「医療が逼迫」は本当であろうか?

現在、日々PCR検査陽性者数の記録を更新して、1万人が当たり前になっています。いまだにマスコミは陽性者を「感染者」と言い続けていますが、正確に陽性者と言って欲しいものです。

8月2日現在、

緊急事態宣言区域:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、沖縄県
まん延防止等重点措置区域:北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県

という状況です。

さて、このようにどんどん陽性者が増加している状況ですが、本当にこれで医療が逼迫しているのでしょうか?

厚労省の発表では、令和3年8月1日0:00現在重症者は691人で前日比24人の増加です。死亡者数は8人増加です。言葉は悪いかもしれませんが、たった8人しか死亡していません。規制を解除したイギリスでは65人の死者数です。

さて、現在緊急事態宣言やまん延防止が出ている都道府県をそれぞれ見ていきましょう。

まずは東京。(データはここより)

ちゃんとここでは検査陽性者という言葉を使っています。病床使用率は3166/5967=53%、軽症者などはベッドの運用の問題であり、効率よくやればもっと使用率は減らせるはずでしょう。重症者数は101人となっています。東京とは国の基準と違い、「重症」はICU入室ではなく、人工呼吸器管理(ECMOを含む)が必要な患者数を計上しています。重症の病床使用率は101/392=26%です。では、ECMOnetの情報を見てみましょう。

人工呼吸は68人です。東京都の人数とは33人も少ない数値です。使用率は68/214=32%です。増加傾向ではありますが、急激に増加しているようには見えません。受け入れ可能ベッド数も東京都の確保しているベッド数と大きく違います。本当のデータはどれなのでしょう。いずれにしてもいまだ3分の1~4分の1程度のベッドが埋まっただけです。逼迫とは「行き詰まって余裕のなくなること」です。3分の1や4分の1は逼迫とは言いません。

そして、日々の東京の死者数は0~4人程度でしかありません。この超大都市である東京でたった数人の死者しか出ていないのです。インフルエンザ流行期の方がもっと死者数が多いはずです。

大阪はどうでしょう。(データはここより)

病床使用率は41%となっています。重症者数は77人となっています。重症の病床使用率はわずか13.1%です。しかし、実際に運用しているベッドで見るとちょっと数字が違うようです。(図はここより)

実運用病床で見ると、重症者の病床使用率は25%、軽症中等症の使用率は52.1%です。いずれにしても重症病床は4分の1しか埋まっていません。そして、大阪が作った大阪コロナ重症センターは半分以上(6/16)が空いている状況です。

では、ECMOnetの情報を見てみましょう。

確かに5月は非常に逼迫している感じがしましたが、現在は人工呼吸は51件でしかありません。逼迫しているようには見えません。

東洋経済オンラインの「新型コロナウイルス国内感染の状況」のサイトは良く引用されていますが、ここの大阪を見るとなぜか変な数字が出てきます。

大阪の重症者数はなんと223人!あまりに公式な数値と乖離しています。東洋経済は何の数字を出しているのでしょう?不可解です。

死者数も昨日はゼロ人であり、最近は東京都同様に0~4人程度の死者数でしかありません。

次にずっと緊急事態宣言が出ている沖縄を見てみましょう。沖縄はロックダウン相当の状況だと騒いでいます。(この記事参照)

東洋経済のグラフを見ると重症者は64人ですが、死者は0人です。死者数は東京大阪などと同様に0~5人程度です。

沖縄の公式の数値は上の図のようです。(ここ参照)181人は軽症で入院している状態だということなので、運用でどうにでもなるでしょう。重症者数が国基準と別に書かれていて、それはたった5人です。国基準では60人です。つまり、沖縄では人工呼吸をしていない人がICUを占拠している状況です。ECMOnetを見てみましょう。

沖縄の人工呼吸受け入れ可能な病床は47だとすると、8/47=17%しか埋まっていません。ロックダウンが必要なレベルでしょうか?

さて、北海道です。(データはここより)

重症者たった5人です。

重症者数の推移を見ても全然増えていません。死者はゼロの日の方が多い気がします。札幌だけを見ても重症者4人、昨日の死者ゼロ人です。

ECMOnetを見てみましょう。

人工呼吸は8件で、使用率は8/88=9%と10%を切っています。これで逼迫していると言えるでしょうか?

知事さんたちは逼迫だ!感染者が急増している!と言うのであれば、どの数値がどうだから逼迫していると考えているのでしょうか?医療が逼迫しているという曖昧な言葉を使って、経済をこれ以上止めることは何の意味があるのでしょうか?

ロックダウンが成功した国はほとんどありません。緊急事態宣言も効果がないことは明白です。国や都道府県の首長さんたちがワクチン接種を強く推進してきたのですよね?それでも陽性者は急増しています。しかし、重症者や死者数は抑えられています。これがどういう意味なのかよく考えるべきですし、いわゆる専門家であれば本当だったらもう少しまともな意見が出てくるはずです。つまり、デルタ株は感染力が強いが非常に弱毒化しているか、またはワクチン接種により重症化は抑えられているが、ワクチンのために無症状の感染者が増加して、その人たちがウイルスを広げていることで陽性者が急増しているのではないでしょうか?そうであるならばこれ以上規制をかける必要はありません。

ワクチンを接種しても感染する例が認められているから、移動を自粛しろと言うけれど、それでは今のワクチンは誰のため?何のためでしょうか?県をまたぐ移動はするなと言っても、オリンピックという国をまたぐ移動を認めてしまっているのでは説得力もありません。ワクチンを接種しても移動するな、酒を飲むな、でも感染は抑えられない、若者にとっては心筋炎などのリスクを考えると新型コロナウイルス感染よりもワクチンのリスクの方が高いかもしれない、これでは賛同を得られるわけがありません。

高齢者のために若年者が犠牲なるフェーズはもう終わりにしなければなりません。(下の図はここより)

もちろん、若い世代でも死者がゼロではありません。基礎疾患があるかどうかはわかりませんが、若い世代での重症者や死者の多くは糖質過剰摂取者であり、分かっていないだけで何らかの代謝的な異常があると考えています。しかし、それでも30代での死亡率は陽性者の0.02%です。

重症者の割合が40~50代に移ってきたと言われていますが、30代で1人、40代で27人、50代で65人です。入院治療の1%にも満たないのです。40代、50代は恐らく糖質過剰症候群の様々な症状があらわれる人と、そうではない人が顕著に表れる年齢だと思います。以前の記事「新型コロナウイルス重症化と基礎疾患」で書いたように、基礎疾患の数が多くなればそれだけ重症化リスクは高くなります。基礎疾患の病名が重要ではなく、基礎疾患が起こり得る食事をはじめとした日々の生活、習慣が重要なのです。家にこもり、太陽も浴びず、体も動かさず、糖質過剰摂取をし、ストレスがたまっていれば、免疫機能は低下し、感染に対する防御は非常に弱くなります。

国や都道府県のデータを見てみても、こんな状況で本当に医療が逼迫しているのでしょうか?中等症の人は入院の必要が無くなったら速やかに退院させているのでしょうか?軽症者を無駄に入院させてはいないのでしょうか?もちろん、今度の推移を見ていかないとなりません。しかし、新型コロナウイルス用のベッドはどの病院もちゃんと運用されているのでしょうか?マスコミが一部の病院だけを取り上げて、ベッドが埋まっていると報道するだけで、それが全体のことのように思われていますが、東京などの都道府県が出している数値が本当であれば、まだベッドはいっぱい空いているはずです。

飲食店の見回りをするマンパワーがあるのであれば、それぞれの病院のコロナ用ベッドがまともに運用されているのかどうかをチェックする方がよほど重要ではないでしょうか?コロナのベッドには税金でお金が出ています。もし、ちゃんと運用されていなければそれは〇〇です。給付金〇〇と同様です。

4 thoughts on “「医療が逼迫」は本当であろうか?

  1. ドクター清水さんこんにちは。

    昨日までのデータをご提示いただきましてありがとうございます。

    南米を中心に世界29カ国で感染が拡大爆発しているラムダ株。

    これが日本に入ってくれば、ご提示いただいたデータ等吹っ飛ぶのではないかなと思います。

    アメリカのジョンズホプキンス大学の調べでは感染した人の致死率が9.3%とあります。

    ドクター清水さんからご提示いただいたデータは何のあてにもならないと思います。ジョンズホプキンス大学の調査が正しいとしての前提ではありますが。

    新型コロナウィルスに関しては、過去のデータは何の意味もないと思います。なぜならばこのウィルスは、どんどん変異しているからです。

    過去のデータなどを何のあてにもならないと思うのが普通ですね。

    以上失礼しました。

    1. ジェームズ中野さん

      致死率を死者数/陽性者数と考えて話をすると、
      ペルーのこれまでのすべての死者数/陽性者数は196518/2114445=9.3%です。ラムダ株だけのデータではありません。
      ラムダ株は現在ペルーの50%と言われていますが、広がったのは今年になってからですから、昨年末までと比較してみましょう。
      2020年12月31日までの死者数/陽性者数は100449/1015137=9.9%、
      2021年1月1日~8月2日までは96069/1099308=8.7%。
      今年になってからの方が致死率が低いですね。
      まあ、オリンピックがラムダ株を日本に運んできていると思います。

      1. 一見、致死率が下がったような感じを受けますが、

        それはワクチン接種が広まったから、と言うことが死者のパーセンテージを下げているのではと考えられますね。

        つまりワクチン接種で、重篤化しないと言うことでは無いのでしょうか。

  2. さらに、国が医療の逼迫って事を言うのであるならば、入院の設備を持つ病院であるのにコロナ患者を受け入れない病院が私の住む地域でも多々あります。この辺をどうにかしないとコロナ対応の医療従事者の負担につながりますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です