4・1–12・7) | 0.2(0・1–0・3) | 20.2%(12・1–32・3) | 0.9(0・5–1・4) |
咽頭がん | 25.3%(10・4–43・4) | 1.8(0・7–3・1) | 7.4%(2・8–13・4) | 0.1(0・0–0・2) | 22.0%(9・0–37・8) | 0.5(0・4–1・6) |
食道がん | 39.2%(22・7–55・6) | 3.9(2・2–5・5) | 14.3%(9・0–23・5) | 0.6(0・4–0・9) | 31.6%(18・4–45・7) | 2.1(1・3–3・1) |
結腸がん | 13.0%(9・7–16・1) | 1.8(1・3–2・2) | 2.7%(1・9–3・5) | 0.3(0・2–0・4) | 8.1%(6・0–10・1) | 1.0(0・7–1・2) |
直腸がん | 13.0%(9・7–16・3) | 1.4(1・0–1・7) | 2.7%(2・0–3・6) | 0.2(0・1–0・2) | 9.0%(6・7–11・3) | 0.7(0・5–0・9) |
肝臓がん | 22.7%(6・4–40・9) | 3.3(0・9–6・0) | 5.0%(1・5–9・8) | 0.3(0・1–0・5) | 17.3%(4・9–31・6) | 1.7(0・5–3・2) |
喉頭がん | 16.6%(9・5–26・1) | 0.6(0・4–1・0) | 4.7%(2・5–7・0) | 0.0(0・0–0・0) | 15.0%(8・6–23・6) | 0.3(0・2–0・5) |
乳がん | .. | .. | 4.4%(3・0–5・8) | 2.2(1・3–3・2) | 4.4%(3・0–5・8) | 1.1(0・7–1・6) |
非黒色腫皮膚がんを除くすべての部位 | 6.1%(4・6–7・9) | 13.4(10・0–17・4) | 2.0%(1・6–2・5) | 3.7(2・7–5・0) | 4.1%(3・1–5・3) | 8.4(6・2–10・9) |
上の表はアルコールに起因するがんの発生率です。人口寄与割合(PAF:Population Attributable Fraction) とは特定のリスク要因が死亡率の何%に寄与しているかを示します。言い換えれば、もしリスク要因への曝露がなかったとしたら、疾患の発生(または疾患による死亡)が何%減少することになったかを表わす数値です。世界的に、2020年のすべての新しいがんの症例の推定741,300例(PAF4.1%)はアルコールに起因していました。男性では568,700例(76.7%、PAF6.1%)のアルコールに起因するがんの症例があり、女性では172,600例(23.3%、PAF2.0%)と圧倒的に男性の割合が高くなっていました。 世界の年齢標準化発生率は、10万人あたり8.4例で、10万人の男性あたり13.4例、10万人の女性あたり3.7例でした。PAFが最も高かったがんは、食道がんで31.6%、その次は咽頭がん22.0%、口唇および口腔がん20.2%でした。
上の図は国別のアルコールに起因するがんの発生率です。色分けが良くわかりませんが日本は5%程度でしょうか?
アルコールに起因するがんに対する中程度(<20g/日)、危険な量(20〜60g /日)、および大量(>60g/日)の飲酒の寄与を見てみると、741,300例のうち中程度の飲酒が103,100例(13.9%)、危険な飲酒は291,800(39.4%)、大量飲酒は346,400症例(46.7%)に寄与しました。
やはり、アルコールもほどほどにですね。
「Global burden of cancer in 2020 attributable to alcohol consumption: a population-based study」
「アルコール消費に起因する2020年のがんの世界的負担:人口ベースの研究」(原文はここ)
30代までは、例に漏れず「危険な飲酒」範疇でした。
色々身体に悪いのでしょうが、何より認知症のリスクが怖いです。
飲まずにいられる、現状を維持していきたいものです。
清水先生、おはようございます。
コロナ前はほぼ毎日、お酒を飲んでいましたが、コロナ禍では仕事が在宅になったこともあり、お酒をほとんど飲まなくなりました。あまり欲しいと思わなくなっています。週に1回くらい飲むことがありますが、弱くなったと思います。
お酒は飲まないに越したことは無いと思いますが、美味しい料理とお酒、少し飲むことでストレス解消になれば、リスクよりメリットが大きいのでしょうね。
じょんさん、コメントありがとうございます。
アルコールも程度問題でしょう。私はこの暑さで冷えたお酒を飲むのが楽しみです。