不安と糖質過剰摂取

以前の記事「新型コロナウイルス重症化と基礎疾患」で、新型コロナウイルスの重症化のリスクと基礎疾患の関連で、不安(不安および恐怖関連障害)でリスク増加をしていましたが、なんで不安が基礎疾患?と思った人もいるかもしれません。

しかし、不安は糖質過剰症候群と考えられます。

糖尿病の危険因子として不安を調べた合計14件の研究のメタアナリシスでは、不安があると糖尿病発症の可能性が1.47倍と増加しました。(この研究参照)

別の研究では、糖尿病の人は糖尿病のない人と比較して、不安障害または不安症状の上昇を示す可能性が高いことを示しています。糖尿病患者12,626人のデータを含む合計12の研究を分析しました。(図は原文より)

不安障害の可能性は1.2倍と不安症状の上昇の可能性は1.48倍でした。

肥満と不安についても14の研究のメタアナリシスでは、肥満であると不安障害のある可能性は1.1~2.73倍でした。(この研究参照)

またアメリカのBMIによる精神疾患の生涯有病率は次のようです。(表はここより改変)

BMI30未満の場合の有病率BMI30以上の場合の有病率オッズ比95%Conf Interv
生涯
気分障害18.3%22.0%1.27(1.15、1.41)
 大うつ病16.0%18.6%1.21(1.09、1.35)
 双極性障害1.9%2.8%1.47(1.12、1.93)
不安障害9.8%12.3%1.28(1.05、1.57)
 全般性不安障害5.4%6.5%1.20(0.99、1.47)
 パニックまたは広場恐怖症5.6%7.1%1.27(1.01、1.60)
物質使用障害15.6%12.8%0.78(0.65、0.93)
過去12か月
気分障害8.1%9.5%1.19(1.00、1.42)
 大うつ病6.6%7.2%1.09(0.89、1.34)
 双極性障害1.3%2.0%1.61(1.07、2.43)
不安障害5.3%7.0%1.34(1.07、1.66)
 全般性不安障害2.6%2.9%1.12(0.77、1.64)
 パニックまたは広場恐怖症3.1%4.6%1.50(1.20、1.87)
物質使用障害4.3%2.9%0.65(0.40、1.06)

肥満であると様々な精神疾患、症状を示すリスクが高くなると考えられます。

恐らくは脳のインスリン抵抗性、炎症が大きく関係していると思われます。糖質過剰摂取により、脳の炎症とインスリン抵抗性が増加し、脳のエネルギーが不安定になったり、ミトコンドリアの機能障害、ドパミンなどのシグナル伝達の障害などが起こっていることで、様々な症状が現れると思います。

不安に対しては薬物よりもまずは糖質制限ですね。食事を変えずに薬に頼った治療を行っていると、ずっと薬のお世話にならなければならないかもしれません。

「Association of diabetes with anxiety: a systematic review and meta-analysis」

「糖尿病と不安との関連:系統的レビューとメタアナリシス」(原文はここ

コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    30年以上前の学生時代、不安を抱えて専門家に相談したところ「生活リズムを整えて、朝は日光を浴びて運動しなさい」と言われ、当時は「何言ってんの?」と納得できませんでしたが的確なアドバイスだったと思います。
    当り前ですが身体も脳(精神)も一体ですもんね。

    話は変わりますが、オリンピックは日本選手大活躍ですが、先行き不透明ですね。