朝食を食べない子供はバカになる?負け組になる? その1

朝食の重要性は盛んにマスコミなどが伝えています。食育の世界でも子供が朝食を食べないことの弊害が言われ続けています。

子供の教育のサイトで、「脳トレ」で有名になった某国立大学の教授が行った調査の結果について次のように書いています。

  • 「朝食あり」の子どもの3割が、偏差値65以上の大学に合格している。
  • 「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」たちの半数以上が第1希望の大学に入っている
  • 「朝ごはんを毎日は取らなかった人」たちの約3割が第3希望の大学にしか入れていない
  • 「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」の約6割が第1希望の会社や団体に就職できた
  • 「朝ごはんを毎日は取らなかった人」たちの約3割が第3希望以下のところにしか就職できなかった
  • 「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」たちは高収入層に固まりやすく、「朝ごはんを毎日は食べていなかった人」たちは低収入層に固まりやすい

怖!

まるで朝食を摂らないとバカになったり、人生の負け組になったりするとでも言いたいようです。この調査は、大学生 400 名・ビジネスマン 500 名を対象にした「朝ごはんに関する意識と実態調査」というもので、報道用の資料を見てみると非常に面白いです。全く原因と結果が真逆なのに気づいていないのでしょか?農林水産省の朝食を欠食に関する調査結果を見れば、朝食と成績などの関係の背景が見えてきます。容易に想像できますし。

朝食を食べれば成績上がるの?希望した会社に入社できるの?収入が上がるの?

この調査で「どんなに忙しくても朝ごはんをしっかり食べていそうな有名人」はという質問でタモリさんが上位に来ています。しかしタモリさんは1日1食~1.5食しか食べないことで有名です。(この記事参照)以前は1日1食と言われていましたが、つい最近のこの記事では1.5食と答えています。ビートたけしさんも1日1食だそうです。芸能界の成功者は1日1食は珍しくないようです。ますます朝食で成績が上がったり、勝ち組に入ったりすることができるというのは怪しい、というよりも全くのウソだということがわかります。

先ほどの子供の教育のサイトの記事の中で、次のようなことが書かれています。

では、なぜ朝食がそこまで子どもに影響を与えるのでしょうか。
その答えは「脳」の働きにあります。脳をしっかりと働かせるためには、ブドウ糖が必要です。朝はブドウ糖が足りなくなっているため、すぐに補う必要があります。ブドウ糖はご飯やパンなどの「主食」が消化されることで作られるので、朝食を食べることでブドウ糖がきちんと脳に行き、きちんと機能するというわけです。

朝はブドウ糖が足りなくなっている?機能するにはブドウ糖が必要だから、すぐに朝食で補うということ?じゃあ寝ている間、脳はどうしているの?朝食食べないと脳の細胞が死んじゃうの?恐ろしい記事が平気で書かれています。

また、学校給食の食品を扱う企業のホームページには次のような記事があります。

2018年度、文部科学省「全国学力・学習状況調査」の結果から、朝食を毎日食べていない小学生が増えていることが分かりました。…

2018年度の調査結果によると、朝食を「毎日食べる」は84.8%、「どちらかといえば食べる」が9.7%、「あまり食べていない」が4.1%、「全く食べていない」が1.4%。15%超える小学生が、朝食を毎日食べる習慣が身に付いていない。

昨年2017年度の調査結果では、朝食を「毎日食べる」は87.0%、「どちらかといえば食べる」が8.4%、「あまり食べていない」が3.7%、「全く食べていない」が0.9%であり、昨年度と比べても朝食を食べない小学生の割合が増加している。…

農林水産省と文部科学省は、学校での働き掛けに加え、今後さらに家庭を巻き込んだ食育に力を入れるとしています。当SN見聞録2018年11月6日付「朝食を抜くと太る 体内時計の乱れ 名古屋大学解明」からも、朝食を食べない場合より食べた場合のメリットは明らかで、今後も「早寝早起き朝ごはん」がしっかり根付くことを願っています。

文部科学省だけでなく農林水産省が関わっているということは、やはり生産者の利益のためだと想像できますね。農林水産省の第4次食育推進基本計画には次のように書かれています。

(4)朝食を欠食する国民を減らす
朝食を毎日食べることは、栄養バランスに配慮した食生活や基本的な生活習慣を身に
付ける観点から非常に重要であるため、引き続き、子供の朝食欠食をなくすことを目標
とする。
具体的には、令和元年度に 4.6%(「全く食べていない」及び「あまり食べていな
い」)となっている子供の割合を、令和7年度までに0%とすることを目指す。
当該目標については、健康上の理由から朝食摂取が困難な子供に配慮し、安易に目標
値の達成のみを追い求めることのないよう留意する。
また、20 歳代及び 30 歳代の若い世代は、朝食欠食の割合が依然として高く、加え
て、次世代に食育をつなぐ大切な担い手でもあるため、引き続き、若い世代の朝食欠食
を減らすことを目標とする。
具体的には、令和2年度は 21.5%となっており、引き続き、令和7年度までに 15%
以下とすることを目指す。

朝食を食べない人が増えたら、生産者側は困りますからね。

先ほどの記事の中にあった、「朝食を抜くと太る 体内時計の乱れ 名古屋大学解明」が気になったので、論文を探してみました。

やっぱりというか、情けないというか、この研究はネズミさんのものでした。朝食を抜いたネズミさんの方が太ったのです。あらら。

朝食を抜くと子供の注意力が散漫になったり、記憶力が低下したり、大人でも肥満などの原因になりやすい、と言われていますが、本当にそんなエビデンスあるのでしょうか?それは次回以降に。

「Delayed first active-phase meal, a breakfast-skipping model, led to increased body weight and shifted the circadian oscillation of the hepatic clock and lipid metabolism-related genes in rats fed a high-fat diet」

「朝食を食べないモデルである最初の活動期の食事の遅延は、高脂肪食を与えられたラットにおいて、体重の増加をもたらし、肝時計のサーカディアン振動および脂質代謝関連遺伝子をシフトさせた」(原文はここ

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コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    脳トレで有な東○大學の教授も広告大事なんですかね。
    (研究費?本気で信じて公言されているのでしょうか?)

    任天堂からゲームソフトも発売されているような、一般的には信頼度の高い先生のご発言は影響が大きいでしょうね。

    山田鷹夫さんという不食を提唱されている方の著書にもタモリさんとの遭遇逸話あり、
    タモリさん曰く「俺も殆ど食べないんだけど、何故か太るんだよ」食べない様です。

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      全く原因と結果が逆ですからね。まあ何かビジネスが絡んでいるのでしょうね。

  2. 匿名希望 より:

    朝ごはんを食べる子供というより朝ごはんを出してくれる家庭は環境が良いから頭が良いんだろうな〜って思ってます。
    糖質制限してる限り食後眠くならないし、むしろ集中力が上がり成績が良くなるはず!